とある会議で突然出てきて心を掴まれてしまった言葉.
言った本人は,意図して言ったのか,言い間違えただけなのか,はたまた私の聞き間違いだった(笑)のかは,今となっては分からない.
ちなみに,ここで言ってる「メディア」の定義は
medium — a means for distribution and presentation of information
に沿ったもの(”information”の部分を”技術”に入れ換える感じか).
これは,Steinmetz and Nahrstedt の “Multimedia: Computing, Communications, and Applications” の最初に出てくる奴で,この本自体は若干???だが,この表現は大好きで,見つけて以来,ずーっと使っている.
ググっても出てこないなぁ,この言葉.そもそも「技術のメディア」という言葉遣いが殆ど見られない.「メディア」の使い方が普通と違うからか.
人によっては,ソフトウェア(プログラム)ではなく,ハードウェアだったり,それこそプロダクト(製品)だったりするのだろうけど,自分的にはこれが一番.何てったってソフトウェアは,プロダクト(実行形式)とした場合と,ソースコードとした場合の二面性を持つ.そんな希有な性質を持つメディアが他にあるだろうか.
『ソフトウェアは技術のメディアだ』
追記:
よく考えると,書いてることがちょっとおかしい.
昔は,製品はすぐにバラバラに分解されて,あっという間に丸裸にされた.今,モノをバラしてもよく分からないのは,ソフトウェアが入っているからだ.しかも法でリバースエンジニアリング禁じたりしようとまでしやがる.
なんて最悪で最高のメディアなんだか!
楽譜とCDとか.
| 2007年4月13日 @ 10:32
ソフトウェアもそうだけど,
ツール tool や手段 means として発明されたものが,
上の意味でメディアになることがあると思うんですが,
どこからメディアになるんでしょうか?
> medium — a means for distribution and presentation of information
distribution というのは深いですね.
presentation が express とかになると,よりメディアっぽい?
> 何てったってソフトウェアは,プロダクト(実行形式)とした場合と,ソースコードとした場合の二面性を持つ.そんな希有な性質を持つメディアが他にあるだろうか.
人間に手続きと宣言という二面性を教えてくれたのはソフトウェアですかね.
| 2007年4月14日 @ 17:01
リバースエンジニアリングの話だと,「ソースコードは」というのと「ソフトウェアは」というのとでは意味が違うかもしれませんね.
メディアというなら「ソースコードは」じゃないとダメだ.
> 人間に手続きと宣言という二面性を教えてくれた
それはあたかもそういう記述が元々あって,(人間じゃなくて)ソフトウェアがそれを知っていたかのようだけど,本当は元々は何にもなくて,複雑なソフトウェアをどうにかしたいという要求から人間が発明したものなんじゃないでしょうか.
宣言的と手続き的というのがあるのは,メディアとしてすぐれた性質だと思います.新聞記事でときどき腹がたつのは,だまって元の表を載せてくれればいいのに,表と同じ面積を使って,表の文学的な解釈を載せるときですね.言葉よりもずっといろんな意味をもつのに,表を読むリテラシーが記者にも読者にもないから文章にして,しかも文学的に書いちゃったりする.
| 2007年4月14日 @ 21:58
> それはあたかもそういう記述が元々あって,(人間じゃなくて)ソフトウェアがそれを知っていたかのようだけど,本当は元々は何にもなくて,複雑なソフトウェアをどうにかしたいという要求から人間が発明したものなんじゃないでしょうか.
擬人化したのはレトリックでした.
まぁmixiなので許してください.
主語はもちろん人間です.
宣言的と手続き的の両面を持っている例は他にもあって,
微分方程式とスペクトル表示(フーリエ変換)とか,
“極限と距離”と開集合とか.
これは全部人間が発明(発見)したものですね.
でも宣言と手続きの対比をより意識したのは,ソフトウェアを対象とした時なんじゃないでしょうか.
| 2007年4月14日 @ 22:45
なんで,そのレトリックに突っかかったかというと,手続きと宣言は人間が発明したものだとすると,さらに別の表現軸というのも発明できるんじゃないか,と思ったからでした.宣言の方はこれしかないかもしれないですが,手続きに似たようなものは他にもあるような気がする.ないのかなぁ.
| 2007年4月14日 @ 23:04
> 手続きと宣言は人間が発明したものだとすると,さらに別の表現軸というのも発明できるんじゃないか,と思ったからでした.宣言の方はこれしかないかもしれないですが,手続きに似たようなものは他にもあるような気がする.ないのかなぁ.
僕は手続きと宣言に毒されているのであまり直感が
働かないけど,無いとは言えないです.
もしこれが発見できたら,どえりゃーことになると思いますが,
多分,そのようなものはすでにどこかに暗黙裏に発見されているのではないかと思います.
例えば,
微分方程式とスペクトル表示(フーリエ変換)と何か,
“極限と距離”と開集合と何か.
そして,ソフトウェアの手続きと宣言と何か.
だけどまだ誰も気づいていない.
| 2007年4月15日 @ 10:05