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1995年05月07日からの日記

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2025年、良かったライブと心に残った楽曲

(OTOTOY EDITOR’S CHOICE Vol.358「2025年、良かったライブと心に残った楽曲」からの転載です)

あけましておめでとうございます。 昨年も多くの方々に大変にお世話になりました。ありがとうございました。

個人的恒例、年末年始休中担当。昨年の振り返りです。

スタッフズ・チョイス」は今年もあるみたいなので、アルバム/EPのベストはそちらに譲り、良かったライブ5選と、単曲ベースでの5曲を。

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まずはベスト・ライブ。日付順です。

1月、PULP〈rockin’on sonic〉
PULP、これまで観たことなかったんですよね。95年のグラストンベリーをはじめとして、ライブ動画はYouTubeで何度も何度も何度も観ました。そしてついに……。〈rockin’on sonic〉ありがとう! 観終えた後の「自分の中で抜けていた重要なピースが埋まった」感が凄かったです。

1月、君島大空合奏形態 (渋谷 LINE CUBE SHIBUYA)
君島大空の音楽活動にリアルタイムで立ち会えたのは自分にとってなによりの喜び。表現する側も受け取る側も、日本の若者たちがロックもバンドも死なせず、融通無碍に好きなもの・新しいものと一緒くたにして遊び続けてくれて、本当にありがとう。

6月、超右腕 (下北沢 BASEMENTBAR)
ここまでピュアに音楽だけがある時間はそうそうないと思いました。音楽が素晴らしくて、音楽で幸せ。最高のアルバムの最高のレコ発、最高のライブでした。

8月、SYAYOS (下北沢 ERA)
とんでもなかったやつ。アルバムの良さは分かっていたもののライブがここまで凄いとは。想像をはるかに超えられました。バンドとしてのアイデアと、それを出音も含めてキレッキレのサウンドにする実力。とにかく外音がむちゃくちゃ良かったです。スケール感が底知れない。こういう突出の光景をひさびさに体験しました。

10月、zoo (下北沢 THREE)
6月の超右腕に続いて、Gt./Vo. みちのぶななこ。声・歌・歌詞・歌メロのマッチングの良さは、いま一番好きです。「青春のもどかしさ」と「音楽が、ギターが、好き」がこれほどまでに美しく・強固に手を結んだ音楽はそうそうない。こんないいライブ、こんないい夜、めったにないよな、ってレベルで良かったです。歌って、ギターって、いいなあと思う夜でした。

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続けて単曲ベースでの5曲を。「スタッフズ・チョイス」で選ぶアルバム/EPに収録されている曲は外して。ちなみに去年は好きな曲がちゃんとアルバム/EPに入っている率が高かったです。つまり、2025年はアルバムの年だった、ということなのかも。かつ、OTOTOYで配信している曲、邦楽でいきます。

Khaki “文明児”
2025年いちばんの「問題楽曲」だと思うKhakiの “文明児”。展開の目まぐるしさと、聴き手の感情の掻き立てかた、どちらかだけならいくらでもありますが、このコンビネーションは稀有だと思います。ライブバージョンもありますので、お好きなほうを。

しろつめ備忘録 “ebb:flow”
メンバーが一人減り新体制となり、12月にEPもリリースした、しろつめ備忘録。アーティストの試行錯誤をみる/聴くのが大好きな私的には、4月にリリースされた、このデジタルシングルを。

古里おさむと風呂敷き “まちのあかり”
沁みるなあ。歌詞がハマりすぎなメロとアレンジ。アウトロも大好物。東京の住宅街好きに。沁みるなあ。

daisansei “春団欒”
グッドメロディの魔法使い、daisansei。優しく切ない歌メロ、言葉にしておかないと通り過ぎていってしまう何気ない情景や記憶を紡ぐ歌詞。daisanseiは日本のポピュラーミュージックの系譜の正統な後継者だと思います。

Sad Happy Birthdays “Friend Song”
ノスタルジックなインディロックのエッセンスをまといながらも、たしかに2025年の聴き手の心を揺らす。後半の視界の広がりかたが大好き。

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ついでに昨年、編集部でかかわったものも紹介します。

編集としては、aldo van eyckを、
最終的には訳のわからないものを作りたい──aldo van eyckが『das Ding』で示す一貫した裏切り

インタビュアーとしては、Hammer Head Sharkを、
Hammer Head Sharkが鳴らす、“孤独に触れる音”の真髄とは──ライブの熱が息づくファースト・アルバム『27°C』

筆者としては、colormalのレビューのほか、
諦観から始まる希望の音楽──colormal『夜に交じる人たち』

REVIEWS連載のOTOTOY編集部による日本のインディ・ポップ〜ロック編 (6月) (8月) (10月)、毎週のOTOTOY Weeklyショートレビュー、そして、2025年編集部おすすめレビューとその英語版などにかかわりました。

ちなみに今年最初は、NaNoMoRaLです! (インタビューと編集担当)
2026年、OTOTOYはNaNoMoRaLの「革命の年」を応援します (おみくじ付きフリーDL音源あり)

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昨年一年間、たくさんの素敵なライヴを観せていただいて、たくさんの素敵な楽曲を聴かせていただいて、本当にありがとうございました。

今年もOTOTOYをよろしくお願いいたします!

(プレイリストのSpotify版はこちらです)

OTOTOY Editors’ Picks: Selected 2025 Releases and Short Reviews

(「OTOTOY Editors’ Picks: Selected 2025 Releases and Short Reviews」から転載)

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‘STRANGE POP’ by 笹川真生 (Mao Sasagawa)

Mao Sasagawa returns with his first full-length album in nearly two years. True to its title, ‘STRANGE POP’ is undeniably pop, yet it glints, buckles, surges up and down, and constantly shifts color under pressure from within. It embodies an alternative in the sense of belonging nowhere else.

At the same time, the source of the album’s deep sense of embrace lies in its grounding as “song,” and in the sheer pleasure of rhythm. The grooves found in “美しい術 (Utsukushii sube)” and “溢れちゃった (Afure-chatta)” set both the heart and the body in motion.

This is an album best experienced by surrendering to its balance of constancy and fluctuation. Without question, it stands as my album of the year for 2025.

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‘Anthem 1.1’ by SYAYOS

The debut album from SYAYOS, a four-piece band based in Ina, Nagano Prefecture. Formed in July 2024, the eight tracks written within their first eight months are brimming with ideas and display a level of completeness, along with an unfathomable potential, that belies the fact that this is a first album.

From the opening track “Spaceboy,” the listener is struck by the band’s grand sense of scale and explosive power. As the album unfolds, SYAYOS’s ambition continually recalibrates and expands. Centered on the expansive vocals of Hina Suzuki, each instrument rises to meet that presence with equal intensity.

Rawness and refinement, as well as stylishness and nostalgia, coexist throughout the record. And while the album itself is powerful, SYAYOS’s live performances are even more overwhelming. In 2025, they stand out unmistakably as my Best New Artist.

FUJIをJAMで、colormalをWARPでみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

月曜日、西永福JAMでFUJIの “Our 20s” リリパ。どれだけ歪なポップソングを作れるか。それが極まった今作は歪めることで普遍性を見いだす試みなのか。もっと賢くやる方法もおそらくあるだろうなか、それを選ぶ姿勢に信頼を捧げたいです。ライブはまさに壊れかけからの再生、美しかったです。平日夜、19時半に始まり21時過ぎには家路につける、日々の暮らしのなかに音楽・ライブが存在できるように意図し設計されたイベントにも好感がもてました。

思えばFUJIの初ライブをForestlimitでみたのが2022年3月。そのときのゲストがcolormal。

そのcolormalの吉祥寺WARPでのワンマンが、超イベント被り日の土曜日に。改めていいバンドだなって思いながらみていました。ワンマンの意味があるワンマン。ステージとフロアとのコミュニケーションを経て、(バンドでの過去例はない? はずだけど) これはダブル・アンコールでしょ、という思いがフロアで共有される瞬間。ああいうのがフロア側の醍醐味でもあります。結成10年、バンドになって5年。こういう場に到れるアーティストはそうそういません。尊い。

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈気だるくキラキラするEPから。そのキラキラは光ですか? それとも刃?〉、SleepInsideの “リビドー”、SuUの “”、ルルルルズの “symp.” の3曲です。

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OTOTOYの公式プレイリストに自分が推薦した曲だけを載せた個人プレイリスト、「OTOTOY NEW RECOMMEND-ed by me」も公開中!

REVIEWS : 113 インディ・ポップ〜ロック (2025年10月)

(OTOTOY REVIEWS 連載REVIEWS : 113 インディ・ポップ〜ロック (2025年10月)──OTOTOY編集部」から転載)

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zoo『WISH I WERE』

「岡山の至宝」とも呼ばれる3人組、zooによるアルバム。オルタナティブな衝動と、まっすぐな歌心、いまを生きる青春の焦燥感が、ひとつの「オルタナ歌謡」として結実している。ギターボーカル・みちのぶななこは超右腕のメンバーとしても知られるが、この歌詞をこのメロディで歌うのは彼女以外にいないと、一聴で確信させられる。歪んだギターと親密な歌メロが拮抗し、ままならなさや生きづらさ、根拠のない高揚といった感情の湿り気が押し寄せる。音楽やギターへの揺るぎない愛に満ちた作品。もはや「岡山の」どころではない、日本の宝だ。

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peal『peal』

東京のインディー・ロック・バンド、pealによるセルフ・タイトルの1stアルバム。ドリーミーな質感をまとったインディー・ロックが、今どの地点まで自然にポップへ接続できるのかを示す一枚だ。浮遊感のあるサウンドのなかで鳴るギターは、技巧や記号にとどまらず、軽やかにポップさをまとい、楽曲の親しみやすさを確かなものにしている。音像は淡くにじみながらも、その芯は決して曖昧ではない。近年のインディー/オルタナの流行が持つ裾野の広がり、その豊かさを静かに体現する一枚。肩肘張らずに聴けるが、気づけば「今」の空気がしっかりと封じ込められている。

編集部が選んだ2025年リリース作品&ショートレビュー

(「OTOTOYが選ぶ2025年の50作品&編集部おすすめレビュー」から転載)

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笹川真生『STRANGE POP』

笹川真生、約2年ぶりのフルアルバム。タイトルのとおりポップスでありながら、その内側からの圧によってギラつき、凸凹し、目まぐるしく上下し、色を変える。「どこにもない」という意味でのオルタナティブを発露する。と同時に本作が持つ包容力の根源は、あくまでもそれが「歌」であること、そしてリズムの心地よさだ。“美しい術” や “溢れちゃった”に みられるグルーヴには、心も身体も踊らされる。定常と揺らぎに身を委ねて聴いてほしい。間違いなく2025年、私のベスト・アルバムだ。

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SYAYOS『Anthem 1.1』

長野県伊那市発の4ピースバンド、SYAYOSの1stアルバム。2024年7月の結成から最初の8か月で生み出された全8曲は、アイデアに満ち、初作とは思えない完成度と底知れなさを備えている。冒頭の “Spaceboy” から壮大なスケールと爆発力に圧倒され、楽曲が進むごとにバンドの「野心」が更新されていく。ボーカル、すずきひなの伸びやかな歌声を軸に、それに伯仲する各楽器の音が強度をもって立ち上がる。生々しさと洗練、スタイリッシュさと郷愁が同時に息づく一枚だ。そして彼らのライブは音源以上に圧倒的である。2025年、私のベスト・ニュー・アーティスト。

OTOTOY Weekly 新譜紹介、2025年10・11・12月分

(OTOTOY Weeklyの新譜紹介から2025年10・11・12月分を転載)

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10月第1週

ANORAK!『Fav Riff』

各所に衝撃を与えた2ndアルバムから約1年、海外ツアーを含む経験を経て放たれた新作EP。打ち込みとバンドサウンドの融合はますます生々しく、同時によりスタイリッシュに研ぎ澄まされた。キャッチーな歌メロは時に鋭く耳を突き刺す。ギターの快感は言わずもがなだが、今作はドラムの音が際立つ。4曲があっという間に過ぎ去るが、かき立てられる高揚感に思わずリピートを重ねてしまう。バンドの現在地と広がる未来を力強く告げる必聴の一作。

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10月第2週

roi bob『POOL』

2024年3月活動開始、名古屋発3ピースバンドの1st EP。ドリームポップをキュートでふわふわ可愛いに着地させた6曲。でありながら、偶に垣間見え、が、前面に出ることなく後景に置かれる、オルタナティブなザラつきが面白い。EPのテーマは「depth/深さ」とのこと。奥行きのなかに、柔らかさ、切なさ、冷たさ、焦燥、……、さまざまな感情が重層的に配置される。

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10月第3週

hardnuts『Ark』

hardnuts、初のフルアルバム。作品とバンドを貫く一本の芯があり、その揺るぎなさがあるがゆえの振幅の大きさが印象的だ。ひとひらや雪国に続き、アルバムという形式の意義をあらためて提示する作品が、若いバンドから現れていることが実に頼もしい。タイトル『Ark』は旧約聖書『創世記』のノアの方舟に由来し、めまぐるしく変わり続ける景色のなかで「最後に残るものは何か」という普遍的な問いを掲げる。日本のギターロックやオルタナティブに通じる叙情と、現代的な音像の共生がもたらす心地よさ、そして、飽和する情報の波間でそれでも〈僕〉と〈君〉を見つめ続ける強度。それらこそが、この時代のリアリティに他ならない。

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10月第4週

The Last Dinner Party『From The Pyre』

シアトリカルでヴァナキュラーな今作は……などと上滑りする言葉を並べたくなるが、アルバム全体を通して感じられる「土くささ (砂埃っぽさ)」や、楽曲構築の随所で土地・気候・風土的に機能し参照されるクラシック・ロック/クラシック・ポップの影響は、じつに印象深い。2023〜24年の急伸を経て、こうした “地に足のついた” アルバムを生み出せた環境とバンドの意思に、深い敬意を抱いて聴きたい。

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10月第5週

Khamai Leon『(in chamber)Ⅰ』

エクスペリメンタル・クラシックバンド、Khamai Leonの全編一発録りによるアコースティック音源集。収録曲は、2024年リリースの2ndアルバム『IHATOV』と2025年リリース1st EP『風の谷』より合計7曲。昨年からアコースティック公演を行っているKhamai Leonだが、本作は、楽曲のアレンジのみならず展開までもがすべてて即興で行われているとのことで、二度と同じ演奏は生まれないライブ音源となっている。メンバー全員が音大・藝大出身の彼らのルーツともいえるクラシック、ジャズの演奏を現代のバンド楽曲に落とし込んで再解釈を重ねたものであり、その本領が存分に発揮されている。

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11月第1週

ハシリコミーズ『Friends Orchestra』

バンド4作目となるアルバム。これまでのアルバムやライブでは顕著な熱さをすこし抑え、「しっとり」とも言える質感を前面に出した作品となった。とはいえ、燃えさかる音楽への情熱、言葉 (日本語) に閉じ込められる沸々とした情感は健在。起伏に富むであろうこれからのライブがとても楽しみ。

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11月第2週

cephalo『gloaming point』

それがシューゲイザーなのかシューゲイザーではないのかなんて最早どうでもいいと思うのだが、この数年、数多のバンドが互いに刺激を与えあい高めてきた、オルタナティブ・ロック/インディー・ロックのいまのど真ん中、そして未来への道標を提示する、cephaloの2nd EP。ボーカルfukiのときに力強くときに儚く漂う歌声、きらびやかだが寂寥感あるギター、タイトなリズム隊。バンドとしてだけでなく、シーンとしてここから紡がれる20年代後半にわくわくさせられる今年の1枚。マスタリング・エンジニアはSlowdiveのサイモン・スコット。ナチュラルなそういう接続も良い。

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11月第2週

ひとひら『円』

エモ、マス、ポストロック、オルタナ等々さまざまな要素を内包しながら曲間なく文字通りシームレスに鳴らし続けられる楽曲たち。それは、正にも負にもなり得るが避けることはできない、起伏ある日々の暮らしや人生の投影なのかもしれない。美しく、心が苦しく、叫びだしたくなる。繰り返すという意味では「円」を成すのかもしれないが、たぶん誰も答は知らない。前作に続いて見事な、アルバムである意味があるアルバムに心から敬意を。

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11月第3週

田中ヤコブ『にほひがそこに』

家主のVo./Gt./メインソングライター、田中ヤコブの5thアルバム。いったい田中ヤコブとは何者なのだろう、感嘆せざるを得ない。速すぎず、激しすぎず、明るすぎず、感情的すぎず、すべてがちょうど良く、心地良い。これまでのソロ作品同様、すべての楽器演奏と歌唱、録音/ミックスまでを自身で行う田中ヤコブの審美眼と美意識にどっぷりと浸る音楽体験は、(それこそビートルズ的な) メインストリートに確実に繋がっていながらも、そこからすこし脇に入ったときの光景の美しさに心ふるえてしまう体験かのよう。田中ヤコブ自身はT2 “禁煙なんて” で「なにもすごくないよ」と歌う。凄くはないところにある凄さが大好きなひとは、絶対にぜひ。

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11月第4週

NaNoMoRaL『wa se te wo』

雨宮未來と梶原パセリちゃんからなる2人組ユニットNaNoMoRaLの7曲入り、5thミニ・アルバム。この数年バンドセットでのライブも経験を重ねてきたうえで、「バンドサウンド」の呪縛からも一歩離れ、ふたりの歌を存分に活かすトラックが印象深い。いまの切なさを否定するでもなく肯定するでもなく、だが希望は確実にあることを歌う歌詞たち。最強にポップでハッピーなサウンド。それはこれまでとこれからのNaNoMoRaLの音楽活動そのものでもある。12月1日には新宿LOFTにてワンマン開催。

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12月第1週

sidenerds『wasurerarenai, sorega anata』

1年3ヶ月ぶりにリリースされたsidenerdsの2nd EP。日本的な混沌の淵を垣間見せながらも異世界からやってきたような昨年のシングル/1st EPに比べ、一歩「この世」に踏み込んできた感がある。バンド公式のXでは全曲をアニメの主題歌/オープニング/エンディング/劇中歌という喩えを用いながら曲紹介をしている。デビュー以来、みにあまる雅のヴォーカルが「糖衣」として機能していたのはたしかであり、今作はバンドアンサンブルがさらにそれを包むようになった、と言えるのかもしれない。糖衣の中にあるのは単なる苦さかそれとも毒か、それは繰り返し聴いて自らの肉体で確かめるしかないだろう。

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12月第2週

Blume popo『obscure object』

1月にリリースされたEP『Test for Texture of Text』の好印象もまだ強く残るBlume popoが、12月になり新たなアルバムを届けてくれた。これまでのドイツと日本を行き来する体制から、この秋、活動の拠点を東京に移す。が、その後、不運な事情によりライブ活動が休止されていたが、アルバム・リリースと時を同じくして、その再開もかなった。春以降に単曲リリースされてきた、”抱擁”、”月夜銀河へ”、”ふわふわ” といったハイクオリティな楽曲たちを含む全13曲収録 (”抱擁” は完全別バージョンとなる。あなたはどちらが好きですか?)。シーン、ジャンル、テクスチャの合間を軽やかに舞う。最新であり、心を揺るがす作品。

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12月第3週

SuU『Temples』

今年も残り2週間という日に、なんというものを届けてくれたのか。サポートメンバーであったminakoが加入し新体制となったSuUの1st EP。ぼんやりと「2025年ってこんな年」とか考え、まとまりつつあった頭に、冷水を注ぎ込む。低温のダブ、ひんやりとしたサイケデリックが、空気の手触りと大地の重力の双方を感じさせる。冷たくそして沸たぎり、不安から安寧にいざなう。名作はいつも予言する…… え、2026年ってこんな年になるの?

aldo van eyckのワンマンと自主企画に2日連続でいった

(OTOTOY編集後記からの転載です)

初日はワンマン@BASEMENTBAR。そのワンマンをみて、そしてこれまで何度もみてきた彼等のライブを思い出して、aldoをなんと評したらいいのかを考えていました。思いあたったのは「怖れを知らぬ貪欲さ」でしょうか。

翌日、彼らの自主企画@BASEMENTBAR/THREE往来。DAY (という名の夜公演) はいけていませんが、NIGHT (という名の深夜公演) でPANICSMILE → 5kai → Linen Frisco → Ayato → uri gagarnと続けてみて、あぁこんな強者たちを敵として戦うあるいは味方として切磋琢磨するのであれば、怖れてなんかいる場合じゃないし貪欲であらざるを得ない、と痛感させられました。行き着くのは物理と肉体、音楽はリズムと和声とメロディと逸脱。問題集の答を先に見てしまったような気持ちで臨んだ大トリのaldo。彼らが貪欲であるならば、受け手も、敬意を欠かず礼を尽くした上で、限りなく貪欲でありたい。もっと、もっと……、そんな時間。

すべてが終わり外へ。夏ならば明るくなっていそうな時間でしたが12月では真っ暗で激寒。開放感よりも頭が冴えまくるような気分。それにしても “uamiさんを客演に迎えるaldo van eyck”、とかを東京でみれてしまってよいのでしょうか。地元福岡の方たちの赦しを請いたい。とても、とても良かったです……

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈名古屋のシンガーソングライターKatie FordのバンドSad Happy Birthdaysの全編英詞となる1stアルバムから。ノスタルジックなインディロックのエッセンスをまといながら、2025年の聴き手の心を揺らす風が吹く。〉、Sad Happy Birthdaysの “Friend Song”、Blume popoの “きらきら”、しろつめ備忘録の “かたちあるもの”、Bookshelf Sessions, ゆうさりの “” の4曲です。

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OTOTOYの公式プレイリストに自分が推薦した曲だけを載せた個人プレイリスト、「OTOTOY NEW RECOMMEND-ed by me」も公開中!

NaNoMoRaLのワンマンを新宿LOFTでみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

新作を引っさげてのワンマン、良いライブでした。ニューAL収録曲 ”前略、棺桶の中より” からはじまり、トラックが刷新されまくりの初期作品達にいちいち驚かされ、緊張含みの新譜曲4連発から一気に開放された ”唖然呆然” が、雨宮未來自身が曲後に言うよう、何度となく聴いているにもかかわらず実に感動的でした。そして続く、雨宮未來の「お手紙形式MC」がまた良い内容で、ここでフロアが完全に「出来上がる」。“人間やるのやめた” は過去最高だったかもしれません。あんなに「唄って」いる ”人間やるのやめた” の雨宮パートははじめてでは。”エンドエンドロール” の挙がる手とシンガロング、美しいにもほどがある光景で大団円。NaNoMoRaL、来年は「革命の年」だそうです。応援したいです。

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈今年1月のEPに続き12月にアルバムが! “月夜銀河へ”、“抱擁” の完全別バージョンも収録の本作、obstaclesの間を縫い・越える軽やかさがとても印象的。自分が好きな1曲を選びました。〉、Blume popoの “よく眠れるように”、chloe moriondoの “catch”、sidenerdsの “うるせー”、君島大空 (feat. ディスク・マイナーズ) の “You are My Sunshine” の4曲です。

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OTOTOYの公式プレイリストに自分が推薦した曲だけを載せた個人プレイリスト、「OTOTOY NEW RECOMMEND-ed by me」も公開中!

〈BiKN Shibuya 2025〉にいった

(OTOTOY編集後記からの転載です)

の前に先週月曜日、zooリリパ@THREE。「岡山の至宝」どころではない、青春のもどかしさ・やるせなさの歌唱とオルタナ/ギターロックの見事なる接続。アルバム『WISH I WERE』の素晴らしさを軽々と凌駕するライブの良さ。ツアーは続きます、ぜひ。

そして日曜日は3年めの〈BiKN Shibuya〉。こんな状況で、日本・中国・台灣・香港・韓国をはじめとするアジアのアーティストが多く集うイベントが実行できるのは、日本だからこそ。この日のマイ・ベスト3は、1位、Lucid Express (HK)。幽玄で壮大で美しくクリアで解像度の高いシューゲイズ/ドリームポップ、好きすぎます。2位、pami (TH)。ライブだとこうなるのか。自然体で堂々とした自信と親密さとを両立させるデザインが見事。BiKN初回のSay Sue Meにも感じた、インディでありながらのど真ん中のロック・スター感。拗 (す) ねない、拗 (こじ) らせない、すくなくともそう見せない、は「我々」の大きな課題なのでは、とか思ってしまいました笑。3位は、Sunwich (ID)。インドネシアのバンドはなぜいつもこんなに良いのだろう。BiKN Shibuya、今年も最高のイベントを、ありがとうございました。敢えて言いますが…… 来年も楽しみにしています!

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈「私たちの2020年代について」を主題としたFUJIの新作EPから。壊れかけと再生〉、FUJIの “終末の風景”、宇宙まおの “葵い革命”、Sugar Houseの “29”、NaNoMoRaLの “ギリフギリ” の4曲です。

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OTOTOYの公式プレイリストに自分が推薦した曲だけを載せた個人プレイリスト、「OTOTOY NEW RECOMMEND-ed by me」も公開中!

Wang Dang DoodleのワンマンをBASEMENTBARでみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

打ち込み、サンプラー、ロックギター、ブルースハープ、ラップ、ブルースボーカル。Wang Dangバンドセットならではのファンキーなドラム。なに言ってるか分からないかもしれませんが、一度観てみてください。バンドセットであればなおのこと。最近はリーガルリリーでみることも多いDesire Nealyですが、彼女のドラムが一番輝くのはやっぱりWang Dang。オルタナなサウンドが溢れかえるなか、オルタナティブなマインドが輝きを放つ。変でカッコいいやつらはまだまだいる。

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈幽玄で壮大、物語が進んでいくかのような曲展開。美しいギターの音色。香港のシューゲイズ/ドリームポップ・バンド、Lucid Expressのシングル。11月30日に〈BiKN Shibuya〉でライブみられます!〉、Lucid Expressの “Something Blue”、田中ヤコブの “ウマとシマウマ”、cambelleの “Magic Moments”、Wang Dang Doodleの “Dance to the Music” の4曲です。

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OTOTOYの公式プレイリストに自分が推薦した曲だけを載せた個人プレイリスト、「OTOTOY NEW RECOMMEND-ed by me」も公開中!

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