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1995年05月07日からの日記

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Mastodonあるいは非中央集権分散連邦型の未来

マストドンのことでも書くどん(…ごめん)

Mastodon.一言でいうと懐かしい.でもそれはTwitter黎明期とかIRCとかの懐かしさではなく,個人的に2010年頃StatusNet等をインストールして色々と試してたころの懐かしさ.あまり一般的ではない.

StatusNetあるいはidenti.caそして現在はGNU socialとなっているそれは,オープンソースのSNS/マイクロブロギング・システムだ.当初それらが作られた理由は,おおむね

  1. オープンソース版のTwitterがほしい
  2. それをオンプレで動かしたりしたい

というものだった(推測).

そうすると,その結果として複数のSNS/マイクロブロギング・システムがあちこちで立ち上がる(Mastodonではこれをインスタンスと呼んでいる).そこから必然的にそれらシステム間の「相互乗り入れ」を実現したくなる.それが”federation”と呼ばれる機能であり,そのためのプロトコルがOStatusというもの.MastodonはこのOStatusの新しい実装であるため,(Mastodonのインスタンス間だけでなく)GNU socialとも連携可能らしい

.....

私が2010年ころに何をしていたかというと,社内の情報交換・共有用にそれを立ち上げようとしていた.理由は3つ.

  1. もっとマシなツールで情報交換・共有をしたい(メールはもうウンザリ.当時はTwitterはイケてるものであり少しでもそれに近づけたかった)
  2. その場合当然オンプレミス(自社内)にインストールできなければならない(クラウド? えーと…w)
  3. 異なる部署等毎にそれらは用意せざるを得なく,となるとそれらの間の連携機能が欲しい

だ.見渡すとStatusNetはピッタリだった.

結果,いくつかの組織でStatusNetサーバが上がり,連携(federation)も機能した.が,いわゆる「盛り上がり」は今3つくらい.結局翌2011年の春,「節電施策」のもとサーバをシャットダウンして(仮想マシンだけど),それきりである.

(ちなみに当初目的はまったく姿を変えた形でその後Yammerが担い,後にSlackに受け継がれ現在に至る.これはかなり上手くいってるだろう.先日の某カンファレンスもSlackがなければ実現しなかったかもしれない.…え? オンプレ/クラウドの話はどうしたかって? 何のことだか僕ぜんぜん分からないなぁw)

.....

さて,Mastodon.実際に触ってみると,Federation機能のあたりは雰囲気は正しくStatusNetそのまんまだ(当り前).というわけで非常に懐かしい.2010年に戻った気分.

2010年台も終盤のいま,Mastodon/GNU social的なものが必要とされる理由は,ひとえにFacebookやTwitterに対するalternativeとしての存在だろう.プロプライエタリに対するオープンソース.独占的巨大プラットフォーマーに対する分散されたサービス+連携機能.

そしてMastodonがそこを意識しているかは不明だが,もうひとつ重要なターゲットが考えられる.それはコミュニティやチーム内のコミュニケーションツールとしてのSNS/マイクロブロギング的サービスだ.過去数多の勇者達がそれに挑みそして敗退した(GoogleもSaleforceもMicrosoftもFacebookも)…と思ったらSlackが登場しあれよという間に現在チャンピオン.とはいえSlackで複数チームに入っていればよく分かると思うが,Slackにはチーム間連携という機能どころかその概念すら何もない(ほんと何とかして).

Federationとは要するに「よそのサーバのユーザーをフォローできる」=「自分のタイムラインに表示されたり,DMを送ったりできる」という機能だ.それがチーム/コミュニティ間連携の問題を解決するかというと,微妙,というのが2010年時点の理解だった(その後は追っていないので分からない).しかし取っ掛かりとしては良いだろう,

マストドン.というわけでそれはStatusNet的なものだが,その経験で言えばそこそこは使える.痒いところに手が届かない的な部分は山盛りにあるが.何らかの理由でSlack等を使わずにチームやコミュニティが自分たちのためのSNSを立ち上げるのであれば,ひとつの選択肢だろう.

これを起点として楽しめばよいのだ.もっとモダンさを上げるとか(クライアント/AppのUI,投稿の削除や編集,スレッドどうするか問題等々),システム的にひとひねりふたひねりしてみるとか,いわゆる分散システム的の楽しさ苦しさ(複製やら一貫性やら削除問題やら)と戲れるとか.

.....

ここからひねるとしたら,ぜひインスタンスの数を爆発的に増やすマイクロ・インスタンス化する方向に行ってほしいなあ(一つのインスタンスに何千何万ユーザとかじゃなく,小ユーザ指向で).となるとインスタンス間のデータの交換をどうするかを考え直さないといけないので,そこをP2P的に再設計して.んでサーバーレス・アーキテクチャっぽく実装可能にしたりするとか(楽しそう).Net Giants達がでかい顔で伸してるこの世界の片隅で.それくらいやってみても.

(でももし歴史のifを言って良いなら,ひょっとしたらそんなもん,金子勇さんかあるいは彼に触発された誰かがとっくの昔に作っちゃってた気がしないでもない.だがこの世界線でそれは夢のまた夢)

もうひとつ.コミュニティやチーム間を跨いだアクティビティを支援することにおいて,フェデレーション/連携とはそもそもいったいどういうことで,何が必要で,何ができればよくて,どうやってやれば気持ちいよいか,を考えて考えて真面目にギリギリと作っていくとか.それはまだ誰も答を知らない.かつて登場したWebが全てを可能にしてしまったような「発明」がそこにあるかもしれない.

.....

Decentralize,Peer-to-Peer.そしてBlockchainやSharing economyもここに入れたければどうぞご自由に.システムを作る側の人であれば(それは大変に分の悪い戦いだが)やってみてもよいではないか.殺されはしないだろう(いやするかも…) ユーザーサイドは…利便性ないかな今のところは…(←身も蓋もない)

というわけで以上長い文章の結論,いや実は一番最初に言いたいことは…

いまどきTweetDeckはないだろ!

(みんなそう思ってるよね? :-)

おしまい.

https://mstdn.jp/@takadat

.....

以下当時のツイートの残骸たち(自分用メモ).起点はやっぱりhitoakiなのである(笑)

.....

.....

.....

『そうして私たちはプールに金魚を、』—大人たちの青春,子どもたちの青春

そうして私たちはプールに金魚を、』(通称:プー金)観てきた.ユーロスペース.急遽追加の2回目も満席(こうなってしまったら当然ああなるに決まってる).2012年に埼玉県狭山市で実際にあった女子中学生プール金魚事件をベースにした短編映画.サンダンス映画祭短編部門グランプリ受賞.

観てるあいだずっと軋むような居心地の悪さを感じてた.

画面に描かれているのは大人の視点から振り返った焦燥やどうしようもなさであり,それを14-5才の女の子たちに演じさせている.彼女たちにとってあれはリアルだったか? そんなことはないと思う.それが居心地の悪さの正体(たぶん).

でも現役の子供たちは「大人って所詮そんなもんでしょ」って思ってるに違いない.だからメタな構造でみたら辻褄は合ってる.きっとこれでいいんだろう.

大人が作った,かつて中学生だった大人のためのショートムービー.この予告編をみてビビっときたら観て間違いない(万が一合わなくたって30分で終わる).

ユーロスペースは金曜日の2回で上映終わるしすぐにチケット売り切れるだろうけど,もはや社会はこの映画を放っておかないだろうから,上映機会はこれからもきっとあるだろう.

元のニュースをきいたときからこれは「映画」だなって思った出来事.

サンダンスのニュースで知って予告編観て,ちょっと自分内期待値が上がりすぎてしまったのでこれはマズいと思った(なにそれw)映画.観れてよかったです.

関係ないけど,あるシーンで鳴るギター.10年くらい前の?カンパニー松尾を連想した.うん.

P.S.
と書いた後に買ってきたパンフレット読んだらまさに監督がそう言ってた.

つまり大人に向けてつくった、大人のための青春映画なのだ
— Movie of the youth, by the adult, for the adult!

くそー,まんまとw

.....

という流れでここから話は全く変わる.

映画はねー,短編だって何だかんだいって「おおごと」なわけだから,大人が大人のために子供をかたって作るしかない.子供たち自身の表現やアウトプットをみてみたいと思っても,中学生がこの規模で映像作品を作れるかというとなかなかそれは難しい.(最近話にでる「小学生YouTuber」の件はひとつの希望である←別件[関連])

その点,音楽,バンドはいいよな.まあ実際には中学生は難しいけど,高校生+レベルだったら大人の解釈を余り介していない表現をみることがそれなりにできる.SoundCloudでトラック聴いてYouTubeで動画みて(関連を適当に叩いてるだけで多くのチャンスがある),おっと思ったら小さなライブハウスに行ってみればいい.そんだけ.

結果.割と幸せですわこれ.

一部の人たちはこれを求めてアイドルに走るのか?と想像するのだけど,あれはやっぱり後ろの大人たちによる後ろの大人たちのものではないか,としか思えないので(←偏見)そっちにはいかないぞ,っとw

アイドル…… ちなみに,だけど,若いバンドは女子バンドしか観れない.オッサンとしては,男子どもの自意識や悩みや自信や鬱屈やらの感情の発露なんぞには鬱陶しくて付き合ってられん(笑).でも女子たちのそれであれば微笑ましくみることができる.おそらくいま私はPC的に正しくないことを背景とした考えを自ら書いているのだが,まあこれは実際そうなので如何ともし難い(笑).一方でもう30見えたり超えたりして現実はよくよく理解しているけど夢っていうか諦めないでやりたいよね的男バンドは割と好きです.ちゃんと聴きます.いいよね,いろいろと.

……なにが言いたいのかまったく謎な蛇足(笑).以上.

リーガルリリー,ヤバいです

まずはこの衝撃を皆様へ(といっても一部領域を趣味とする人じゃないとわからないが)

・・・・・・・・・」(←ドッツトーキョーと読むらしい)の「ねぇ」.シューゲイザー・アイドルだとかその手のことは公式には何も謳っていないようだ.

シューゲイザーとかノイズギターのファンがこれを聴くと,ヘビーメタル・ファンが最初にBABYMETALを聴いたときのと同じ気持ちが味わえるのだろうか.衝撃とか蹂躙され感とか? でもやっぱりその強度やクオリティは全然違うと思う.本人たちにせよ後ろの大人たちにせよ(YouTubeの関連動画でライブ動画がでてくるので推して知ってください,みたいな)

では仮にクオリティや強度をとことん突き詰めていけば,このジャンルもまた誰かがアリになるのか? 理屈ではあり得るのだろうが,それはやっぱり無理なんじゃないかと思う.
(ちなみに音源が無いのだけど最新曲はFor Tracy Hydeの管梓氏作らしく,そこでは一段階上がったものが聴けると思うのだが.残念ながら聴く機会がない.とても聴きたいのだけど.音源ー!)

無理か無理じゃないかは知らないが,いずれにせよ「階段」はここにはない.それで思いだすのは,O.D.A.さんのWASTE OF POPS 80s-90s(このブログ/日記も古いよな)のこの文章.リーガルリリー,そして参照としてのガチャリック・スピン.

以下引用.

アイドルと同世代の女の子がゴツゴツした剥き出しの音塊を無闇に放出していたり、ガチガチの馬鹿テクバンドがアイドル的な演出までガンガンにやっていたり、そしてそういうバンドすらまだまだ伸ばしていかなきゃいけない状況にあるわけで、そんな中に「アイドルだけどバンドやってます!頑張ってます!」程度の代物が入っていってちょっと普通のアイドルと違う客層を取り込もうとしたところで、そこには考えているような客層はいないし、そもそも居場所すらない。

BABYMETALは勿論この後半部分に相当するものではない.ぱっと見それにみえ実はプロフェッショナリズムの極地.それがゆえの今現在.

.....

というわけで結論として,リーガルリリー,ヤバいです(なんだよその展開w)

.....

リーガルリリー.昨年度末日,武道館かSHELTERかという究極の選択wの末,ワンマン観てきた.男子学生・女子学生や高校生(制服もちらほら)という正統なファン.アイドル的に追っかけているだろう男子.この手のものの「早耳」が生き甲斐のオッサン達.有象無象.業界関係者.それら諸々のぎゅうぎゅう詰めパンパン.爆発前夜にありがちな光景.

ライブは,そしてYouTubeの過去の映像と較べた2017年3月末時点での伸びっぷりは,想像以上.参りました.

1年ちょっと前まで,とある分野の次の覇権を握るのはSHISHAMOだと思ってた.しかしSHISHAMOは少し別のところへ行ってしまったようだ.考えてみれば,もとから宮崎朝子氏はいわゆるバンド的なものやライブハウス的価値観からは距離を置くタイプだったのかも(それは十分に感じ取れていたはずだった).

リーガルリリー.衝動起点かプロフェッショナリズム起点かでいえば前者.これからどれだけの力強さをみせてくれるんだろう.あそこを埋めるのは果たして彼女ら達なのだろうか.期待しかない.

動画リテラシー — “YouTuberが将来の夢”

これってすごい重要な話だと思ってるんだけど,読んでみたらなんか浅い話だった.ちなみに最近の子供の将来の夢は「科学者」多いですよ.あれはやっぱしノーベル賞受賞の影響なのかなあ.

という訳で,“YouTuberが将来の夢”にマジレス.

…………

なにかというと,動画(映像)リテラシーをもうちっと真面目に考えた方がいいんじゃないか,と.日本語の「リテラシー」なので,読み書き,つまり,観ることと作ること.

まず作る方.動画を作る力.すなわち,時間軸の論理構造を構成/編集する力.

これまでは文章の論理構造を構成する力が能力の王様だった.でもそれは単に使えるメディアが「紙」しかなかったからに過ぎない.メディアとしての動画/映像がこれほど使えるものになった以上,その王者の座は揺らぐだろう.時間軸+画面構成の構造を駆使するような本来の映像の力は,恐らく今後は重要な武器になる.

次に観る方.動画を観る力.ぶっちゃけて例えれば「Kickstarterの動画に騙されない」スキル(重要!w).そして,動画/映像をcriticalに観る技術.

今までは,映像を作るのは主に映画作家やテレビ局等々であり,(問題も多々あったであろうが)ある程度の信頼を前提とできた.しかし今や映像は玉石混淆有象無象の山である.観る力なしでは相当酷い目にあう.

その「強さ」の一方で動画には最大かつ不可避の欠点がある.それは1分の動画を観るには1分かかること.でも,だから動画は使えないではなく,だからこそ力量がモノを言う,なんじゃないかと.

…………

少し前からTastemade Japanの動画がfacebookのタイムラインに出てくるようになった(もちろん自分で「いいね!」したからだけど).料理(調理過程)動画で1つが30秒〜1分くらい.これの破壊力が非常に高く,あらためてそんなことをつらつらと思っていたりした.(Tastemade,アメリカンな料理のくせに旨そうだし,作ってみたくなるんだよな.でもアメリカンなのでひたすら「オーブンで焼く」ばっかりだけどw ちなみに,多分,だが,日本サイドで制作している動画もあって,それらはちょっとだけ出来が劣る.それが見て分かる(ような気がする)のが面白い.にしてもどうしてcookpadは…以下略(同意見多数))

…………

かつて日本では,漫画が総合芸術の実質的な頂点に君臨していた(個人の感想です).限りない才能達がそこを目指し,参入していった.そしてそこで築き上げられた表現・手段・技術等々をひとたび「武器」として使用すると,それは非常に大きな力を発揮した(e.g. 小林よしのり)

ちなみに動画やYouTubeとは関係ない普遍的かつ教訓的な事実は,『パイオニアは得てしてレベルが低い(クオリティはあまり問題ではない)』ということだ.いまのYouTuber達が面白いこと言ってるかとかそういうレベルの高低は本質ではない.重要なのは,彼/彼女らは配信動画という新しい道具の使い方をいち早く身につけ実行していること,そして,YouTubeやニコニコ動画といった強大なテクノロジーとプラットフォームの上に乗り,その分下駄を履いていること.

才能達が向かう先は今や相当にバラけている.「動画」はどうなるのかな.

という訳で結論としては,そういう力を学ぶには,どうしたら/どこへ行ったらいいですか? 教えてください.みたいな.

…………

P.S.

Tastemade Japan,instagram, twitter, facebook等で展開しているようなんだけど,その使い分けポリシーが素人にはよく分からない.謎だ.

BABYMETAL (その3)

その2からの続き)

その2までの長文を書いたあと,車中,ベビメタをかけて聴いたりした訳だが,もやもやと感じていることを書き出してしまうと,余計なことを考えずに,心安らか・大変穏やかに音楽を聴けることがわかった.これはまさにGTD(Getting Things Done)と同じ原理である.

ということで,まだ書き出し切れていない頭の中の「落ち穂」を拾っていく.以下順不同脈絡なし.

…………

むかしのMISIAのライブとかで,上手いドラマー数あれど,クリックありであのグルーブが出せるのは青山純さんだけじゃね,とか個人的に思ってたんだけど(あと別の意味での例外はユキヒロさん,か)…… BABYMETALの,あの完全シーケンス前提のライブでドラムスをいま叩いているのは,そう,青山英樹さん.青山家おそるべし.

武道館1日目(RED NIGHT)の曲間が,本当にあのブルーレイ通りの感じの,「紙芝居(曲間等の映像)」なし(MCもなし)で行われたのだとすると,3人の運動量の,激しさ・インターバルの少なさ・時間の長さ(1時間オーバー)は,他のスポーツや肉体表現系で何か他に例あるっけ? という気さえするレベルだ.

とはいえ実は3人はそれなりに入れ替わりで消えている時間がある.ということで,どう考えて一番大変なのはドラムス.大丈夫なのかあれ(特にインターバルの無さ).青山家おそるべし(同上)

今後,ベビメタが開けた音楽的な穴に群がる者達は沢山出てくるだろう.英欧はより高いレベルで押してこようとする.日本からはたぶんもう無理.アメリカは音楽的により,CARTOON NETWORKやNICKELODEON的にそれっぽいのが来そうな気がする(←個人的妄想)

BABYMETAL関連でひとつ文句を言いたいことがあるとすれば,「夢の中でロン毛のお兄さんが教えてくれた」とか言いつつ,実際に教えてくれたのはロン毛のオッサンであろう.そこで嘘はよくない(笑)

映像とかを順にみていくと,明らかに「設定(ギミック,でもいいよ)」が本人たちのアーティスト的成長に追いつかれ・追い抜かれそうになっているようにみえる.大人たち(ロン毛を含む)は当然「ちょうどそうなるように調節してるんだよ」と言うのだろうが,傍目からはそうとは信じられない様相を呈している.

グループアイドル集団の「卒業」というのは,個々人のアーティスト性の成長が設定を上回ること,年齢的な成長(加齢),全体としての新陳代謝,という3つの問題を一気に解決するシステムだ(†9).その手が(たぶん)使えない以上,どうするんだろう? と他人事ながら心配になる.単なる年齢的な問題であれば,先輩Perfumeの「様子をみる」こともできるだろうけど,BABYMETALの場合は,アーティスト的成長に相応しいギミックを提供できなくなるおそれの方が強そうだったり.でもそこは,海外に出てしまっているので逆に楽なのかもしれない.欧米アーティストであれば「先輩」がいくらもいるだろう.

Perfumeといえば……

だよな,ほんとに.

そしてステージで自分の生の声を叩きつけているSU-さんをみて,Perfumeは,いま何を思うのか.


以上,(現時点で)幕張は当たったけどドームがまだ当たってない私の頭の中のモヤモヤをお届けしました.

なげーよw

————

†9
近代的女性芸能という意味では宝塚歌劇団に端を発するような気がするが,宝塚といわゆる世の「寿退社システム」とは,どちらが先だったんろう?

BABYMETAL (その2)

その1からの続き)

BABYMETALの音楽そのものについては,マーティー・フリードマン氏が大昔から言っていることそのものだと,個人的には思っている.彼の主張を高いクオリティで実現し,それが正しかったことを証明しているかのようだ(†4)(†5

おそらくBABYMETALは,その組み合わせに主たる新しさがある.個々の構成要素のクオリティは高いが,そこに特別な新しさはない(もちろん,立ち止まっていてはクオリティを保てない,という意味での先進性はあるに違いない).要するに「新結合」であり,まさしく「innovation」だ.そしてこれは余談だが,どの世界にも「組み合わせの新しさ」や「適用の新しさ」を新しいものとして認めない主義があるんだな,ということが巷のBABYMETAL評にから見てとれることは,個人的に大変に興味深い.

BABYMETALの音楽的な構成要素は,ハードロック,ヘビーメタル, デジロック,J-POP, アイドル,歌謡曲,ビジュアル系,アキバ系(今のアニソン的なやたら情報量が多く高密度な音楽)等々だろうか.

良し悪しではなく自分の好き嫌いで言えば,HR, デジロック,J-POP,歌謡曲が○で,HM,アイドル,V系,アキバ系が×だ.一番重要な2つが×な気がするが(笑),それでも十分に聴けるし,聴けるを超えて好きだと言えるものになっている.繰り返しだが,各々の構成要素のクオリティが高い点が,HMやアイドルが嫌いであってもこの音楽を好きになれる理由のひとつでもある.

ミクスチャーの狂気のレベルを一段階上げ,それを非常に高いクオリティと強度で行う.メタル云々を超えて,音楽の「末の世」における「再興の使徒」としては,ひとつの正しいチャレンジだと思う.

…………

BABYMETALのライブの音はとても不思議で,常に後ろでシーケンス音源が鳴り,コーラストラックが流れている.SU-METALのボーカルやYUI&MOAの合いの手の魅力,神バンドの演奏の優秀性がよく語られるが,一方でシーケンス無しではこのライブは全く成立しないと思われる.驚くべき両立っぷり,かつ,それでなければ産み出せないサウンド.今の音楽・今のライブではこれ普通のことなんだろうか?(自分が普段行くライブではここまでのものはあまり聴かないので正直よく分からない.一番近いのは岡村靖幸のライブかなぁ) 実はここら辺の実現のテクニックに(細やかな,日本的な?)オリジナリティがあったりして(←適当に言ってます)

そんなライブも含めた数ある音源やビデオのなかで好きなのを選ぶとすれば,やっぱバックがDragonForceのこれかな(↑とか言っておきながら神バンドじゃないのかよ!>自分)(†6).こいつの高画質・高音質版がとてもとてもとても欲しい.(ちなみにこのニコ動はコメント表示しても大丈夫=愛あるパタン,です)

1つめの「Road of Resistance」は大変な名曲であるにもかかわらず,オッサンかつJ-POP好きからするとサビがあまりにもジュディマリ(BLUE TEARS)すぎて背中のあたりがモゾモゾしてしょうがないという欠点がある(笑).何十回聴いても(何十回も聴いたよ)慣れない.でも,ある意味J-POPの名曲・名フレーズがこのように形をかえて世界で鳴っているんだと思うと,それはそれで喜ばしいことでもあるよな,とか思ったりしている(†7)(†8

そう,まぎれもなく我々が聴いてきたままの邦楽(J-POP,邦ロック,ジャンルの呼び方は何だっていい)が,いま世界で鳴っている.

日本の評価とかそんなもんはどうだっていい.それだけで,こんなに嬉しいことはないじゃないか.

その3へ続く)

————

†4
「い〜じゃん! J-POP だから僕は日本にやって来た」:マーティ・フリードマン(Amazon.co.jp
†5
(マーティ・フリードマン氏の発言部分書き起こし)   どんだけ新鮮だかわかる?…
†6
それにしても,ロックバンドにおける同じ釜の飯を食った感というか同じ機材車に命を預けてた感みたいなのが醸し出す違いっていうのは一体何なんだろうね.
†7
さすがにあれは仁義きってあるレベルだと思いたい.ネットには「作曲にクレジットされている”KYT-METAL”は恩田快人」説まである.まあ読みは「よしひと」なんだけどねw
†8
BLUE TEARSといえばやっぱりこれ.

BABYMETAL (その1)

(以下ヘヴィメタルにもアイドルにもまったく造詣が深くない私が書いております)
(余りに長いので3つに分けたw)

————

BABYMETAL.1st辺りはとっ散らかってるし学芸会色が強いし(そりゃ「部活」だしね)ちょっとなあ,という感じだったが,去年自ら心を改めた(きっかけはYouTubeにあった海外ツアーのfancam).そしてこのあいだ出た2ndアルバムは本当に良い.聴きまくりである.

とはいえアルバムの中には「問題曲」もある.一般に最大のそれは「メタ太郎」だろうw(†1

話によるとこの曲は『メタル的な解釈で言うとヴァイキング・メタル』らしい.ヴァイキング・メタル…… まったく分からないが,たぶんチャント色が強くて「北欧神話」なんだろうな,みたいな.

で,ネットをみてたら,ヴァイキング・メタルの例としてこれが挙げられていた.

BABYMETALに対してよく(特に海外で)言われるのが「Gimmick or Metal?」だ.どうやらメタルの世界では「gimmick」という単語が独特の意味を持っているようだ.想像だが「良いギミック=世界観設定や良いショーアップ」と「悪いギミック=売るための姑息な手段としてのショーアップ」の両方の概念があり,それらをまとめて「ギミック」と呼んでいるようにみえる.そしてその両者の区別は高度に主観的だ.

「ギミック」の真の意味は外野からは分からないし,そもそもなぜ「Gimmick or not」が問題なのかも分からない.さらにこんなPVをみてしまうと…… これを許容する文化が,どの口で「ギミック」だの「子供騙し」だの言うか,というのが素直な感想である(†2

でも,このPVを最後までみてたら何となく分かってきた気がした.

こんなことをやっている.だからこそ逆に「お前はどれだけ本気なんだ.どれだけ自分の人生をかけて,自らの表現として,それをやっているんだ」という問いかけが重要となる.それが「Gimmick or Metal?」であるのかもしれない(†3

…………

「本気さ」.BABYMETALはどうなんだろう.

フロントの(という言い方が正しいかは分からないが)3人.そこは合格な気がする.日本のアイドルは他者から与えられたテーマに対して心から本気で取り組むことに関してはプロの中のプロフェッショナルだ.それをとてつもない強度でできる者だけが生き残れる世界.

一方で「大人たち」.くだんのプロデューサー氏は別として,(増える一方であろう)周囲の大人たちは(それが本心であるかどうかは別にして)『駄目なら,はい,じゃあ次』という思考じゃないとメンタルが持たない職種の人たちであるようにも思う.

どうなんだろう.大きくなるがゆえに,成功するがゆえに,意思決定が難しくなり,希薄になる.そんな,よくある話になってしまうのだろうか.どうなるんだろう.

…………

ギミック論とは別の海外ファンの視点(サウンド面以外)では,このビデオのこの部分の会話ががとてもおもしろかった(動画説明にリンクがあるオリジナルの別映像に日本人が日本語字幕をつけて公開しているものと思われる).

「日本語だから何を唄ってるか分からない.悪魔の歌に違いないと思ってる」
「チョコレートの歌だよ!!(大笑い)」
「世界で一番ハッピーなモッシュピット」
「みんな笑顔のサークルモッシュ.これは greatest things in the world you can make だよ」

www

上のPVの例をみれば,(デスメタルの?)独自世界の構成要素のひとつである「サタニズム(悪魔信仰)」は「北欧神話」で置換可能であるようだ.だとしたら,アンチテーゼとしての「Hardcore & Angry」を「Kawaii」で置き換えることの何がいけないんだ? アリじゃん,としか思えない.

その2へ続く)

————

†1
個人的には「シンコペーション」が断トツで○ソだ.日本盤にしか入らないからって,あんなク○な曲はないだろう.EU/US盤でその代わりに入る「From Dusk Till Dawn」は大変に素晴らしい.
†2
関連動画で出てきた別のバンドのPVがこれ.つまりはこの手のものがたくさんある.(ENSIFERUM – From Afar – YouTube
†3
それでもやはり外部からみたら同じ穴の狢でしかないと思う.

「山行が」と今の日本とは繋がっている

今回の熊本地震にともない大きな被害をうけた道路の調査記事.

橋の被害,土砂崩れに埋まる道路,崩れ落ちる路盤,そして,トンネル崩落.

これらはヨッキれんさんの「山行が」(愛してやみません)でよく読む光景そのものだ.

まったく当り前のことなんだけど,「山行が」でみる過去の叙述と今の日本とが繋がっていることをしみじみと感じてしまった.


 
「天空の道」もまた然り.

…………

この地に何千年か何万年か生きてきたんだ,これからも生きていくんだよ.うん.

Prince

次々とリンクが流れてくる.魂は永遠みたいなことをよく言うが,これらの音楽はきっと消えずに残るんだろうな,とか思う.

Facebook/Twitterにメモがわりにポストしてたぶん等々を埋め込みでまとめておく.思い出しては,観て,沁みよう.

Thank you for all the music you’ve given us.

…………

Music VaultがYouTubeに公開している,82年Capitol Theatreのフルコンサート映像.1曲聴くなら,0:35:42からのDo Me, Baby.

これ知らなかったけど,2004年Rock & Roll Hall of Fameのライブで,While My Guitar Gently Weepsの後半のギターソロをPrinceが弾いてるってやつ.
とあるツイート曰く,「Guitar solo in While My Guitar Gently Weeps was written by Harrison, recorded by Clapton, and perfected by Prince」

極めて極めて個人的な思い入れで1曲選ぶなら,Another Lonely Christmas 一択.公式な動画等はないからApple iTunes (Apple Musicにはない).

Another Lonely Christmas
プリンス
¥ 150

本当はExtended Ver.の方がもっと……とか,ブートにLive Rec.版があって,とかいうと長くなるので……

でも実はひっそりとニコ動にはあるのだ.Extended Version.

Live Version.

これも初見だ(コメントは要らないので非表示推奨)

すげえなあ.

プリンスとマイルス・デイヴィスの未発表音源“Can I Play With U?”がふたたび脚光を集めているのでご紹介。削除される可能性ありますのでご了承のほど。85年に録音されたもので、マイルスの86年作『Tutu』に収録予定だったものと見られます」,だそうだ.ぐわー.

ギター上手っ(なにをいまさら).そしてあまりに素敵だ.

こんなものが…

言葉がない.

2015年グラミー賞授賞式のスピーチ.

Albums, remember those? Albums still matter, like books and black lives, albums still matter. Tonight and always. These are the nominees for album of the year.

…………

そして,Princeさん追悼関連動画も.

Spike Leeがブルックリンの自宅前でPrince追悼ブロックパーティーをやったそうだ.いくつか映像あるけど…これ極めつけ.泣くよこれ.

これが行われそして許容されることが想像できない土地でcreativeやinnovativeな何かなんて起きやしないよ(暴論

これは別のとこかな.

Bruce & The E Street Band opened the first of two nights of The River Tour 2016 at Brooklyn’s Barclays Center with “Purple Rain” in tribute to Prince.

最後.これはヤバすぎる.だめだこれは.
ブロードウェイのThe Color Purpleのキャストが終演後にPrinceに捧げるために唄ったものと思われる.fancamっぽい映像だけど公式アカウントで公開されてる.先に唄っているのがCynthia Erivoで後がJennifer Hudsonかな.おそろしいものをみた.底力.そして,滂沱.

…………

最後にこの状況をよく表したツイート.

この状況は,ひとつは明らかに死者にむらがるハゲタカやハイエナの様相なのだが,その一方で魂を導く天使の所作のようでもある(ああなんて身勝手な妄想だ).

アルゴリズムの一部になんかなりたくない —Prince

Princeが配信サービスから自分の楽曲を削除し,唯一の例外としてTidalでの配信を行う理由を語っているインタビューを見つけた.

回答としては分かりにくいのだけど,おおむね,

  • Tidalは新しい会社.そういうのは助けないとね
  • (本当は自分で配信サービスを持つのが理想だけど)?
  • (他のサービスは)「関連アーティスト」が適当に出てくるとか,そういうのが気に入らない.そうではなく「影響をうけた」ものを表示したりしたいんだ
  • Tidalはそういう試みを我々(アーティスト側)にさせてくれた
  • 自分は,プログラムの,表示アルゴリズムの一部になんかなりたくない

みたいな感じ?

おそらくは,いわゆる完璧主義的なコントロールを配信の場でもしたいのだけど,既存のメガ・プラットフォームはそれを個々のアーティストには許さない.Tidalでそれができているのかどうかは知らないけど(日本じゃ…以下略),それを試みさせてくれる,というのがあったのだろう.

それにしても最後の一節.前々から思ってるけど,これは真実なんだよな.「それはできません」の理由が単にソフトウェア実装の都合に過ぎないことは多々ある.それは人や組織がプログラムの奴隷だということであり,ソフトウェア提供者(企画・設計・実装)の怠慢ということである(イントラなあれとかこれとかたぶんいろいろあるでしょ :-).これをPrinceに言われるとは.

そしてもうひとつ大事なこと.

Princeが「関連表示」を称して「それはただのアルゴリズムだ(It’s an algorithm)」 と言う.その理解と表現の正しさ.

いろいろ敵わないな,という感じだ.

…………

EBONY: What made you decide to move your catalog to Tidal and away from the other streaming services, and why is HitNRun about to be exclusively available on Tidal?

Prince: Tidal is a new company, it’s brand new. They’re just getting their footing, and I think when there’s a company like that, or the OWN network—situations where we finally get into a position to run things—we all should help. It’s been a lot of fun.

We’ve changed the format of how our music appears. Where it would normally say “RELATED” and have a bunch of random stuff pop up—I love D’Angelo but he’s just getting started, he came way after—what we did is we changed that to INFLUENCES. Then all these black and white pictures come up and you can go back and look at all the people who influenced me. Then in each one of those situations, Tidal allowed us to go and work on those pages.

That’s the problem with these formats is that there’s a lot of laziness out there. They have to do so much, so a lot of times it’s just a program. It’s an algorithm. I didn’t want to be a part of that.

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