GREEの田中さんのメッセージが話題になっている.新聞読めないんだけど,これと同じだというので読んでみた.
いきなり冒頭の,90年代が「…… どうせ何も変わらないから、頑張るだけ馬鹿らしい。悲観的なシニカルであることが賢いことで、建設的で前向きであることが愚かであるような、…… そんな雰囲気に包まれていたように思えたからです」という部分に“違和感”を覚えた.いや,90年代はそんな時代じゃなかったぞ,少なくとも俺の90年代は,と.
だがその先のシリコンバレーの話を読み進めていくうちに,自分の気持ちが理解できた.そうか,自分は90年代を通じてずっと,ネットとインターネットとウェブの真っ只中にいたから,そんな風には全く思わなかったんだ,そんなシニカルに考えている暇なんかない面白かったんだ,と.
という訳で,根本的な受け止め方としては,私と田中さんとで,あまり変わりはしないのかもしれない.ひとつだけ違うといえるのは,そんな輝きや価値観や生き方があったのは,決してシリコンバレーだけではないということ.社会やコミュニティの理解という意味では確かに劣っていたかもしれないけど,それは世界中にあったはずだ.たとえば,ジュネーブにも,イリノイにも,そして日本にも.
田中さんが結局日本から飛び出さずに,日本に居ながらにして,いま持っているものを持ち得たというのが,あそこで日本が大きく変わったことの証拠だと思う.シリコンバレーに行く必要がなくなっちゃったんだよね,実際に.