2025/03/31 (月) @ 19:30
(OTOTOY編集後記からの転載です)
Beachside talksの本年傑作アルバム『Hokorobi』のリリース・パーティー (これが第一弾であることがこの日のMCで明らかに)〈Total Feedback〉編。J-シューゲイズ/ドリームポップに収まりきらずはみ出した部分が魅力の、そのはみ出し方の多様さが魅力の、このアルバム。はみ出した結果としてのポピュラリティへの接続のしかたが絶妙で、ハイ・クオリティ。それがはっきりと分かるライヴでした。アンコールの “mizuiro” 〜 “Big Sky” の充足感たるや。ライヴの良さ、フロアの好反応、そして彼女達の行動力、期待しかないです。7月24日のリリパ第二弾は対バンがHammer Head Shark (金曜日のライヴまじヤバかった) とcephalo。凄い日になるのは確定です。
・・・
今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈厭きるほど人がいる、でも “誰” もいない。立錐の余地もない、でも隙間だらけ。あの光景や感情がこんな鮮やかに音楽になるなんて。驚き〉、saccharinの “群衆フライデー”、S.A.R.の “Back to Wild”、Jurassic Boysの “KOOL KID KIETH” の3曲です。
テレビ大陸音頭の “夜について” は絶対に入れたかったのですが、OTOTOYで配信がなく断念 (にしてもスゴいなこれ)。
・・・
OTOTOYの公式プレイリストに自分が推薦した曲だけを載せた個人プレイリスト、「OTOTOY NEW RECOMMEND-ed by me」も公開中!
2025/03/27 (木) @ 18:20
(OTOTOY Weeklyの新譜紹介から2025年1・2・3月分を順次転載)
・・・
Jan flu「Do you know? (feat. Looisbos)」
Looisbos「Science Children (feat. Jan flu)」
4人組インディポップ・プロジェクト、Jan fluと、男女ヴォーカルのLo-fiインディポップ・バンド、Looisbosが、コラボ・シングルを2作同時リリース。それぞれのフィールドと、コラボならではのはみ出したフォルムの融合がどちらも心地よい。MVも2本公開。そして来週末には2組の共同企画ライヴも。
・・・
柴田聡子「Passing」
思えば昨年の序盤は柴田聡子に驚かされて始まったんだった。そんな記憶を呼び起こさせる柴田聡子の配信単曲リリース。曲が始まると途端に空気の濃淡が変わる。既視と未知が綯い交ぜとなった揺らぎに支配される。今年はどんなモードで驚かせてくれるのだろう。
・・・
Wang Dang Doodle feat. Cwondo「Wonderland」
ハイパーソウルフルガールズユニットWang Dang Doodleのニュー・シングルにCwondoがトラックメイク、アレンジで参加。CwondoのスマートでオルタナティヴなトラックとWang Dangのエナジーとグルーヴが聴き手の身体を揺らし魅了する。
・・・
エイプリルブルー『yura』
元For Tracy Hydeの管梓を中心に東京のインディー・シーンで活躍するメンバーが集まり結成されたエイプリルブルーの、5年ぶりとなる2ndアルバム。“インディ・ロック” でありかつ “J-POP” であることへのひとつの回答。そこにあるのは (メジャー) シーンへの擦り寄りなどではなく、彼らのアイデンティティへの誇りと自負だろう。心と身体が揺さぶられる。
・・・
Hoach5000『Orbit』
Hoach5000がソロ・プロジェクト活動4年を経てついに初のフル・アルバムをリリース。本作はBearwearのKou Ishimaruをプロデューサーに迎え、これまでのオルタナ、J-POP、ギター・サウンドへの耽美、ベッドルームといったテイストにエレクトロ要素が加わり、そして確実に “開かれた”。内省的でありながらオープンで自由、そこに音楽だけに留まらない20年代の希望を感じる。
・・・
ときめきポメラニアン『ドッグランを抜けだして』
京都音楽シーンに突如として現れたときめきロック・バンド、ときめきポメラニアンが放つ1st EP。「ときポメ」の勢いとアイデアを存分に盛り込んだ本作。初配信曲 “カポタスト” は新ミックスで収録。ファンシーでメルヘンチックな世界観にときめいてほしい。
・・・
水平線『Howling』
京都発、4人組、ダブルボーカル。いわゆる日本語ロックの継承とトラッドなフォークポップスを融合させつつ、聴いていてふと記憶を辿りたくなるような温かみ、懐かしさが詰まったEP。
・・・
君島大空『音のする部屋』
本人みずから「EP芸人」と語る君島4枚目のEP。音楽をたらふく喰らい咀嚼し、それまでなかった音楽美を更新生成するさまに圧倒される。余裕綽々の疾走感と客観的冷静さ、ポップさが鳴り響くT1〜T4を経て、ストレートなようでいて何かがおかしいソウル・バラードのT5。そして名曲っぷりを隠そうともしない、合奏形態メンバーによる制作のT6で締めくくられる。君島曰く「今年の合奏形態の活動はすごい」らしい。期待に胸弾む。
・・・
chilldspot『chilldspot 4th one man live tour “crowd surf” in Zepp Shinjuku (TOKYO)』
昨年秋ツアーの国内ファイナル、Zepp Shinjuku公演の全演奏曲を収録したライヴアルバム。上手いだとか表現力だとかいう言葉を超えつつある比喩根の圧倒的なヴォーカル、ますます凄みを増していくバンド・アンサンブル。その生々しさを堪能してほしい。
・・・
Beachside talks『Hokorobi』
Beachside talks、初のフル・アルバム。メンバー全員が作曲に関わり、制作期間は約2年。今作は親友を亡くし心の傷を負った青年がイマジナリー・フレンドを通じて成長していく様子を描いたコンセプト・アルバムとなっており、諦念、喪失、感情の吐露によって溢れ出したカタルシスを、シューゲイズ/ドリームポップにとどまらず、R&B、UKガラージ、グランジ、ポストパンクなど多様なジャンルを織り交ぜて表現している。録音、ミックス、マスタリングはKensei Ogata、ジャケットは幌田による書き下ろしイラスト。
・・・
Sundae May Club『風がはやい』
長崎発3人組バンドの2ndミニアルバム。ちょうど3年前に初めてSundae May Clubをみたときの感想が、「数年ぶりに『見たことがないド真ん中の直球剛速球』を投げるバンドに出会った」だった。“しとろんの週末” がそうであるように、それはいまでも変わらず。そして今作は「こんな球も投げられるの?!、しかも圧倒的にサンデメらしく」でもある。無敵じゃん。
2025/03/24 (月) @ 18:30
(OTOTOY編集後記からの転載です)
充実の木金土日。私立恵比寿中学 15th Anniversary 大学芸会2025 @ SSA。抜群の強度、クオリティ、真っ当さ、集中力、ドラマ。“靴紐とファンファーレ” から始まり “感情電車” の小林歌穂センターステージまでのパートのエモさたるや……そこからの “TWINKLE WINK” の良曲っぷりにも驚かされました。これほど2021年メンバー増加以降の曲が少ないセトリだとは想像しませんでしたが、ひとつの節目だと思えば納得かもしれません。
エイプリルブルー 初ワンマン @ MARZ。インディー・ロックの精神そのものであり、また、J-POPでありJ-POPでない。面白いなあ。
Hoach5000 リリパ @ LIVE HAUS。客が日本人のほうが少ない勢いで驚愕しました。あのアルバムのリリパをどうするのだろう思いながら臨んだら、トラック一切使わずのバンド仕様、だが湧き上がるグルーヴ。ほんと好きです。
超右腕 @ red cloth。想像に違わず、いや予想を上回り、無茶苦茶良い。ギター氏の音色とフレーズ作りが好き過ぎるし、ボーカルはバンドの “らしさ” の要となっていて実に良い。まじで無茶苦茶良いです。最高。6月にBASEMENTBARとのこと、みなさまぜひ。
Foxing、来日ツアーファイナル @ KATA。静と爆発の間にバンドに織り込まれてきたさまざまなものが発露する。が、そんな諸々の感情もすっ飛ぶライヴ巧者。デカい会場で観たくなるやつでした。充実。
・・・
今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈J-シューゲイズ/ドリームポップに収まりきらずはみ出した部分が、そのはみ出し方の多様さが魅力の、彼らの1stフルアルバムから〉、Beachside talksの “sign”、0番線と夜明け前の “閃光”、Hazeの “ラブ&ポップ” の3曲です。
・・・
OTOTOYの公式プレイリストに自分が推薦した曲だけを載せた個人プレイリスト、「OTOTOY NEW RECOMMEND-ed by me」も公開中!
2025/03/17 (月) @ 19:00
(OTOTOY編集後記からの転載です)
ときめきポメラニアン @青山 月見ル君想フ。東京初ライヴだったらしい。ファンシーでゆるふわ?みたいな先入観に惑わされてはいけない。芯がしっかりとあって紛れもなくロック。一貫した「ときポメらしさ」がちゃんとあるのはバンドが生まれ育った環境がゆえだろうか。また観たいです。
4s4ki @Zepp Shinjuku。ステージ後方にオペレーター (DJ&VJ?) を従えて単身歌う前半と、これまでのコラボ・アーティストが次々と登場する後半と。後半において「王として君臨」する表現も成立しただろうが、それは選ばずに同じ視点に立つ選択を。そのため前半も下界に降りてきた天使のよう。かつての畏れある圧倒的な存在感のモードも今回の親しみのモードも、どちらも魅力的で音楽的でした。
・・・
今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈尾道発革命的才能保有集団、おそロシア革命、ついに1stアルバムをリリース!〉、おそロシア革命の “GALS DON’T CRY”、Aaanna Japanese Special, P.Necobayashiの “TIRED”、Meg Bonusの “春になれ” の3曲です。
・・・
OTOTOYの公式プレイリストに自分が推薦した曲だけを載せた個人プレイリスト、「OTOTOY NEW RECOMMEND-ed by me」も公開中!
2025/03/10 (月) @ 18:40
(OTOTOY編集後記からの転載です)
デビューライヴからちょうど1年のこの日、ponderosa may bloomの現体制ラストライヴでした。箱は一周年で抑えてたんだろうと思うと切ない。この日もとても良いライヴでした。とても良いグループです。1st EPリリパの感想として書いた「ライヴでの “遊色効果” 大サビ・落ちサビの御妃桜夕→桜庭莉々華のリレーは2024年の東京で聴くべきもの十指に入るのでは、とさえ思う」は今でも変わりありません。グループは夏頃にまた……とのこと。ポメの名曲達が歌い継がれることを、そしてグループを去ったメンバーたちの歌声がなんらかのかたちで聴けることを願います。1年前のデビューライヴのレポートを改めて。
【ライヴレポート】ponderosa may bloom、あざやかなデビュー・ライヴ──「僕らを繋ぐ歌があるから」 – ニュース – OTOTOY
・・・
今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈君島4枚目のEPから、ストレートであるようでいて何かがおかしい美しきソウル・バラード〉、君島大空の “迎”、ayutthayaの “まばたき”、MANGA HOUSEの “ファンクラブ” の3曲です。
・・・
OTOTOYの公式プレイリストに自分が推薦した曲だけを載せた個人プレイリスト、「OTOTOY NEW RECOMMEND-ed by me」も公開中!
2025/03/03 (月) @ 18:30
(OTOTOY編集後記からの転載です)
俺小学生時代の給食に「ボルシチ (風)」や「ピロシキ (風)」がなぜかよく出てました。当時、ロシア料理はそこまで一般的なものではなかったと思います。レストランとして〈渋谷ロゴスキー〉みたいな存在はあったけど、それ以外に多くあるわけでもなく。ましてや家庭で作る「洋食 (の一種)」として普及していたわけでもなく。どうして?…、という話を世代が近いひとにしても、「そうそう、ボルシチやピロシキ、よく給食に出たよね」という反応があるわけでもありません。やはりあれは、私が住んでいた自治体 (給食センター方式でした) に、たまたまロシア料理、ソ連 (当時) に親しみを持つ栄養士・調理師がいたからなのでしょうか。謎です。
“(風)” じゃないやつを久しぶりに食べてみたいな……と思っても、渋谷からロゴスキーがなくなって10年が経とうとしています (再開発め)。でもいま行くと、ロシア料理、ウクライナ料理、ベラルーシ料理、ジョージア料理、……、とは、などと複雑な気持ちに苛まれるのでしょうか。美味しいご飯を美味しく楽しく食べたい。
・・・
今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈原曲があまりに凄いのだが、そこに敢然と自身を投影していくリーガルリリー、強い。ドラムはex.赤い公園の歌川菜穂〉、リーガルリリーの “サラバ青春”、nonayu, usabeniの “点滅ばいばい (Cover)”、エスキベルの “feelgrey (feat. 毛利安寿)” の3曲です。
・・・
OTOTOYの公式プレイリストに自分が推薦した曲だけを載せた個人プレイリスト、「OTOTOY NEW RECOMMEND-ed by me」も公開中!