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立体感

(OTOTOY編集後記からの転載です)

何がショボいとかそういう話は放っておくとして、すこし前から感じてたのは、ステレオじゃなくてもよくなっているんだな、ってことでした。今どきのサウンドは音域と時間軸において整理され尽くしているので、モノラル・スピーカーで聴いてもじゅうぶんに“空間”が感じ取れる仕組みになっています。モノラルでも得られる立体感、その上でステレオであればそこに新たな発見や魅力がプラスで積み重なる、という構造。音楽を聴く場所、“スイートスポット”の束縛からの開放です。Sonosなどの、単体はモノラル、ステレオにしたければ2個買ってね、みたいなスピーカーの売り方はそれと軌を一にしているのでしょう。そしてもうひとつのルートは、モノラルから直接“空間オーディオ”に進むパターンでしょうか。ということで先週のリリースで特に印象的だったのが、RYUTistの「水硝子」でした。オリジナルの君島大空編曲にもカップリングのウ山あまねremixにも、そこに「整理」と「情報過多 (引き算の美学的なものへのアンチテーゼでもある)」との良いせめぎあいがみられます。今週のプレイリストにあります。オススメです。(お気に召しましたらぜひハイレゾでも)

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈現在16才、マルチ・プレイヤー、インディー・ポップ・アーティスト、Kali Flanagan。ついにデビューEPをリリース!〉、KALIの “Too Tired”、他、Cucoの “Forevermore”、tricotの “暴露”、Subway Daydreamの “Ballad” の4曲です。

そして先週の推薦曲は、BROTHER SUN SISTER MOONの “Heartbreak”、Ben Wattの “That’s The Way Love Is”、さとうもかの “Love Buds”、PUFFYの “Pathfinder” の4曲でした。

Secret Sky.

(OTOTOY編集後記からの転載です)

日本時間では日曜日の明け方からお昼まで開催されたPorter Robinson主催のバーチャル・オンライン・フェス、Secret Sky. 参加しましたか? すごかったですね。Secret Sky.は昨年の5月に次いで二度目の開催。昨年は“線”だった参加者たちが、今年はアバターを得ました。草原を駆け抜ける爽快感。そこにある音楽。これが2020年と2021年、この1年間の意味なんだな、と思いました。参加者間でボイス・チャットもできたのですが、あとは自分の視界にいる、横にいる、ふと振り返ったら後ろにいる他の参加者たちのノリや気持ちが共有できれば、どんなに素晴らしかったろうと。それこそはこれからの課題なのでしょう。かつてのライヴやフェスを取り戻すことももちろん必要ですが、それを求めてばかりいることのやりきれなさの上に建てるべきものがSecret Sky.にありました。「どちらか」ではなく「どちらも」手に入れましょう。欲張り上等で。

(2021.07.27追記)
Active Theoryからレポート出てた。
After a long anticipated build up… | by Active Theory | Active Theory Case Studies | Jul, 2021 | Medium

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈ゆるやかなリズムとメロディの中に少しの不安とその先の光明が垣間見える。アルバムが楽しみ!〉、Bachelor, Jay Som, Palehoundの “Sick of Spiraling”、他、Looisbosの “Virgin Hair feat. さとうもか”、眉村ちあきの “Call your name” の3曲です。

ウ山あまねとバンドになったcolormalをみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

ウ山あまね、2回目。あらためて、とても良いです。自分の音楽があることと世界を肯定していることが両立しているさまが本当に素敵。それは今の私にとっては「あこがれる」さまでもある。見習いたいです。そしてソロ・プロジェクトからバンドになって、はじめてみるcolormal。バンドってバンドになるとバンドになるんですね。不思議。塊感・質量感をも備えたcolormal。今後が楽しみでしかありません。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈ライヴで数多の観客の心を惹きつけてきた“向こう髪”を含む3rd EP『袖の汀』、ついに今週リリース!〉、君島大空の “向こう髪”、他、冬にわかれての “彷徨い”、眉村ちあきの “この朝を生きている”、carolesdaughterの “Trailer Trash” の4曲です。

1年

(OTOTOY編集後記からの転載です)

この編集後記コーナー〈先週のオトトイ〉がはじまったのが昨年の3月、そして5回目の編集後記で書いたように、音源配信でライヴハウスを支援するプロジェクト『Save Our Place』を開始したのが昨年4月6日でした。この先どうなるか見通せないなか我々ができることを我々なりに考えて組み立てたプロジェクト。いまから振り返ると一ヶ月もない準備期間で企画・アーティストの皆さまへのお声掛け・システム開発・運用等々含めてスタートできたのは、自分ごとながら良いスピード感だったのではないかと思います。楽曲を配信していただいたアーティストの皆さま、そして実際に(投げ銭もふくめて)楽曲を購入していただいた音楽ファンの皆さまのご厚意により、最終的には総額で500万円を超える金額をライヴハウス・イベントスペース等にお送りすることができました。ありがとうございます。1年が経ち未だ楽観のみに包まれているという状況にはまったくありませんが、道筋はなんとなく見えてきたのかな、という気もします。ここからの過程もスピード感をもって音楽とともに進んでいきたいOTOTOYです。これからもよろしくお願いいたします。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈疾走感のなかにも暖かな陽射しを感じる、小樽発・plumsの新境地〉、plumsの “ナンバー”、他、renforshortの “exception”、Barbaraの “Any Way At All” の3曲です。

そして先週の推薦曲も。4月5日の推薦曲は、〈米ミシガン州のベッドルーム・ポップSSW & YouTuber。5月にアルバム・リリースが決定!〉、chloe moriondoの “I Eat Boys”、Lil Soft Tennisの “Lucid Dreams” の2曲でした。

手癖からの脱却

(OTOTOY編集後記からの転載です)

普段から料理をしていると通常つくるものはだいたい「手癖」で作れるようになります。「手癖」の良し悪しは、とある世界でもよく言われること(笑)。まったくそのとおりですね。そしてそんな自分から一歩踏み出すのに有効なのは、他者との交わり、とも言われます。というわけで最近音楽関係に次いでよく観ているのは料理動画・レシピ動画。昨年のステイ・ホーム期からますますバラエティがひろがり、いまや正統を学ぶもよし、他人の手癖や邪道を参考にするもよし。その結果のチャレンジは失敗したり成功したり。おもしろい。そんなこんなで音楽とあわせて日々楽しく観ているのですが、でも、ふと、あのインド屋台動画の新作がみられる日はいつやってくるんだろうと思い、切なくなったりもする。いろんな感情の源がそこにあります。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈昨年末の配信ライヴでも披露された新曲をギターによる弾き語りヴァージョンで。柔らかな光と陽炎が浮かぶ〉、他、君島大空の “光暈(halo)”、他、クレナズムの “酔生夢死”、yamaの “一寸の赤” の3曲です。

「一寸の赤」は、狙いが定まりすぎていて口惜しいくらい(笑)。いやほんとに良い曲です。

そして、3月はOTOTOY編集後記を3週分飛ばしてしまったので、その間の推薦曲を以下に。

3月8日の推薦曲は、〈ソウル・ミュージックの歴史への敬意。そこに積み重ねられる新しさ〉、Bruno Mars, Anderson .Paak, Silk Sonicの “Leave The Door Open”、他、Bachelor, Jay Som, Palehoundの “Anything at All”、RAMMELLSの “my fire” の3曲でした。

3月16日の推薦曲は、〈世界と向き合う意思と、そこになお立ち上がる個の力。脱帽です。〉、宇多田ヒカルの “One Last Kiss”、他、Charlie Houstonの “Things”、Have a Nice Day!の “ノスタルジア” の3曲でした。

3月23日の推薦曲は、〈未来からの肯定を軽やかなサウンドにのせて〉、Unknöwn Kunの “Bubblegum”、他、the McFaddinの “SPIRITED AWAY”、tiger baeの “Where is the night flame” の3曲でした。

大塚で稲見繭、ながいひゆ、有明の歌を聴いた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

afloat storageの稲見繭とHammer Head Sharkのながいひゆが新たにはじめた企画〈YOUYOUYOU〉、第1回ゲストはレイラの有明。ステージ上に3人が並んで座り、ひとりずつ順に弾き語りで歌っていくスタイル。3人ともバンドのフロントパーソンでギター・ヴォーカルで女性。単に属性でいえば “似たような” 3人。でも実際に彼女たちの歌を聴くと、それぞれの個性が際立ち、歌い進むにつれ異なる3つのベクトルで空間が大きくかたちづくられていく、そんな素晴らしいステージでした。最後に演奏されたのは稲見繭が歌う“バイバイ”。そこにながいひゆと有明がコーラスをつける。贅沢な瞬間ってこれだなと思いました。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈いろいろ食べたい、大切なものだけ食べたい。〉、Special Favorite Musicの “Gourmet”、他、Baby Queenの “These Drugs”、眞白桃々の “おねがいシーケンサー” の3曲です。

新しい日本武道館でBABYMETALをみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

新装なった日本武道館にはじめて行きました。印象は変わらないのだけど受ける感触全般がなんかさっぱりとしてる、みたいなリニューアルですね。ああ、変わらずに武道館だなあ、っていう。今回はスタンド席だったのですが、アリーナに入るあの裏口通路みたいなところは綺麗になったのでしょうか。さてBABYMETALです。制約というものはある種の人の心に火を点けます。与えられた制約のもとになにができるか、逆にここでなければできないことはなにか、だからこそやってやろう……そんな気持ちを注ぎ込んで作られた、感染拡大防止ガイドライン下でのステージ構成だったと思います。武道館10公演で2回ごとに徐々にセットリストが変化していっているらしい。わたしが観た回はファースト・アルバム収録曲がワールドワイドなアーティストとなった今のBABYMETALの楽曲へと見事にアップデートされていて、10年におよぶ活動歴への自信を見せつけられた気がしました。3月4月に残り4公演。また観たいなこれは。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈心地よい浮遊感から密な音のベッドへと。ライヴで聴きたい1曲〉、I Saw You Yesterdayの “Always”、For Tracy Hydeの “Interdependence Day (Part I)” の2曲です。

表参道でSACOYANSとウ山あまねをみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

SACOYANS × ウ山あまね、というツーマンを表参道WALL&WALLでみました。昨年リリースのEP『Komonzo』が好印象だったウ山あまね。グローバルと同時進行のHyperpopをやりつつちゃんとJ-POPの子供であるという大好きなやつでした。また観たい。そして昨年12月以来2度めのSACOYANS。間違いない。カッコいいもん。機会があったら絶対観るべき。クラブ系のPAで聴くフルテンなバンド・アンサンブルと、そこに綺麗な輪郭を持って立ち上がるSACOYANのヴォーカル。貴重な機会でもあり、とても良かったです。やはり私は大阪に行くしかないのか……

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈4thアルバム今週水曜日リリース! このまま突っ走りたい〉、For Tracy Hydeの “Just Like Fireflies” 、他、illiomoteの “It’s gonna be you”、りりあ。の “素直になりたい子の話。”、Nana Yamatoの “If” の4曲です。

解決したい

(OTOTOY編集後記からの転載です)

「あのグループのあの子、どこかで見た気がする」を解決したい──〈IDOLS DIAGRAM〉。このウェブサイト、昨年からあったとのことですが、自分のタイムラインには先週突然あらわれるようになり、で実際に見てみるとこれがすごい。システムとしても上手くできているので、いったい誰がこんなものをと思い調査開始。みつけた作者のかたに直接コンタクトをとってOTOTOYのニュースにしました。作者の方からいただいたコメントの内容とウェブサービスのプロダクトとしての「顔」が一致していて、ソフトウェアってそういうものだよねとあらためて思う機会に。そうありたいです。この手のジャンルを扱うソフトウェアではいつも・・・・・・・・・の扱いを確認するのですが、・(てん)ちゃんたちがちゃんと・で、納得。ちなみにグラフの生成はGraphvizを使っているそうです。ですよね。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈人間に必要なのは散歩と音楽です。朝でも昼でも夜でも深夜でも。〉、Dortmund Moon Slidersの “Night Walk” 、他、cosmomuleの “発光”、peanut buttersの “夕焼けハローワーク” の3曲です。

in the right hands

(OTOTOY編集後記からの転載です)

NOT WONKのアルバム、Arlo Parksのアルバムと、自分内本年重要タイトルがリリースされた先週。どちらも期待通り、繰り返し聴いています。そして実はそこまで期待していなかったWeezerのアルバム『OK Human』がとてもよい。「コンピューターを捨て、アナログに戻り、オーケストラとともに制作した」作品。でも私はソフトウェア・エンジニアなので、その類のステートメントを手放しで肯定することはできません。テクノロジーとは補助器具であり、使う側の愛と志こそがその価値を決めると思っています。Weezerのこのアルバムにおける管と弦の使い方に込められたロックとポピュラー・ミュージックの歴史への深い愛、それは疑いようのないものです。そして可能であれば、皆がそんな愛や志とともにテクノロジーを手にとってほしい。大切な人とともにする食事を作ろうと包丁を手にしたときのように。そんなことを思いながらいつもコーディングをしています。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈2020年という「時間」から生まれた内省的ドリームポップ。〉、Madeline Kenneyの “Summer Quarter” 、他、kiwiの “A Little Wish”、NOT WONKの “200530” の3曲です。

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