数字と感情で人は動きます。
理屈では人は動きませんし、動かせません。

年収200万円以下の私が思う事 – ラグランジュ・エイト

これって微妙にずれた捉え方をしてる人がいるような気がするけど,言ってることは,

人はインセンティブと性格の奴隷である (p.1)

会社は頭から腐る (冨山和彦)

と同じことを別の角度から見たものですよね,たぶん.

話は変わりますが,私の住んでいるところは,数年前に家庭ゴミが有料化されました.そのとき,いわゆる地域系BBSを読んでいて思ったのは,やっぱ,人間,金だな,ということです.

BBSに出てくる人が,「一袋○円でこんだけしか入らない.ゴミを分別しないといけない.たいへんだ.めんどくさい」とか何とか文句を言ってる訳ですよ.つまり,それまでは資源ゴミも何も関係なく可燃と不燃だけで(たぶんそれもいい加減 :)捨ててたような連中が,自分の財布に手が掛かっただけでゴミの分別をするようになる(それも1回あたりで言えば数円とか十数円の金で).私は自治体の関係者でも何でもないですが,「有料化して良かった」と,BBSを読んでいて心からそう思いました(笑).

ひとりの人間も、集団としての組織も、インセンティブと性格の奴隷である (p.22)

(同上)

ですよ.いやほんとに.

以下,ついでなので,もう少し引用.この本,第1章はたいへん読ませるのではないでしょうか.:-)

ほとんどの人間は土壇場では、各人自身の動機づけの構造と性格に正直にしか行動できないという現実であった。そこには善も悪もなく、言い換えればインセンティブと性格の奴隷となる「弱さ」にこそ人間性の本質がある。(p.5)

インセンティブとは、働く上で何を大切に思うのか、人それぞれの動機づけされる要因である。… このインセンティブは、人によって違う。また、同じ人でも人生のステージによって変わっていくものである。ここには、能力の優劣はまったく関係ない。(p.26)

そもそも、経営が送り出すメッセージに対して、ただちに心から反応し、動機づけられて行動する人間は多くない。経営者がそのメッセージをどこまで本気で送っているのか、… まずは値踏みモードに入るものである。こんなとき、人々は経営者の本音が最も出る部分、すなわち人事、それも制度ではなく固有名詞の人事を見ている。(pp.31-32)

一人ひとりの動機づけ,すなわち自己益というもの。企業組織として動機づけられている方向性である組織益。最後に社会全体の有する動機づけ、すなわち社会益。これら三つが根本的なところでシンクロしているのか。私たちは常に自問自答し、それらをいかに同期させるべきかを追求し続けなければならない。(p.32)

(同上)

なんか,民主党政権とか,官僚とか,予算とかのネタ書くときにも十分使えますね,この引用.:-)