鼎談

(OTOTOY編集後記からの転載です)

岩波書店のWEBマガジン「たねをまく」に掲載されている「【鼎談】新全集が示す関孝和像 上野健爾/佐藤賢一/橋本麻里|『関孝和全集』刊行記念」(前編|後編) が無茶苦茶おもしろいです。この鼎談を読むのには数学や和算の知識は必要ありません。お話として普通に読めます。関孝和の自筆の書がひとつも(!)残っていない話、(それそのもの価値とはまた別の要因として) 弟子の有無が後世に残るか否かを左右する話、一般論と個別論に対する日本人の得手不得手、身分制度という大枠に属さない「数学を楽しむ空間」の話等々。ぜんぶが面白いし、現在にも他の領域にも通じる話ばかりです。全集そのものは私は読んでも理解できないものなので、鼎談でも触れられている一般向けの書籍を心待ちにしたいと思います。

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈リリパ東京編は今週末!〉、すばらしかの “2人は飛び降りた”、他、GIVE ME OWの “Whatever”、PinkPantheressの “Mosquito”、君島大空の “16:28” の4曲です。

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RAYのワンマンをWWWでみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

RAY新体制1周年ワンマン「#NOISE_DANCE_FRENZY」@渋谷WWWに行きました。ソールドアウト公演に相応しい堂々たるワンマン・ライヴ。なにせ曲が良い (前から)、メンバーの5人が良い、それに尽きます。あと新衣装が可愛い。OTOTOYのアーティスト・ページのアー写も新ビジュアルに入れ替えました。いわゆるアウェイで爪痕を云々というのもライブ活動の醍醐味のひとつではありますが、やはりアーティストはワンマンを、皆を納得させる尺でやるべきなんだなとしみじみ思わされました。次はWWWXにステップアップ。楽しみです! p.s. ステージから見たWWWの客席を様子を「ポテト」に例えるのは初めて聞きました。たしかに……

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈やまのは(Vo./Gt.)のソロ・プロジェクトとしてはじまり4人のバンドとなったKiQの1st EP『空想』から〉、KiQの “僕の家”、他、Sundae May Clubの “Teenager”、Momの “マクドナルドのコーヒー”、Holly Humberstoneの “Into Your Room” の4曲です。

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「音楽情報処理」

(OTOTOY編集後記からの転載です)

勉強もしないとね、ということで「音楽情報処理」を買いました。紙の本。(情報)工学の本です。書籍の紹介ページから章立てを引用します。
 第1章 音楽情報処理の基礎
 第2章 自動作曲
 第3章 作曲支援・即興演奏支援
 第4章 楽器演奏支援
 第5章 自動採譜
 第6章 音楽鑑賞インタフェース
という構成。大雑把に言うと大部分が制作者・演奏者の支援で、最後の第6章がリスナーの支援です。この10数年リスナー・サイドに影響を及ぼした大きな変化は、音楽がデジタルデータとしても取り扱われ解析の対象となったこと、多人数が同じプラットフォームで音楽を聴くようになり “音楽の聴きかた” が同じく解析の対象となったこと、そしてそれらから得られる知見がリスナーにサービスとしてフィードバックされるようになったことでしょう。そうした変化はゴリゴリとリスナーの音楽の聴きかたを変えていきました (当然のようにそれは制作者や演奏者にも影響を及しました)。まだまだ変化は進行中ですが、そこだけを対象にした分厚い本が書かれる日もいずれくるでしょう。変化の一部に携われるように個人的にもがんばろっと。

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈I.W.S.Pの I は彼女たちの地元池袋の I〉、illiomoteの “I.W.S.P”、他、Guibaの “らぶちぇん”、浪漫革命の “”、Becky Gの “QUERIDO ABUELO”、aldo van eyckの “BLS” の5曲です。

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スマホ片手のライヴ

(OTOTOY編集後記からの転載です)

Voxの記事に「TikTok has transformed the concert experience — Fans are creating new concert traditions for a new age.」というのがありました。TikTokという固有名詞はある種の象徴として使われているもので、本質的にはライヴとスマホと動画とSNSの話です。ライヴそのものだけでなく、ライヴに行く計画を立てるところからはじまり、準備し、行き、ライヴを楽しみ、家に帰ってからいろいろなかたちで反芻する。その過程はすべて動画で撮られ、シェアされ、レスポンスを得る。そうしたことがいかに「コンサートの楽しみかた」を変えたか、という内容です。ライヴ中スマホを片手にすることはアメリカでさえいまだ賛否があり、このような肯定的論評でも両論を適宜配置して理解を促しながら論じる状況のようです。とても興味深いのでこの話題が気になられた方は読まれることをおすすめします。そして一方、日本の現状は……

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈最新曲集『KonoYono』EPから。NaNoMoRaL、音源聴いて気になってる方は、ぜひ一度ライヴ観るのをオススメします!〉、NaNoMoRaLの “この世のはなし”、他、Special Favorite Musicの “ナイトミスティパーク (feat. Kanna Sato)”、Ålborgの “Memory”、君島大空の “c r a z y” の4曲です。

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ダンス☆マン。

(OTOTOY編集後記からの転載です)

モーニング娘。の誕生25周年記念ベスト・セレクション・アルバムがリリースされました。アルバムの名義は’23ですが収録曲には’22や’21も入っていて部外者は戸惑いがち(笑)です。

DISC2に、
 1. LOVEマシーン (updated 23 Ver.)
 2. 恋愛レボリューション21 (updated 23 Ver.)
 3. そうだ!We’re ALIVE (updated 23 Ver.)
 4. ハッピーサマーウェディング (23 Ver.)
 5. ザ☆ピ〜ス! (23 Ver.)
が入っています。いわゆる元曲がダンス☆マン編曲の5曲。

このうち「(updated 23 Ver.)」の3曲はバックトラックが作り直されていて編曲者も別人名義に。一方で「(23 Ver.)」の2曲はバックトラックはそのままでヴォーカルのみ歌い直しなのでしょうか。編曲者名義は当時と同じ「ダンス☆マン (horn arrangement by 川松久芳)」です。“ザ☆ピ〜ス!” はザ・バンドマンのベースTOCA氏が亡くなった後の制作なので、TOCA氏のグルーヴあふれるベースが聴けるのは “ハッピーサマーウェディング” だけ。そしてこの “ハッピーサマーウェディング (23 Ver.)” が良い。ほんとに良い。ダンス☆マン曲のupdated Ver.ではない2x Ver.を全曲聴けるようにならないものだろうか。

OTOTOYでもモーニング娘。の配信がはじまりました。単曲買いもできます。24bit/96kHz ハイレゾ16bit/44.1kHz ロスレス、お好きなほうで、ぜひ。

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(関連記事 :「105円。」)

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈“bedの1stアルバムはまだ少し先でいい”。これは “ライブレコーディングアルバム” だ〉、bedの “mother ship (live)”、他、Måneskinの “HONEY (ARE U COMING?)”、paddy isleの “Queen In Red”、Hammer Head Sharkの “たからもの” の4曲です。

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聴き比べ

(OTOTOY編集後記からの転載です)

RITTOR BASEで開催された、P-MODELの1stアルバム『IN A MODEL ROOM』LP/CD/ハイレゾ聴き比べ&深掘りトーク・イベントにお邪魔してきました。『IN A MODEL ROOM』収録の全曲を、
 ① 1979年リリースのオリジナル・ヴァイナル
 ② 2022年再発のヴァイナル (2020年リマスタリング音源使用)
 ③ 1992年リリースCD
 ④ 2003年リリースのデジタル・リマスタリングCD
 ⑤ 2020年リリースのリマスタリングCD
 ⑥ 2023年リリースのハイレゾ (24bit/96kHz, 2020年リマスタリング音源使用)
の6種類の音源で聴き比べる、アルバム1枚を2部構成4.5時間かけて聴くという、狂気のイベントです。やってることがおかしい(笑)のですが、でも聴くと確かに全部違う音がして、企画として成立していたのがすごい。

イベント後の参加者の方々の感想が⑥のハイレゾが好き派と②の最新ヴァイナルが好き派 (敢えて言い換えると⑥が好きではない派) とに分かれたのが、ある程度予想通りとはいえ、やはり興味深い。そして個人的には、良し悪しを超えて、さらには好き嫌いすらも超えて、③を聴いたときの「落ち着く」感じが我ながら驚きでした。自分は初期CDの「こじんまりとした(?)」音をこれまで最も大量に摂取してきたんだなというのが改めてよくわかりました。

このイベント、今後月1回ペースでとりあえず5thアルバムまではやる予定とのこと。なにそれ楽しそう、とか思った方は次回いかがでしょうか。開催が決まりましたらまたOTOTOYニュースでもお知らせします

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈4カ月連続リリースもこの曲でゴール〉、グソクムズの “道の途中”、他、優河の “遠い朝”、Joint Beautyの “Special Days (feat. 藤井隆 & ピーナッツくん)”、ゆっきゅんの “Re: 日帰りで – lovely summer mix” の4曲です。

そして先週の推薦曲は、〈夏がくると聴きたくなる曲がまたひとつ新しく〉、daisanseiの “ほたるの線”、他、ハンバート ハンバートの “恋はいつでもいたいもの”、New Westの “IYKYK”、Tash Sultanaの “1975” の4曲でした。

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駒澤零の個展に行って、FEVERでSAGOSAIDをみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

週末その1は駒澤零の初・個展「天使・生活」。美しいとか可愛いとかだけでは済まされない棘、ちゃんと刺さったと思います。「ディグインザディガー」の生原稿がすごかったです。書き込みがエグい。あれはネットで見るのはもったいない。初個展おめでとうございますでした。週末その2はSAGOSAIDのレコ発@FEVER。最強にカッコ良かったです。何回か観てきたSAGOSAIDのライブで確実に一番良かったし、今年のこれまでのこういう小箱のライヴで一番カッコ良かったかもしれない。フロアの笑顔と演者の笑顔の相乗効果、いちばん良いやつ。バンドアンサンブルも良き。サポート・ギターの “効き” が抜群でした。

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈気持ちいいものはいつだって気持ちがいい〉、Nagakumoの “Bedtime Bear”、他、KOTONOHOUSE, 4s4kiの “デカい愛♡”、SonoSheetの “Moon Walker” の3曲です。

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気合い

(OTOTOY編集後記からの転載です)

先週、Glimpse Groupのインタヴューを公開しました。彼らのライヴをはじめて観たのは去年の10月。そのとき感じたのは、歌・演奏の良さも勿論ですが、なんといっても演者の熱が真っ直ぐにフロア目掛けて飛んでくることでした。独りよがり感が微塵もなく目線がフロアを向いてる。居そうで居ないです。突き刺さりました。

今回の彼らのバンドの初メディア・インタヴューで触れられていたのが、マーヤさん (KING BROTHERS)。確かに! そんなかんじで、ライヴを観たことがあるひとが読んでも、読んでからライヴを観ても、そういうことか……と納得することが多いインタヴューになったのではと思います。実現できてとても嬉しいです。

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈歌詞にもサウンドにも、共感しちゃう…〉、BurnQueの “意識はある心は寝てる”、他、細井徳太郎の “魚 _ 魚”、Post Maloneの “Joy”、℃-want you!の “ときめきを教えて” の4曲です。

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花火大会の日の浅草花劇場で矢口真里をみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

というタイトルを付けましたが、イベントはNaNoMoRaL主催の「あまみやみくのおたんじようびかい」です。たぶんモーニング娘。のメンバー、現役・OG問わず生で観るのは初めて。矢口真里アコースティック・セットのセトリは、“たんぽぽ” (タンポポ)、“トゥモロー” (ミュージカル〈アニー〉)、“I WISH” (モーニング娘。)。聴き手を攫む力が強くてすごかったです。バックのアコースティック・ギターは梶原パセリちゃん! 観てるほうも緊張したというか笑。

そしてNaNoMoRaL。NaNoMoRaLは広いステージがよく似合う。始まってすぐにこんなもんじゃないって感じでこの日のステージも狭く見えるように。ほぼ新しめの曲で構成されたセトリはそれぞれの曲のスケールが大きくてとても良かったです。

出演した未菜さんの「ひと」(梶原パセリちゃん作) も初めてライヴで聴け、ほか出演者の方々も含めてよいイベントでした。人柄ならぬアーティスト柄の賜物ですね。

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈ヴォーカル/アコギ、トロンボーン/フルート/コーラス、ギター/スティールギター、ベース、ドラムという構成の5人組。ライヴぜひ観てください!〉、Ålborgの “Change”、他、futuresの “downstaires”、Soccer Mommyの “Soak Up The Sun”、SonoSheetの “レイニー” の4曲です。

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夏です

(OTOTOY EDITOR’S CHOICE Vol.231「夏です」からの転載です)

暑いわ!ってことで夏の曲プレイリストです。

それにしても暑すぎませんか? 夏の曲を選んだのですが、現実のほうが暑すぎて歌詞世界とのズレが生じています。暑すぎて蝉も鳴かないし虫も飛ばず羽音も聞こえません。東京は夕立さえ降りません。この暑さのなかクーラーのない部屋で過ごすのは命にもかかわり、だいぶ現実味がなくなってきました。現実が歌詞に近づいているのが、1曲目に入れたXTCの “Summer’s Cauldron” ですね。cauldronは「大釜」。魔女が何かをぐつぐつ煮込むときに使うアレ。鍋で煮込まれているような暑さ、まさにそれだ。(煮込まれたことないので想像ですが)

夏の歌詞世界といえば、とにかく恋愛。なんでなんでしょう?「開放的な気分」ってよく考えるとなんのことやら意味わからない。なにかしらの意味で自分にとって大切なひとがいるのは良いことでしょう。でも夏だけじゃなくて春秋冬もいたほうがいいと思います。

もうひとつ夏といえば、夏休みやvacation。そこでは楽しさ・良き思い出が表現されると思われがちですが、洋楽では「孤独」と結び付けられる例も多く見られます。夏がはじまるまで一緒に過ごしてきた同級生、同僚、友人らが居なくなり、ひとりになったときの内省。欧米では夏=学年の終わりなので、日本の「3月」に相当する心情もあるのかもしれません。

そして日本の夏の歌、その一大勢力は「夏が終わる切なさ」です。長い夏休みが終わる、プールが終わる、学校がはじまる、宿題がまだ!と、子どものころに感じた寂しさ・切なさ・悲しさが染み付いているのでしょうか。特別長い休みがあるわけでもない大人も、なんか切なくなりますよね。私のなかには「“夏休みはもう終わり” ソング」という括りが確実にあるのですが、なんと今はまだ7月。夏の終りソングは控えめにしました。入れられるものなら入れたい “さよなら夏の日” や “DOLPHIN SONG / ドルフィン・ソング” は配信がないし……

フジロックが終わり週が明けたら7月も終わります。夏はこれからが本番。暑さをしのぎ、切なさ控えめ楽しさ多めで過ごしましょう。目も眩む日差しですが、太平洋高気圧に覆われたこのところずっと、空の青が綺麗です。みなさま、お体ご自愛ください。

P.S.
今となってはこういうリストをつくるとき(リバイバルも含めて)「シティ・ポップ」をどう扱うかが面倒このうえないのですが、今回は1曲しれっとブレッド&バターを混ぜてみました。聴いていて違和感のなさがすごい。編曲・細野晴臣。リリースは1979年。おそるべし。

(プレイリストのSpotify版はこちらです)