2025/03/03 (月) @ 18:30
(OTOTOY編集後記からの転載です)
俺小学生時代の給食に「ボルシチ (風)」や「ピロシキ (風)」がなぜかよく出てました。当時、ロシア料理はそこまで一般的なものではなかったと思います。レストランとして〈渋谷ロゴスキー〉みたいな存在はあったけど、それ以外に多くあるわけでもなく。ましてや家庭で作る「洋食 (の一種)」として普及していたわけでもなく。どうして?…、という話を世代が近いひとにしても、「そうそう、ボルシチやピロシキ、よく給食に出たよね」という反応があるわけでもありません。やはりあれは、私が住んでいた自治体 (給食センター方式でした) に、たまたまロシア料理、ソ連 (当時) に親しみを持つ栄養士・調理師がいたからなのでしょうか。謎です。
“(風)” じゃないやつを久しぶりに食べてみたいな……と思っても、渋谷からロゴスキーがなくなって10年が経とうとしています (再開発め)。でもいま行くと、ロシア料理、ウクライナ料理、ベラルーシ料理、ジョージア料理、……、とは、などと複雑な気持ちに苛まれるのでしょうか。美味しいご飯を美味しく楽しく食べたい。
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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈原曲があまりに凄いのだが、そこに敢然と自身を投影していくリーガルリリー、強い。ドラムはex.赤い公園の歌川菜穂〉、リーガルリリーの “サラバ青春”、nonayu, usabeniの “点滅ばいばい (Cover)”、エスキベルの “feelgrey (feat. 毛利安寿)” の3曲です。
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OTOTOYの公式プレイリストに自分が推薦した曲だけを載せた個人プレイリスト、「OTOTOY NEW RECOMMEND-ed by me」も公開中!
2025/02/25 (火) @ 18:30
(OTOTOY編集後記からの転載です)
もうネタバレ云々はいいですよね、と思いつつも固有名詞は抜きで (笑)。観たのは2月に入ってからだったので、2月のことは2月のうちに。テレビ・シリーズの予告編的なもの、くらいの知識で観に行きました。なるほどこれは随分と豪勢なアヴァンタイトルのアヴァンタイトルとアヴァンタイトルだな、と。アヴァンタイトルのアヴァンタイトルの序盤 (ややこしい笑) は概ね元のシーケンスを覚えていたので、楽しめました。えーーーーーー笑、とか笑いながら観る感じ。アヴァンタイトルのアヴァンタイトルの後半は、オリジナルの後半年の戦況推移やそれぞれの宇宙における位置関係をそこまで覚えていないので、若干理解が難しかったかも。難しいというより把握していたほうがもっと楽しめただろうなと。アヴァンタイトルはちゃんと今風の作りで本放送への期待が持てる。4月からと正式発表されましたね。
……なんですが、たとえば今、“枢軸国” 勝利のパラレルワールド物語が作られてそれを楽しめるかというとどうなんだろう、みたいなことも思ってしまうのは事実ではあり。これを娯楽として作ることがどのように批評的たり得るか (それが必須であるわけではまったくないです) は、本放送を楽しみに待ちたいと思います。主題歌、映画挿入歌、映画オリジナルサウンドトラック等々、ハイレゾ/ロスレスで配信中です!
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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈親しみ深く流麗な歌メロに懐かしさを感じさせるアレンジ、2025年のノスタルジック・ドリーム・ポップ〉、Moon In Juneの “エンドロールが終わっても”、ときめきポメラニアンの “カポタスト” の2曲です。
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2025/02/17 (月) @ 18:45
(OTOTOY編集後記からの転載です)
揺らぎの3rdフル・アルバム『In Your Languages』のリリースパーティー。断固たる意思としか言いようがない美しいライヴ。ゲストのTHE NOVEMBERSの小林さんMCでの揺らぎの紹介やシューゲイザー解釈で言われたことそのものであると同時に、シューゲイザーがどうしたとかを遥か彼方に追いやる彼女たち自身の強さの塊がそこに。ステージ後方の投影されるVJ映像が終始? 台灣 (おそらく) の映像で美しかったです。台灣だけどすこし寒そうな光景も新鮮というか。そしてゲスト、WWWで観る (聴く) THE NOVEMBERSはヤバかった。揺らぎのリリースツアーはこの後、香港、名・阪と続きます。
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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈MBS制作ドラマのエンディング曲。yonigeならではのメロディ、静謐だが溢れ出る情感、壮大な音像がさらに進化した。3月には日比谷野音です〉、yonigeの “Without you”、The Otalsの “このまま、海まで”、Hoach5000の “ON” の3曲です。
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2025/02/10 (月) @ 18:30
(OTOTOY編集後記からの転載です)
雪国、1st EP『Lemuria』のリリースパーティー @ WWW & WWWβ。会場のデコレーションからはじまり、DJ、出演アーティスト、そして来場者、すべてがすべてを補い合うようにフィットした心地よい空間。こういうのを作り上げることが簡単ではないことは、この日ここに集う人びとであればよく分かるだろう。昨年のフル・アルバムと今年早々のEP、彼らの音楽活動の力によって組み上げられた素敵な空間でした。これを作ってしまえる雪国を何と表したらいいのだろう。近い言葉はある。純粋、志の高さ、イデアリスト、平熱の求道、……でもどれも違う。この言葉の見つからなさが彼らの新世代っぷりを良く表しているのかもしれない。いいイベントでした。
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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈心惹かれるメロディ、暴れるサックス、新鮮なテクスチャー、それらをポップソングにまとめあげる技。19歳らしいですよ。おそるべし〉、Meg Bonusの “喝采”、クレナズムの “センチメンタル”、エイプリルブルーの “ひらいて” の3曲です。
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2025/02/03 (月) @ 18:45
(OTOTOY編集後記からの転載です)
〈夜会ツアー 2024-2025 笑う亀裂〉ファイナル、過去最大規模、ソールド・アウト公演。君島大空がいる時代にリスナーとして生きていること、君島大空合奏形態がある時代まで生き永らえたことに心から感謝したい、そんな時間でした。技術や能力が人を自由にするさまを目の当たりにする快感。1st EPからの曲も含めバランス良く配されたライヴを観ながら、君島のキャリア初期の頃から関われたことの喜びを感じていました。関われたといっても勝手に観に行って勝手にライヴ・レポートを書いただけですが (笑)。これまでのスタンディングとは若干異なるホール・ライヴ寄りの客層。その老若男女・幅の広さは、ますますこの先を期待させます。表現する側も受け取る側も日本の若者たちが、 ロックもバンドも死なせず、融通無碍に好きなもの・新しいものと一緒くたにして遊び続けてくれて、本当にありがとう、と。ひとつだけ言いたいことがあるとしたら、こういう年間ベスト級のライヴを1月にやらないでほしいです (笑)。
君島大空 1st EP発売記念夜会 『午後の反射光』 —OTOTOYライヴレポ
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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈ダイナソーJr.のJ・マスキスがザ・キュアーの “Breathe” をカバー。ダイナソーJr.は1989年に “Just Like Heaven” のカバーもリリースしている (MV最高)。どちらも私たちの居場所〉、J Mascisの “Breathe”、一寸先闇バンドの “クーポン”、Acidclankの “Out Of View”、ラブリーサマーちゃんの “(Song For Walking) In My Mind” の4曲です。
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2025/01/27 (月) @ 18:30
(OTOTOY編集後記からの転載です)
ハウス食品の「こくまろバターチキンカレー」にハマっている。まったく辛くないけどそこは自分的にはおっけー。最初に鶏肉をヨーグルトに漬け込む、くし切り玉ねぎを大量に入れる、仕上げの牛乳の代わりに生クリーム、膨大なる追いバター……、等々それなりの追加作業もしていますが、基本的に美味しいです。生クリームのかわりにココナッツミルクも試しましたが、生クリームのほうが好きかな。で、ですね。出来上がるカレーも美味しいのだけど、その前、作成過程前半の「ヨーグルト漬けの鶏肉と玉ねぎを油で炒めた後に水・酒・少量の塩を入れて炊いた状態」の味見が美味すぎて困る (ルーを入れる前、笑)。この状態に適当なハーブと塩とナンプラーあたりを入れただけで爆食できそうなくらい。中央アジア的にはそこは塩とスパイスで決めにいくのだろうが、東アジア民としては醤で決めたいからね……ってなんの話だか笑。それはそうと、ナンを自宅で美味しくつくる方法をご存知のかた、教えてください。そこが現在の課題です。
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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈古里おさむ (ウミネコカレー店主)、藤村頼正 (ex.シャムキャッツ)、樋口雄文 (禅宗僧侶) の3人がリリースした1stアルバム『えん』から。後半のギターはゲスト参加の岡田拓郎だろうか。良い。〉、古里おさむと風呂敷きの “まちのあかり”、マテナイの “ひとなみ”、Wang Dang Doodle feat. Cwondoの “Wonderland” の3曲です。
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2025/01/20 (月) @ 18:30
(OTOTOY編集後記からの転載です)
今回のツアーは東名阪福広のZeppツアー (広島は除く) で東京は2公演。東京公演初日はZepp DiverCity完売、まじで2000人超のパンパンの入り。どんな層がファンなんだろうという話を先週、編集部でもしていたのですが、客層はバラエティ豊かでした。ステージ上には例によって常にカメラマンが。衣装の色が一番派手なことも含めて完全に意図的なもの。2年前の来日のときから「あれはどういうロジックでアリだとされるのだろうか」を自分でも考えているのですが、切れの良い説明には至れていません。ライヴそのものは、Lo-Fi好み、シティポップ〜YMO・リスペクト、ガチガチにアメリカンなメロとリズムの基礎体力、の組み合わせの巧みさを堪能しました。
また今回の公演で理解したのは、“普遍性” (時間と地域に渡る) の価値が一般の実感に根付いた、個々人の “好き” がその普遍性と接続することによる “好き” の肯定、“普遍性” と “好き” を再構築するにあたり不可欠なリスペクトとスマートさとチャームの在りかた、あたりが時代の肝かということ。ここらへんもうすこし掘り下げたい。良いライヴでした。
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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈空気が変わる、世界に引き込まれる、メレならではの圧巻〉、メレの “セピア”、柴田聡子の “Passing”、EG & his Drawersの “Rainbow” の3曲です。
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OTOTOYの公式プレイリストに自分が推薦した曲だけを載せた個人プレイリスト、「OTOTOY NEW RECOMMEND-ed by me」も公開中!
2025/01/17 (金) @ 18:00
(「OTOTOY各スタッフがそれぞれ選んだ2024年の10作品」からの転載です)
■2024年の10作品◾️
- sidenerds「潜水」
- sidenerds『toumei na sekitan』
- 柴田聡子『Your Favorite Things』
- ANORAK!『Self-actualization and the ignorance and hesitation towards it』
- 雪国『pothos』
- しろつめ備忘録『リマインダー』
- downt『Underlight & Aftertime』
- SACOYANS『SUN』
- FUJI『欠伸をした神様』
- The Cure『Songs Of A Lost World』
■チャートに関するコメント■
何度も同じことを言っていますが、2024年はsidenerdsの年でした。混沌とした多要素の淵から沸き立つ唯一無二さ。そしてライヴが輪をかけて素晴らしい。それらを讃える特別な気持ちと、2枚でアルバム級という想いを込めて、1stシングルと1st EPの2枚をチャートイン。続いて柴田聡子とAnorak!、昨年のスペシャルなアルバムといえばこの2枚でしょう。どちらも新境地×強度の絶対値が圧倒的でした。しろつめ備忘録と雪国はマイ・チャートのニューカマーです。洋楽も1枚。DIIV、Clairoと迷いましたが、The Cureの16年ぶりのアルバムを。このアルバムにあるのは終末ではなく時間の重みだと思います。ロック・ミュージックとともに長い時を過ごした自覚があるひとは一度聴くべし。今年もたくさんの素敵な音楽をありがとうございました。
■ベストライヴ(DJプレイ、その他、配信も含む)■
カネコアヤノ「Livehouse Tour 2024」6月4日 @Zepp DiverCity
すごかったやつ。圧巻、強すぎる、完敗。デカいライヴのラスト曲みたいなクライマックスが20分ごとに来ては抑えてを繰り返す波動。あんな構成のライヴは初めて観たかも。もうひとつ挙げるとしたら、Fairground Attraction「Beautiful Happening」6月27日 @SHIBUYA CLUB QUATTRO、を。ステージ上もフロアの老若たちもよくぞここに辿り着いたな、と。これまでに感謝し、これからも良い音楽とともに暮らしていこうと、あらためて思いました。
■音楽作品以外のベスト一作(書籍・映像作品など)■
〈LOTUS PALACE〉のベトナム料理
ベトナム料理は美味しい。口に合う。普段の〈PHO THIN TOKYO〉のフォー (限定の生麺がオススメです) も良いが、たまに食べる洗練系ベトナム料理はとても美味しい。……という安穏とした文から唐突に不穏当な発言をしますが…… 一般論として洗練された料理の成立は、現代の民間の研鑽もさることながら、かつての “政治権力” から切り離すことができません。ましてや、ベトナム料理において言われる “フランス文化の影響” とは植民地支配の結果以外のなにものでもない。旨い旨いと言っていていいのか、という気持ちが頭をよぎる。が、美味しいものは美味しい。人間は悲しいものです。きっと音楽でもなんでも「好きなものは好き」で済ませていることがたくさんあるんだろうな。
■2025年にむけて■
2025年ってヤバくないですか。25年ですよ。100年の四分の一。あのミレニアム騒ぎからクオーター経過っすよ。ヤバくないすか。
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2024年の10作品のSpotifyプレイリストも公開中。
2025/01/14 (火) @ 19:00
(OTOTOY編集後記からの転載です)
意外とありつくのに難儀する「カレー×そば×かき揚げ」の組み合わせ。「カレー」ができるのは「うどん」だけだったりする。「カレー」にトッピングできるのはほぼカツかコロッケ。かき揚げの単品提供があれば自分でセットにすればよいのだが無いことも多い。断然、カレーには (うどんじゃなくて) そば派であり、カレーには天ぷら派なのだが、どうやら私は少数派のようだ。おかしい、美味いのに。でもこの数年は「カレーそば」が某系チェーン店の冬の定番になり、その時期であれば容易に食べられる。嬉しさ余って先週2回。でもお願いだから通年メニューにしてほしい。くそ暑い最中に食べる、かき揚げカレーそば、憧れる。
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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈((Gt.×Gt.)×(Vo.×Cho.)×(Dr.×Ba.)) の心地よさが尋常じゃない、ハク。の2ndデジタルEPから〉、ハク。の “奥二重で見る”、CLWの “9608” の2曲です。
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OTOTOYの公式プレイリストに自分が推薦した曲だけを載せた個人プレイリスト、「OTOTOY NEW RECOMMEND-ed by me」も公開中!
2025/01/10 (金) @ 23:30
(OTOTOY EDITOR’S CHOICE Vol. 307「ロックだとかポップだとか」からの転載です)
年末年始から〈rockin’on sonic〉で浮かれたまま日々が過ぎ、今日が金曜日なのを忘れていて進行管理をミスりました。というわけで急遽更新、2週連続登場です。すみません(笑)。
先週のこのコーナーは「リリースもライヴも良かったアーティスト」で、そして恐らく来週公開される毎年恒例の『スタッフズ・チョイス』の10作品はアルバム/EPベースで選びましたので、今日はそこから漏れた、でも大好きな曲たちを。
ざっと並べて聴いてみたのですが、なんか歪んだギターばっかりですね。趣味丸出し(笑)。
結局のところ私が好きなのは、「良い歌メロをその人ならではの声で歌う」と「歪んだギターとキラキラしたギターからくる感傷でロックだとかポップだとかどうでもよくなる」なんですね。
今年もそんな曲たちにたくさん出会いたいです。
あらためまして、今年もよろしくお願いいたします。
(プレイリストのSpotify版はこちらです)