(OTOTOY編集後記からの転載です)

文化の日に渋谷で行われた〈BiKN shibuya〉にいきました。アジアから18 (中国 1、香港 3、インドネシア 1、韓国 3、マレーシア 1、フィリピン 2、タイ 3、台灣 4) のインディー・ロック/インディー・ポップ・アーティストを招聘し、加えて日本から17アーティストが参加して行われた都市型フェス。これが本当に本当に良いイベントでした。会場で知り合いに会うたびに「いいイベントだねー」「いい日ですよねー」と言い合い、Xのタイムラインには称賛のポストが並ぶ。このイベントの開催に至る経緯は主催の〈THISTIME RECORDS〉代表・藤澤さんのいくつかのインタヴューに書かれています (DIGLE MAGAZINEHOLIDAY! RECORDS note、等)。DIGLE MAGAZINEの記事タイトルは「日本が孤立している—〈BiKN shibuya〉開催に至った危機感とアジアの連帯がもたらす希望」。ここで語られていることは、音楽という文脈で頷けるだけでなく、音楽以外の分野でも「あぁ一緒だ」と思うことが多い話だと思います。そして個人的には、この「危機感」と「希望」のまわりに数多くの視点を見出すことができます。音楽とICT、アジアと日本と中国、公演への当局の関与がある国とない国、公演インフラ等々。それぞれが書くと長くなる話ばかり。かつて20世紀に一視聴者として接した「アジアバグース!」に勝手に夢をみて勝手にその夢が破れたと感じていた者として思うことがたくさん。でもそういった諸々を「論じる」のではなく、ライヴという音楽にとって最大のリアルをフェス開催というかたちで渋谷のど真ん中に持ってきて突き付けたBiKNの凄みたるや。

イベントについてだけで長くなってしまいました。個々のアーティストについて、いくつか。知識がなにもなくみて感動してしまったインドネシアのStars and Rabbit。ついにライヴを観ることができた中国のCarsick Cars。大トリらしい大トリ、貫禄の、大団円としか言いようのないライヴをみせてくれた落日飛車 Sunset Rollercoaster (台灣)。そんななかマイ・ベストはSay Sue Me (韓国)でした。あくまでもインディ・ロックでありながら、ど真ん中で、ロック・スター。カッコよかった!

イベント終了後のBiKNの公式ページには「次回のBiKNをお楽しみに!」という文字が踊っています。ほんとうに大変でしょうが、今回のイベント実現と終了後のこの言葉、それらすべてに感謝を伝えたいと思います。ありがとうございます!

で、恒例(?)の、2023年11月3日のなんでこれとこれ被るの? は、〈BiKN shibuya〉とFUJI/望月起市の共同企画〈Collection 002 “𝖈𝖔𝖗𝖊”〉。分身の術を使って下北沢でFUJIだけ観てきました。相変わらず、声良し、歌良し、ツインギター良し、フロアライブなのに音良すぎ。新曲良いなー、でした。エッジはもちろん、そこにも、ここにも。

・・・

今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈理芽×笹川真生、初のデュオ歌唱曲〉、理芽の “ルフラン feat. 笹川真生”、他、望月起市の “あり得ない幸せ”、almost mondayの “sweet feelings”、Lucky Dayeの “That’s You”、アロワナレコードの “巡る季節に身を任せ” の5曲です。

・・・

OTOTOYの公式プレイリストに自分が推薦した曲だけを載せた個人プレイリスト、「OTOTOY NEW RECOMMEND-ed by me」も公開中!