SACOYANSをみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

日曜日、SACOYANSのライヴをみてきました。むっちゃカッコいい。もし今年がこんな年じゃなかったとしても確実に2020年の記録に残る、そんなライヴでした。綺麗な音で正しく音がデカい。そのなかで色濃く立ち上がるSACOYANのヴォーカル。すばらしい。事前に想像していたよりもずっとバンド感がありました(これは私の勉強不足が原因)。こんな状況で2020年に東京でみられるとは思ってなかった。呼んでくれたひと、来てくれたバンドに、感謝しかないです。そしてもうひとつ先週といえば、THEティバの新作MV「Go back our home」。この両者、何かが重なるなと思っていたのですが、それは荒涼とした音楽の大地に立つ生身の人間の尊さなのかもしれません。その存在に感謝したいです。

(これは昨日のじゃない別の日のライヴだけど。1:03:15〜)



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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈より自由さを増した2ndフルアルバムから、瑞々しさをたたえたこの曲を〉、Charlotte is Mineの “群青” と、〈冬、すこしだけ暖かい日、街を歩く。そんな一曲〉、松木美定の “おぼろの向こう” の2曲です。

トーキョーベートーヴェン+モトーラ世理奈の青春のリグレット (feat. モトーラ世理奈)も候補だったのだけど他の人に先に出されました(笑)。

Go Toトラベルしないで済んだ話

(OTOTOY編集後記からの転載です)

6月に「早く時代がついてこい!」で紹介したcolormal、かなり好きなアーティストなのだが、この10月ころからGt./Vo.のイエナガが「活動を終える」と言い出し、まあ冗談だろうと眺めていたらだんだんと発言が具体的に。来月13日のライヴがラストらしいので、これはひさびさの遠征案件か、Go To使えるかな? とか思っていたらそちらの状況も怪しく…… が、昨晩彼らからアナウンスがありOTOTOYのニュースでも取り上げたように、話は一転、これまでのサポートをメンバーに迎えてソロ・プロジェクトからバンド体制に移行とのことでした(やっぱりか!!!)。現サポート体制はバンドとしても大変に魅力的で、やられたと思いつつもこの嬉しいニュースを喜びたい。というわけでGo Toはやめて配信で観ます。ニュースは良いほうがいいからね。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈「I pray for you. それじゃ、またね。」〉、赤い公園の “pray” と、〈サンプリングされたJuliaの声とハウシーなピアノがビートに寄り添う〉、Fred again..の “Julia (Deep Diving)” の2曲です。

ハイファイの民主化

(OTOTOY編集後記からの転載です)

OTOTOYで機材レヴューをし、勢い余って販売もはじめてしまった「iFi audio ZEN DAC」と「ADAM AUDIO T5V」のセット。5万円台でこの音質が買えてしまうのは、二昔前から考えれば確実にゼロひとつ安くなっているだろう。5万円台が高いのであれば、いわゆる「中華」と呼ばれているDAC/デジタルアンプとそこらへんから拾ってきた(なにそれ笑)スピーカーという選択肢もある。それなら半額以下。それでもかつての数十万円コースの音がするだろう。これって別の言い方をすると「ハイファイの民主化」なんですよね。同時進行でサブスクリプションの普及とスマホで音楽を聴くことが進んでいて、結果として起きていることからは見えにくくはなっているが、この「ハイファイの民主化」が音楽全般に与える影響はとても大きいのではないだろうか。というわけで、機材レヴューに興味のある方は「特集記事」を、セット販売に興味のある方は「物販」を、そして民主化されたハイファイで聴く音楽に興味のある方はOTOTOYを、ぜひご覧ください。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈“優しさ”に満ちた最新ミニアルバム、全曲素晴らしくて選べないけど〉、クレナズムの “ラテラルアーク” と、〈真っ直ぐなロック&ポップが一番格好いい〉、NYAIの “Cheap sentimentalism” の2曲です。

PURE2000

(OTOTOY編集後記からの転載です)

土曜日に〈SPEED〉主催の野外レイヴ〈PURE2000〉に行ってきました。京浜工業地帯、運河沿いのとある場所。期待と幸福に満ちた場所。こんなことを言うと自己矛盾なのだが、メディアが取り上げる「シーン」や「ムーヴメント」にはなにか胡散臭さを感じることもある。だが実際に多様な人々が同じ場所と時間と熱を共有するさまをみれば、そこには何かが確実に(それを何と呼ぶかはさておき)存在し、それがこうして草の根から湧き上がっていることを実感できる。Lil Soft Tennis関東初のバンドセットも、yuzuhaも、LUXYも、もちろんWaaterも観られました。DJも皆、熱かった。素敵な場を、最高の機会をありがとう。きっとここからどんどん繋がっていくのだろうな。ひとりの音楽好きとして、追いかけたいです。そして翌日行ったシバノソウのバンドセット・ライヴもとても良かったです。6月に出たアルバムを聴いたときから「強いな」と思っていたのだが、それは理由と事実がある「強さ」だったんだ。納得。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈ジャム&ルイス、来年リリース予定のデビュー・アルバムから先行カット。これって「デビュー・シングル」?〉、 Jam & Lewis x Babyfaceの “He Don’t Know Nothin’ Bout It” と、〈5年ぶりのアルバムから、変わらぬ良い曲を最新の音像で〉、Turntable Filmsの “Shape Your Town” の2曲です。

ギター

(OTOTOY編集後記からの転載です)

良い音楽にたくさん出会えた先週でした。高井息吹の『kaléidoscope』、そしてなんといってもTomato Ketchup Boysの『The First Encounter Of This Odyssey』! カッコいいギターここにあります!!! ギターといえば、土曜日にあったリーガルリリーのプラネタリウムで行われた配信ライヴです。過去を振り返ってばかりなのは良くないと頭で分かっていても、でもずっと、たかはしほのかが弾くムスタングの音が忘れられなかったのです。セッティングで出す最初の一音から他のなにものでもない、ワンストロークで心打たれる音…… そんな想いを吹き飛ばすような土曜日の配信ライブでした。テレキャスターの音、だけじゃない。3人とも抜群に良い音を出していました。“蛍狩り”のアウトロとプラネタリウムに映る映像の美しさ。最高でした。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈気怠さと懐かしさに満ちたアルバムから、すこしだけ足取りが軽そうなこの曲を〉、the circusの “マリー” と、〈新井和輝(King Gnu)・君島大空が共同制作で参加の新作EPから、バンド感あふれる1曲を〉、高井息吹の “ハローグッバイ” の2曲です。

そしてトマケチャは他の人に先に挙げられてしまったので自分の推薦コメントは入ってないけど、それでも推さないわけにはいかない、〈ほんとにカッコいいギターが詰まっている〉、Tomato Ketchup Boysの “Revolution Summer” です。

前を向いて

(OTOTOY編集後記からの転載です)

先々週の悲しい報せ、先週の切ない報せと、やるせないニュースに気持ちが沈むこの2週間。どちらもこういうときの冠言葉である自分でもびっくりするくらいというのは明らかに嘘で、自分でもよくわかるくらい悲しく、切ない報せだった。でも。前を向いて。ひとつのメッセージは「また会おう」だったし、もうひとつのメッセージは「明るい未来を想像しながら、一緒に明るい毎日を過ごせるよう、ハッピーなことを共有しあおう」、だから。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈光景を構成論的に描く意欲作。そこで目に映る光景は果たして? 待望の2ndEPから先行配信〉、君島大空の “笑止” です。

「共通の領域」

(OTOTOY編集後記からの転載です)

先週の新譜のなかで特に印象的だったのは、神様クラブのトラックメイカーでもある、ウ山あまねの『Komonzo』でした。サウンドの表面的な構造はどことなくCorneliusを連想させ、実際、神様クラブ名義でのインタヴューでは「(影響を受けたアーティストを聞かれたら)Cornelius、Animal Collective、RO GANGの3組を挙げています」と答えている。しかし大きく異るのは作品と聴き手との間の〈境界〉のあり方ではないだろうか。ウ山自身がこのEPについて「自分と大勢の他者との共通の領域についての作品です」と語るように、そこには絶対性や鋭敏さよりも人懐っこさが感じられる。〈バリアー〉を張ることに価値を見いださないこの作品の感覚、そこに時代が進んでいることを強く感じた先週でした。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈才が余りある、でもどこか人懐っこさを感じる楽曲が詰まったEP『Komonzo』から〉、ウ山あまねの “リモデラ” と、〈情景の描写力に満ちた1stミニ・アルバム『音楽と密談』から〉、浦上想起の “とぼけた顔” の2曲です。

there must be light

(OTOTOY編集後記からの転載です)

某野外、某ホールに続いて、この土日に7ヶ月ぶりのライヴハウスへ。土曜日はシバノソウとthat’s all folks。シバノソウの『あこがれ』はこの夏いちばん聴いたアルバムなので当然の帰結か。そして日曜日はナツノムジナとOs Ossos。土曜日は着席、日曜日はスタンディング。人数制限+ディスタンスではあるけど、よくある「空いてる日」だと思えば前と変わらない、戻ってきた感がありました。(話はそれるけど個人的にはライヴハウスはパンパンに入れないほうがいいんじゃね派です。気軽にドリンク買いに行って戻ってこれるくらいがちょうどいいと思ってます。)4アーティストとも皆、美しく・カッコよく・とっても良かったです。ただいま戻りました。

……という文を今週は載せる予定だったのだけど、いまは、今日の報せに打ちのめされています。なんだよそれ。音楽はまだ聴けていません。ごめん。でも、ありがとう。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈家主のフロントマン、田中ヤコブが放つ大傑作ポップス・アルバム『おさきにどうぞ』から1曲〉、田中ヤコブの “小舟” と、〈福岡拠点のDeep Sea Diving ClubがBeacon LABELからデジタル・シングルをリリース。今日みたいな夜に〉、Deep Sea Diving Clubの “cinematiclove” の2曲です。

ソロコン

(OTOTOY編集後記からの転載です)

私立恵比寿中学、安本彩花のソロライヴを観て胸を打たれました。ア・カペラで歌われた“ジャンプ”は事件級。たったひとりでこの静寂を支配できる歌い手はそうそういない。「人生じゃつまらない」の部分のヴォーカルの卓抜さや、「心臓の」の真正面からぶち当たる表現と「今だ」の告白するかの表現の両立っぷり。続いて歌われたセットリスト中唯一のカバー曲が岡崎体育の“エクレア”という、なにひとつ間違いのない選択。一番の衝撃だった安本彩花自作の新曲“スーパーヒーロー”は、システムとしてのアイドルではなく、職業・アイドル、22歳、人間・安本彩花の内面から湧き出た「ブルース」でした。同時にこの曲は、システムから生まれた楽曲への、とりまく大人たちへの、共に歩むファンたちへのアンサーソングでもあり。グループの既存楽曲と同じタイトルである必然性がそこに。笑顔で客席に目線をやり観客を指差しながら「あなたが〜」「いい人と〜」「君の〜」と歌う。自ら立つステージを指差し「この場所で待ってるから」と歌う。情況と有り様に対するアイドルとしての回答。参りました。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈aikoからしか生まれないメロディと歌詞と歌唱、以外なんて言えばいいの〉、aikoの “ハニーメモリー”と、〈音楽の魔法に何十年でも化かされていたい〉、ビッケブランカ VS 岡崎体育の “化かしHOUR NIGHT” の2曲です。

aiko / ハニーメモリーへの一言コメントはコメントを放棄してますね。すみません…… ビッケブランカ VS 岡崎体育はぜひMVをみてほしい。これで泣けてきちゃうから世情に弱りすぎだな俺(笑)。


new normal, new thinking

(OTOTOY編集後記からの転載です)

ニュースにも書いた代田・下北沢〈BONUS TRACK〉でのイベントを覗きに日曜日は下北沢へ。街はとても賑わっていて、開催中のカレーフェスティバルも盛況そうでした。街行く人々のほとんどはマスク着用ですが、「距離」のとりかたはだいぶ以前に戻りつつあります。個人的には9月に半年以上ぶりの1000人超規模のイベントに行ったのですが、2週間が経過してクラスター発生等の報はなく、安堵しています。関係者の方々は当日以降も心休まらない日々だったのではと思います。スマホの通知が鳴るたびに心臓が痛くなるような。ほんとうにお疲れさまでした。いまの世界は一見戻ったようで実は新しい世界のはず。この賑わいが眼前にあるからこそ、「かつての思考」から自由にありたいと、街をみていて改めて思いました。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈トロントのインディーロックバンドKiwi Jr.がSub Popと契約し新曲をリリース。タイトルは “Undecided Voters (浮動票)”〉、Kiwi Jr.の “Undecided Voters” です。