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1995年05月07日からの日記

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東京ガーデンシアターで私立恵比寿中学をみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

東京ガーデンシアターは本当なら6月に小沢健二で行っていたはずの新しいホール。今回はじめて行きましたが、とてもよいホールでした。音よし箱よし周辺環境よし。個人的にはほぼ満点です(アクセス面がマイナスと思う人もいるだろうことはわかる)。もうみんなここでやってほしい。そして私がSTAY HOME期にもっとも新規どハマりしたのが、私立恵比寿中学でした。思いかえせば“感情電車”のMVをみたとき、“自由へ道連れ”のMVをみたとき、あのとき素直に行っていればよかったんだという後悔。今年1月に偶然“若者のすべて”のカバーを聴いたとき、これはもう絶対にライヴに行かなければと思ったにもかかわらず、その後はこんな状況に。ようやく来れました。はじめてみた「大学芸会」は、メンバーの技術の高さと気合い、新しいバンドの上手さと一体感、ロジカルにも感情的にも考え抜かれた演出・構成、チームとしての志の高さ、どれもが抜群でした。コンサート/ライヴをやることや行くことの素晴らしさのすべてがそこにある、そんな時間と空間。これをどう表現すればよいか考えていたら、この言葉が浮かびました。「強い気持ち・強い愛」。それだ。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈平賀さち枝がコーラスで、直枝政広がギター・コーラスで参加した、メロウでエモーショナルなナンバーを〉、曽我部恵一の “Yeah Yeah” 、〈来月リリースのアルバムへの期待が高まる先行配信曲。きっとそこにすべてがあるだろう〉、NOT WONKの “slow burning” の2曲です。

yuigot + 長谷川白紙の音がするも候補だったのだけどまた他の人に先に出されました。

柔軟さと強さ

(OTOTOY編集後記からの転載です)

ライヴの楽しみ方には実はいろいろな流派があります。たとえば、声を上げて盛り上がるだけがライヴではなく、会場みな一言も発せず身じろぎもせず全集中力をステージに向ける、そんなライヴもたくさんあります。それは決して静かな音楽だからではなく、力強いビートと轟音に対してそういう臨みかたをする。もちろんそれは「盛り上がっていない」のではまったくありません。「アンコール」にも、声だけ型、声と手拍子型、手拍子だけ型(リズムキープ派と速くなる派があったりする)と、これもさまざまなパターンが。先週行ったとあるライヴが予想外にアンコールなしの演出構成だったのは、そこが普段「声あり型」の現場だったからかな、とふと思ったりしました。気をつかったりフラストレーションを感じたりさせるくらいなら、そんなのは不要に、本編できっちりケリをつけてやろうぜ、と。そんな一事が万事、作り手の思考の深さと意志の強さに満ちたライヴをみると心からの幸福を感じます。ほんとうにありがとう。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈音楽の大地に立つ生身の人間の尊さ、展開力にあふれた一曲〉、THEティバの “Go back our home” 、〈初の全国流通フル・アルバムから、より感情が揺さぶられる再録ヴァージョンを〉、Cody・Lee(李)の “drizzle(2020)” 、〈Eupholksのコラボプロジェクト第一弾。顔を上げ前に進みたくなるインディー・フォーク〉、Eupholks, Charlotte is Mineの “Flaw In The Design” の3曲です。

Zepp Tokyoでリーガルリリーをみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

ついにZeppワンマンに到達したリーガルリリー。感慨深い。欲をいえばスタンディングでフルに入っている光景をみたかったけど。でも、ここにとどまらずにもっと大きな会場に立つ3人が想像できる、そんなライヴでした。かつてのリーガルリリーのライヴハウス時代、よく上手前方で踊っていたお客さんがいたのが今でも印象に残っています。先週Zeppの22列目くらいで右手を挙げて踊っていた人は同じ人だったのかな。この日も上手側でしたね。抽選なのに。エモい。先週公開されたソウル・フラワー・ユニオンのインタヴューで中川敬さんが言っていました。「ミュージシャンはすぐ「やっぱりライヴは生だよね〜」とかいうけど、そんな当たり前のことを言うなや(笑)!」、と。当たり前だけど、世の中、当たり前のことを言う人の方が多いし声も大きい。手を挙げて踊るという当たり前を取り戻した人もいれば、声を上げるという当たり前をまだ手にできない人もいる。それはどちらの楽しみ方が正しいとかそういうことではないです。それぞれのやり方で「当たり前」を乗り越えよう。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈大名曲。〉、Superfriendsの “Million miles apart” と、〈着想と良メロと切なさが同居する眉村ちあきの真骨頂。元、“さかなのうた”。〉、眉村ちあきの “マーメイドボーイ” の2曲です。

SACOYANSをみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

日曜日、SACOYANSのライヴをみてきました。むっちゃカッコいい。もし今年がこんな年じゃなかったとしても確実に2020年の記録に残る、そんなライヴでした。綺麗な音で正しく音がデカい。そのなかで色濃く立ち上がるSACOYANのヴォーカル。すばらしい。事前に想像していたよりもずっとバンド感がありました(これは私の勉強不足が原因)。こんな状況で2020年に東京でみられるとは思ってなかった。呼んでくれたひと、来てくれたバンドに、感謝しかないです。そしてもうひとつ先週といえば、THEティバの新作MV「Go back our home」。この両者、何かが重なるなと思っていたのですが、それは荒涼とした音楽の大地に立つ生身の人間の尊さなのかもしれません。その存在に感謝したいです。

(これは昨日のじゃない別の日のライヴだけど。1:03:15〜)



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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈より自由さを増した2ndフルアルバムから、瑞々しさをたたえたこの曲を〉、Charlotte is Mineの “群青” と、〈冬、すこしだけ暖かい日、街を歩く。そんな一曲〉、松木美定の “おぼろの向こう” の2曲です。

トーキョーベートーヴェン+モトーラ世理奈の青春のリグレット (feat. モトーラ世理奈)も候補だったのだけど他の人に先に出されました(笑)。

Go Toトラベルしないで済んだ話

(OTOTOY編集後記からの転載です)

6月に「早く時代がついてこい!」で紹介したcolormal、かなり好きなアーティストなのだが、この10月ころからGt./Vo.のイエナガが「活動を終える」と言い出し、まあ冗談だろうと眺めていたらだんだんと発言が具体的に。来月13日のライヴがラストらしいので、これはひさびさの遠征案件か、Go To使えるかな? とか思っていたらそちらの状況も怪しく…… が、昨晩彼らからアナウンスがありOTOTOYのニュースでも取り上げたように、話は一転、これまでのサポートをメンバーに迎えてソロ・プロジェクトからバンド体制に移行とのことでした(やっぱりか!!!)。現サポート体制はバンドとしても大変に魅力的で、やられたと思いつつもこの嬉しいニュースを喜びたい。というわけでGo Toはやめて配信で観ます。ニュースは良いほうがいいからね。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈「I pray for you. それじゃ、またね。」〉、赤い公園の “pray” と、〈サンプリングされたJuliaの声とハウシーなピアノがビートに寄り添う〉、Fred again..の “Julia (Deep Diving)” の2曲です。

ハイファイの民主化

(OTOTOY編集後記からの転載です)

OTOTOYで機材レヴューをし、勢い余って販売もはじめてしまった「iFi audio ZEN DAC」と「ADAM AUDIO T5V」のセット。5万円台でこの音質が買えてしまうのは、二昔前から考えれば確実にゼロひとつ安くなっているだろう。5万円台が高いのであれば、いわゆる「中華」と呼ばれているDAC/デジタルアンプとそこらへんから拾ってきた(なにそれ笑)スピーカーという選択肢もある。それなら半額以下。それでもかつての数十万円コースの音がするだろう。これって別の言い方をすると「ハイファイの民主化」なんですよね。同時進行でサブスクリプションの普及とスマホで音楽を聴くことが進んでいて、結果として起きていることからは見えにくくはなっているが、この「ハイファイの民主化」が音楽全般に与える影響はとても大きいのではないだろうか。というわけで、機材レヴューに興味のある方は「特集記事」を、セット販売に興味のある方は「物販」を、そして民主化されたハイファイで聴く音楽に興味のある方はOTOTOYを、ぜひご覧ください。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈“優しさ”に満ちた最新ミニアルバム、全曲素晴らしくて選べないけど〉、クレナズムの “ラテラルアーク” と、〈真っ直ぐなロック&ポップが一番格好いい〉、NYAIの “Cheap sentimentalism” の2曲です。

PURE2000

(OTOTOY編集後記からの転載です)

土曜日に〈SPEED〉主催の野外レイヴ〈PURE2000〉に行ってきました。京浜工業地帯、運河沿いのとある場所。期待と幸福に満ちた場所。こんなことを言うと自己矛盾なのだが、メディアが取り上げる「シーン」や「ムーヴメント」にはなにか胡散臭さを感じることもある。だが実際に多様な人々が同じ場所と時間と熱を共有するさまをみれば、そこには何かが確実に(それを何と呼ぶかはさておき)存在し、それがこうして草の根から湧き上がっていることを実感できる。Lil Soft Tennis関東初のバンドセットも、yuzuhaも、LUXYも、もちろんWaaterも観られました。DJも皆、熱かった。素敵な場を、最高の機会をありがとう。きっとここからどんどん繋がっていくのだろうな。ひとりの音楽好きとして、追いかけたいです。そして翌日行ったシバノソウのバンドセット・ライヴもとても良かったです。6月に出たアルバムを聴いたときから「強いな」と思っていたのだが、それは理由と事実がある「強さ」だったんだ。納得。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈ジャム&ルイス、来年リリース予定のデビュー・アルバムから先行カット。これって「デビュー・シングル」?〉、 Jam & Lewis x Babyfaceの “He Don’t Know Nothin’ Bout It” と、〈5年ぶりのアルバムから、変わらぬ良い曲を最新の音像で〉、Turntable Filmsの “Shape Your Town” の2曲です。

ギター

(OTOTOY編集後記からの転載です)

良い音楽にたくさん出会えた先週でした。高井息吹の『kaléidoscope』、そしてなんといってもTomato Ketchup Boysの『The First Encounter Of This Odyssey』! カッコいいギターここにあります!!! ギターといえば、土曜日にあったリーガルリリーのプラネタリウムで行われた配信ライヴです。過去を振り返ってばかりなのは良くないと頭で分かっていても、でもずっと、たかはしほのかが弾くムスタングの音が忘れられなかったのです。セッティングで出す最初の一音から他のなにものでもない、ワンストロークで心打たれる音…… そんな想いを吹き飛ばすような土曜日の配信ライブでした。テレキャスターの音、だけじゃない。3人とも抜群に良い音を出していました。“蛍狩り”のアウトロとプラネタリウムに映る映像の美しさ。最高でした。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈気怠さと懐かしさに満ちたアルバムから、すこしだけ足取りが軽そうなこの曲を〉、the circusの “マリー” と、〈新井和輝(King Gnu)・君島大空が共同制作で参加の新作EPから、バンド感あふれる1曲を〉、高井息吹の “ハローグッバイ” の2曲です。

そしてトマケチャは他の人に先に挙げられてしまったので自分の推薦コメントは入ってないけど、それでも推さないわけにはいかない、〈ほんとにカッコいいギターが詰まっている〉、Tomato Ketchup Boysの “Revolution Summer” です。

前を向いて

(OTOTOY編集後記からの転載です)

先々週の悲しい報せ、先週の切ない報せと、やるせないニュースに気持ちが沈むこの2週間。どちらもこういうときの冠言葉である自分でもびっくりするくらいというのは明らかに嘘で、自分でもよくわかるくらい悲しく、切ない報せだった。でも。前を向いて。ひとつのメッセージは「また会おう」だったし、もうひとつのメッセージは「明るい未来を想像しながら、一緒に明るい毎日を過ごせるよう、ハッピーなことを共有しあおう」、だから。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈光景を構成論的に描く意欲作。そこで目に映る光景は果たして? 待望の2ndEPから先行配信〉、君島大空の “笑止” です。

「共通の領域」

(OTOTOY編集後記からの転載です)

先週の新譜のなかで特に印象的だったのは、神様クラブのトラックメイカーでもある、ウ山あまねの『Komonzo』でした。サウンドの表面的な構造はどことなくCorneliusを連想させ、実際、神様クラブ名義でのインタヴューでは「(影響を受けたアーティストを聞かれたら)Cornelius、Animal Collective、RO GANGの3組を挙げています」と答えている。しかし大きく異るのは作品と聴き手との間の〈境界〉のあり方ではないだろうか。ウ山自身がこのEPについて「自分と大勢の他者との共通の領域についての作品です」と語るように、そこには絶対性や鋭敏さよりも人懐っこさが感じられる。〈バリアー〉を張ることに価値を見いださないこの作品の感覚、そこに時代が進んでいることを強く感じた先週でした。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈才が余りある、でもどこか人懐っこさを感じる楽曲が詰まったEP『Komonzo』から〉、ウ山あまねの “リモデラ” と、〈情景の描写力に満ちた1stミニ・アルバム『音楽と密談』から〉、浦上想起の “とぼけた顔” の2曲です。

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