(「OTOTOY各スタッフがそれぞれ選んだ2019年の10作品」からの転載です)
■2019年の10作品◾️
- CHAI『PUNK』
- Stella Donnelly『Beware of the Dogs』
- 君島大空『午後の反射光』
- NOT WONK『Down the Valley』
- ナツノムジナ『Temporary Reality Numbers』
- Clairo『Immunity』
- For Tracy Hyde『New Young City』
- swimews『goodbye, my youthful flowers』
- カネコアヤノ『燦々』
- afloat storage『FOLIAGE』
(リリース日順)
◾️2019年を振り返って◾️
個人的体験としての2019年は、単に年間ベスト云々に留まらない通常なら年にひとつあるかないかの “事件級” のライブが3つもあった年だった。NOT WONKのWWWでの『Down the Valley』リリースツアー公演、君島大空の合奏 (バンド) 形態による一連の “夜会” 公演 (下北沢THREE、WWW等)、そして、SUMMER SONIC 2019でのThe 1975の3つがそれだ。前2つはリリースにともなうライブであり、その作品自体も同じく “事件級” だった。突きつめて言えば私にとっての2019年とはこの2作品だったのだろう。
他の作品もシンプルに “良い” と “好き” で選んだものばかり。が、強いて言えばどれも「壁」を超える様をみせてくれるもの、そしてそこに “驚き” があるもの。壁とは、自身の前作であったり、各自のキャリアにおける困難や過大な前評判といった何かだったり、あるいは「邦楽」(≒日本国内のみでの受容) であったり。たとえばFor Tracy Hydeはあの前作『he(r)art』を斯くも超えてくるとは想像し難いものだったし、同じくFor Tracy HydeやCHAI、(リストにはないが) リーガルリリーらの日本国外での活動とその受容にはとてもワクワクさせられるものがあった。
きっと今年も選ぶのに困るくらい、“良い” と “好き” と “驚き” に満ちた一年となるだろう。楽しみでしかない。
◾️2020年に向けて◾️
さて、ここまでは音楽の話をしたので次はOTOTOYの話を。OTOTOYの「今年の目標」はたくさんあります。配信ストアとしては、取り扱いレーベルを増やす、ロスレス配信のタイトルを増やす、OTOTOYならではのタイトルや特典を増やす。メディアとしては、よりエッジが立ち深みのある記事を増やす、シーンのカバレッジを広げる、音楽と音楽以外とのボーダーに着目する。そしてOTOTOYそのものは、よりユーザーひとりひとりの音楽生活に適応するサービスへと。“良く” なるよう、皆さんに “驚き” を与えられるサービスになれるよう、前進していきます。
そして個人的には、ファン目線を忘れぬ中の人であり続けたいと思う。
今年もよろしくお願いします。
(以下は惜しくも10タイトルに漏れたものたち)
- Spangle call Lilli line『Dreams Never End』
- SPOOL『SPOOL』
- THE NOVEMBERS『ANGELS』
- American Football『American Football (LP3)』
- Waater『Escapes』
- Fukai Nana「can i love you?」
- yonige “往生際”
- Cody・Lee(李)「シティボーイズ・オン・ザ・ラン」
- RIDE『This Is Not A Safe Place』
- The 1975 “People”
- おやすみホログラム『1』
- BiSH「KiND PEOPLE / リズム」
- I Saw You Yesterday『Calm Days』
- ラブリーサマーちゃん「LSC2000/サンタクロースにお願い」
- リーガルリリー「GOLD TRAIN」
(リリース日順)