Googleの“20-percent-time”の話をしていると,必ず,「いや,昔から『アンダー・ザ・テーブル研究』というのがあってね…」と言い出す人がいる(概ね年寄り).
だが,技術だけではなく,組織運営やマネージメント手法だって10年20年経てば当然進化する.一方で企業コンプライアンス強化における種々の制約は,一昔二昔前とは比べものにならないくらい大きくなっている.今現在の“20-percent-time”制度あるいはそれを上回るものの議論をしているときに「机の下」を持ち出して口を挟む人は,これからの技術を語っているときに10年20年前の固有名詞を出してアレコレ言ってくる人とまったく同じだ.歴史と蓄積を学んだ上で,現在とそこから生まれる未来を考えるべきだろう.
かの「机の下」時代は,自ら何かやりたいと思った人は,上司を説得する,こっそりやる,上司と喧嘩する(でもやる),就業時間後にやるから良いだろうということで合意する(夜中にやるとかね.今はもう出来ないだろうな.嗚呼コンプライアンス無情)…等々,皆,さまざまな工夫とともにその実装を試みていた.しかし今はもう21世紀,そこら辺の“アーキテクチャ・デザイン”も現代化しましょうよ,という意見が社内(特に若者)から出てくるのは至極もっともな話であり,それを「俺は昔はこうやった」で引き取るのは最悪の対応である.
(以前某所に書いた文を修正再利用)