(OTOTOY編集後記からの転載です)

アルバム『SOFTLY』のリリースにあわせて山下達郎のインタビューなどを多く目にします。それらを読んでいると、生存者バイアスというか、勝者によって史書が書かれるさまを目の当たりにしているな、と感じます。これは批判ではありません。歴史とはそういうものだし、また音楽とはという観点においても、山下自身が商業音楽とは闘争(勝ち負け)であると言う以上、他人がそれにどうこう言う筋合いはありません。

一方で先週よく目にした敗者といえば、IEです。人びとのIEに対する語り口をみていると、文化圏レベル/コミュニティレベル/個人の価値観レベル等々で、その人(たち)が判官贔屓の人か打落水狗の人かが見えてきます。そういうことは人との接しかたにおいてとても重要なので、よくよく覚えておこうっと、とか思ったりします。(もちろんこれもどちらが良いというものではありません。)

「判官贔屓」はもともと源義経に対する心情のことで、その「史実」の基礎となっているのは『吾妻鏡』です。『吾妻鏡』は北条得宗家の視点から書かれた勝者の史書です。「日本のポピュラー・ミュージック正史」に印される、美しき敗者は誰になるのでしょう? 興味深い。

(初出のfacebookへの投稿はこちら)

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈センチメンタルなギターと普遍的な歌メロが心に残る〉、しんきろうのまちの “六月”、他、naomi paris tokyoの “Sad Vacation”、kojikojiの “true to true”、The Bethsの “Silence Is Golden” の4曲です。

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OTOTOYの公式プレイリストに自分が推薦した曲だけを載せた個人プレイリスト、「OTOTOY NEW RECOMMEND-ed by me」も公開中!