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1995年05月07日からの日記

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Google Buzz 雑感

Google Buzzを使ってみた感想なぞ.但し使ったのはPC版のみ.私のiPod touchからはBuzzれない.タブは表示されてるんだけど.OSが2.2なのが原因かしらん.なので位置情報に基づくサービスの部分については,以下,まったく触れていないし,使ったこともないという前提のもとで.

最初の感想としては,作った奴,真面目だなあ,というの.Twitter使っていて真面目な人間が我慢ならない部分が潰してある.私も真面目な人間だけに(笑),その気持ちはよーく分かる.

  • タイムライン的強制的時間の流れも,ラベル付けもグルーピングもリストも何もなく,ただ最新のコメントが付いたものが浮き上がるBuzzは,スレッドフロート型掲示板そのもの.
  • ただしその掲示板には板が1つしかない.しかも「板」として何が見えるかは人によって違う.一人として同じ板は共有していない.
  • Google Buzzにおいて「スレ」に相当するものは何と呼べばいいのか? それを”Buzz”と呼ぶような気もするがよくわからん.一部では「バズレ」と呼ばれている.便宜上,以下,「バズ板」「バズレ」「バズ」「コメント」と呼ぶ.
  • まず,バズレはバズをポストすることで作られる.バズレにはコメントがポストできる.(バズレ=1つのバズ(最初のポスト)+500個以下のコメント)
  • PC版Gmailの”Buzz”タブを押した際に表示されるものを「バズ板」としよう.バズ板に現れるのは,(1)自分が作成したバズレ,(2)フォローしている人が作成したバズレ,(3)過去に自分がコメントをポストとしたことがあるバズレ,のいずれかで,かつ,パブリックなもの,あるいは,プライベートだが自分が閲覧グループに含まれているもの.
  • 新しくコメントがポストされたバズレはバズ板の先頭に表示される.ただし自分自身がコメントをポストした場合は浮上しない.
  • 自分が作成したバズレにコメントがポストされた場合,および,自分がコメントをポストしたバズレに新たにコメントがポストされた場合は,前記のバズレ浮上とともに,GmailのInboxにも表示される.
  • バズレはGmail上ではメールメッセージとほぼ同等に扱われる.バズレにはシステムラベルである”buzz”が付けられるので,検索等で”label:buzz” や “is:buzz” が使える.
  • リンクや写真が貼れるのは,バズ,すなわち,バズレの最初のポストのみ.コメントにポストできるのは文字だけ.
  • バズやコメントでは文字修飾が可能.*ふともじ*,-delete-,_いたりっく_,*_-あわせわざ-_*,等(前後に半角スペースが必要).詳細は,http://morinoyume.com/diary/google-buzzで太文字でつぶやく。/ を参照.
  • バズ板が表示されている画面上部の”Search Buzz”検索窓は,パブリックなバズレを対象とした検索.ここから検索すれば,フォローしている/されている関係無しに,すべてのパブリックなバズレが検索できる.
  • 検索語が空欄のまま”Search Buzz”を押すと全てのパブリックなバズレ,つまり,Twitterの「パブリックタイムライン」に相当するものが表示される.但し表示順は,より新しいコメントがあるものが上,なので,Twitterで言うところの時間軸に沿って並べられたタイムラインではない.
  • “Search Buss”のadvanced searchは,現時点では,is:buzz,has:[link/video/image],author:,commenter:,がサポートされている.ヘルプとしては http://mail.google.com/support/bin/answer.py?hl=en&answer=173277 に記述がある.
  • プライベートなバズレ(自分が作成したもの,あるいは,他人が作成し自分が閲覧グループに含まれる物)を検索対象としたい場合は,GmailのInboxの方の検索窓(”Search Mail”)で検索する.バズレのみを対象としたい場合は,上述のように”is:buzz”を付ければよい.指定がない場合は,メールのメッセージとBuzzのバズレが横断的に検索される.
  • 疑問:Inboxの方でバズレをdeleteすると何が起きるのかが,イマイチよく分からない.
  • 自分のバズのフィードは,プロフィールのURLが http://www.google.com/profiles/123456789012345689012 だとすると http://buzz.googleapis.com/feeds/123456789012345689012/public/posted にある.含まれるのはパブリックなバズのみ.
  • GmailでBuzz画面に飛ぶキーボードショートカットは g-b.
  • Connected Sitesにデフォールト以外のサイトを追加したい場合は,Googleウェブマスターツールにそのサイトを登録すれば良い.
  • しかしGoogle Readerを連携させている人をフォローするのは,正直,かなりキツイ…

くらいが,現状の理解です.もちろん,間違いはあると思う.

という訳で以下,雑感.

  • 繰り返しだが,作った人,真面目なんだろうなあ.確かにその気持ちはよく分かる.ツイートがタイムラインの彼方に消えていくとか,会話のチェーンが分からないとか,耐えられないもの(笑).
  • トラブルチケットやリクエストトラッカー的なシステムとうまく連動させる仕組みを作ると便利かも.API公開されるので色々できそう.
  • 仕事,というか,共同作業にはかなり使えると思う.これがあるなら,メールなんてダルくて使ってらんないかも.でもそうして使うならばなおさら,コメントにもリンク付けられるようになってないと駄目なのではないか.
  • しかし,Google社内で使われているだろう仕事用の意思疎通・情報交換用システムとBuzzとの関係はどうなってるんだろうか.Buzzとは全く異なるものがあると考えるのが当然だが.
  • 実況向け,と言う人もいるが,1バズレ=500コメントまで,では実際には使えないと思う.
  • プライベートなバズを使ってGTDとか個人のタスク管理とか出来そうなんだけどな.
  • しかし,いかんせん,バズ/バズレを分類する手段が今のところない.ラベルもないし,フォルダーもない(フォルダーはある訳ないか :-).
  • そして決定的に疑問なのは,バズ(バズレの最初のポスト)とコメントという,2つの概念があることだ.なぜこの2つを別のものとする必要があったのか,その理由が分からない.TwitterにはTweetという1つの概念しかないし,2ちゃんねるだって1と2以降の投稿に本質的な違いがあるとは思えない.1つの概念ではいけない理由は何か?
  • 決定的疑問その2は,following/followersに何の意味があるの? ということ.結局,人をフォローすることの意味は,その人のバズ(=その人作成のバズレ)がバズ板に表示される,ということだけだ.バズレの中を見れば,following/followers関係なしに,誰かが書いたコメントが目に入る.そして一旦あるバズレにコメントをポストすれば,そのバズレの作者がfollowing/followersであるか否か関係なしにバズ板に表示されるようになる.Google Buzzのソーシャルグラフは何のためにあるものなのか?
  • バズ板として何が見えるかは人によって違う.一人として同じバズ板は共有していない.ここにはソーシャルグラフが効いている.しかし,バズレの中身は全てのユーザに同じものが見えている.ここではソーシャルグラフが全く意味を持っていない.

というところでしょうか.

激しく今後に期待しつつ,少し使ってみようかと思います.以上,雑感おわり,まる

Apple iPad

出ました.Apple iPad

公式ページの言葉が全てを物語っている.

The best way to experience the web, email, photos, and video. Hands down.

3Gモデルでも「電話」は出来ないしSMSも使えない,”Voice”アプリへの言及もない,カメラも付いてない.とりあえず今回は,そういう意味でのコミュニケーションデバイスにはしないという意志.思わず,”Apple TV Portable” という言葉が頭に浮かんだ.(masayangに褒められちった w)

発表の仕方ビデオを見ると分かるが,これは,カウチを豊かにするデバイスだ.もちろん1人で使うことが第一に想定されているが,肩を並べ寄り添って一つのiPadを見るという形でのコミュニケーションを喚起するデバイスでもある.2〜3人で,わいわい,あるいは,きゃっきゃうふふしながら見るには最適かも.iPadの左右の枠を2人で持つ姿が目に浮かばないか? タッチインタフェースにより「入力デバイスを持つ」必要がないので,複数人で一緒に操作できる.これはとても大きなアドバンテージだ.

個人的には,南国リゾートのデイベッドやガゼボが一番似合うような気がする.気がするというか,そうしたいです私,みたいな.だってこれ一つで旅行に本と音楽とビデオ,全部持っていけるんだぜ.素敵すぎる.

iPadを,自宅カウチの快適さ,すなわち,「好きな音楽,好きなビデオ,好きな本や雑誌,好きなデジタル/ネットコンテンツがある時間」を持ち運ぶ,という提案だと解釈するならば,やっぱ Apple TV Portable じゃん,それって.w

P.S.
そしてあのサクサクを可能にしたのがApple初(?)のSystem-on-a-chipだという凄さ.(Apple A4)

P.P.S.
そして謎のmicro-SIM(とunlocked)関連の話題の今後の盛り上がりに期待大,みたいな.(どーなるんだろう…)

関連記事: Intermittent Diary — Apple i… What?

10年代スタート

あけましておめでとうございます.ことしもよろしくおねがいします.

だと句点を入れても32文字.twitterでOKだな.

えー,昨年2009年の個人ニュースは… ブログ始めましたw

じゃなくて真面目に言うと,一応少し自らを悔い改めまして,ネット的なものWeb的なものに対して「どうせ本質は進化してないし」とか言って斜に構えるのをやめて,素直に向き合うことにしました.結果,blogTwitterTumblrを真面目に使うようにしました.いまだに,諸々の中途半端さというか,未完成さというか,道半ばさが,かなり歯痒く感じますが.

あとは,いろんなデータというかリソースが「あちら側」に行ってしまいました.何が行っちゃったかは,いろんな意味で言えませんw

にしても,「1つめの2000年代」が終わってしまいましたねえ.ちなみに,2つめの2000年代は2099年まで,3つめの2000年代は2999年までです.

2010年は,そして2010年代は,どうなりますやら.

P.S.
この投稿はアーカイブページの動作確認を兼ねております.… ちゃんと動いているようだ.

21世紀も9/100

ああ,もうすぐ21世紀も9%ほど終了しますよ.9/100ですよ.どうしますか,みなさん.ほんとに.

などと無駄なものを書いている場合ではありません.

21世紀といえば,未来,だったはずんなんですけどね.

私たちの年代が子供だったときに見せられた未来は,1にエアカー,2に壁掛けテレビ,までは固いところだと思いますが,3になると結構まちまち.チューブトレインだったり,ロボットだったり,腕時計型テレビ電話みたいなやつだったり,「出来上がって盛りつけされた料理が出てくる箱」だったり,宇宙ステーションだったり.

壁掛けテレビは,ほぼdone,でしょう.一方エアカーは来る気配がまったくありませんね.今やエアカーといえばタタ・モーターズですから.圧縮空気ですから.世も末だ(あ,末は通り過ぎたのかw).

そんなことを考えつつ,何かネタはないかと大掃除がてら見回していたら,絵本発見.「だるまちゃんとかみなりちゃん<こどものとも絵本> (加古里子作・絵)」.初版が1968年8月1日.

これに出てくる雷の国が,当時の未来イメージを更に一回脚色した感じで楽しいです.ことのほか電波が飛びまくっているのは,無線が未来だからか,それとも「雷ちゃん」だからか.でも,今見たら,電磁波身体に悪そう… としか思えないなw

表紙と中の数頁,張ってみます.興味がある方は本屋さんなり図書館でどうぞ.本を大切にする図書館ならきっとあるのではないかと.

だるまちゃんとかみなりちゃん(表紙)
— だるまちゃんとかみなりちゃん (加古里子作・絵)  表紙

だるまちゃんとかみなりちゃん(20-21)
— だるまちゃんとかみなりちゃん (加古里子作・絵) pp.20-21

だるまちゃんとかみなりちゃん(24-25)
— だるまちゃんとかみなりちゃん (加古里子作・絵) pp.24-25

上に書いた未来イメージと絵本に出てくるものを照らし合わせてみると,エアカー → 雲,壁掛けテレビ → 薄さが中途半端だなw,チューブトレイン → モノレール(プロペラ推力?),ロボット → 出てこない,電話 → 無線にはなってるようだ,料理が出てくる箱 → ベルトコンベアーの先には何があるんだ??,宇宙 → 出てこない,てな感じかな.

楽しいなあ.

未来を考えるのは,暗いことなんかじゃなくて,やっぱり楽しいことだよ.

ね!

P.S.
とりあえず今切実に欲しいのは,服をたたんでクローゼットに入れてくれる洗濯乾燥機と,食器を棚に並べてしまってくれる食器洗い乾燥機だな.あと,紙の本はそろそろマジでなんとかして欲しい.

eight-hundreds

今年の春くらいは “TATSURO FROM NIAGARA” ばっかり聞いてた.ツアーの影響もあったんだが,もう,とにかく良くて良くて.

とはいえ34年前の曲ばかり聞いているのも人としてどうかと思い悩んでいたいたところ, “eight-hundreds” が出て,ようやく救われた.これで2009年の音楽にハマれる(笑).

という訳で,今年一番聞いたアルバムは,MONGOL800 — “eight-hundreds”

モンパチ,なんかすごいアルバム作っちゃったな,というか,すごいところに来ちゃったな.こんな音作りでも,くるりがやるのとは意味が違うぞ,みたいな.

てなことを年末にでも書こうかなぁ,とか,ほのぼのネタのストックのひとつだと思っていたら,武道館のライブレポがこんなことに.

後半、最新アルバムから畳み掛けられた「神様」「blue blues」「not equal」「I’ll be」の流れには宗教的な凄みがあった。

モンパチ武道館 – ROCKIN’ON JAPAN 編集部日記 | ブログ | RO69(アールオーロック) – ロッキング・オンの音楽情報サイト

中でも、特に圧巻だったのは、後半、17曲目“神様”あたりから20曲目“I’ll be”までの、最新アルバムの4曲を並べたブロック。「ハネて踊れて歌えるモンパチじゃない部分の結晶」みたいな、簡単に言ってしまうと「じっくり聴かせる」ことに徹した時間。
尋常じゃない集中力で、音が奏でられ、歌が歌われる。1曲、2曲と聴いているうちに、気がついたら、別の世界に連れていかれていた。そんな感じだった。基本的に祝祭ムードだった武道館が、その時間だけは別の空気に包まれていた。おごそか。そう、あんまり、バンドのライブでそういうことを感じることは少ないけど、「おごそか」という言葉が一番近いかもしれない。

MONGOL800 @ 日本武道館 | 邦楽ライブレポート | RO69(アールオーロック) – ロッキング・オンの音楽情報サイト

くあー.これはやはりあらゆる手を尽くして行くべきだったのか.

今年一番の痛恨ネタになってしまったではないか.

なんということだ…

Apple i… What?

アップルはiPhoneを,その名前の通り,携帯電話として売った.

実際のiPhoneを見れば分かるように,それはどんなものとして売ってもよかったものだ.例えば,ハンドヘルドPC,PDA,Internet communicator,リッチなiPod,iPod for Video,携帯ゲーム機,Knowledge Navigator,…

しかしアップルはそれを電話として売ることにした(*).2007年のあの時点において,世界やアップル社自身の流れの中で,それが最も良いと判断したからだろう.そしてその判断は正解だったと認めざるを得ない.

電話でありながら「何にでも使える」のは,それがまさに優れた汎用のコンピュータ(優れたハードウェアと優れたソフトウェアの組み合わせ)であるからだが,そんなことは表立ってユーザに言う必要はない.

さて2010年.アップルは「タブレットPC」を出すらしい.彼らはそれを何だとして売るのだろうか.

タブレットPC? である訳がないだろう.

ブックリーダー(Reading device),というのが最も妥当な線だが,それでJobsが満足するのだろうか.

iPhoneでBlackBerryからハードウェアキーボードを取り去ったことと,アップル・ブックリーダー(iBook? :-)でKindleからキーボードを取り去ることが,あまりに相似し過ぎているのが逆に気掛かりだ.Reading contentsをiTunes Storeに組み込む準備は,もう整ったのだろうか.

2010年.いま我々が最も「明示的に不満だとは認識していない不満」を抱えていて,「明示的に自らは認識していない渇望」を抱いている領域はなんだろう.

素直な気持ちでそれを聞くのが楽しみだと言える.ちょっぴりの口惜しさとともに.

(*) Jobsのkeynote addressを正確に辿れば,”Widescreen iPod with touch controls” と “Revolutionary mobile phone” と “Breakthrough Internet communications device” の3-in-1だが.

参考:スティーブはタブレットがひどく気に入っている « maclalala2

関連記事: Intermittent Diary — Apple iPad

Newspaper in Education

前のポストにmixiの方でコメントがついて,そこに

コドモ(小3)の教育上そのうち一般紙も取らないとアレかと思って…

とかあったので続きます.

これはまさに思う壺,お客さんいらっしゃい状態.販売員の口から,「そうなんですよ.実は,学習指導要領が新しくなりまして,新聞が…」と続きます.:-)

あれは絶対,新聞本社レベルからの営業資料(拡販ツール)として伝えられてますね.このセールストークが頭に入っている販売員は,その家庭に(何歳くらいの)子供がいるかどうか探りに入るのかも.プレゼントで何を選ぶかとかで探られていませんか? >あなたw

で,販売店員が言っていったことが本当かどうか調べてみたわけですが,結果,一応,言ってることは間違いではないようだ.具体的な内容を新聞側からの勝利報告(笑)的に書くと,こんな感じです.

  • 小学5、6年の国語では「編集の仕方や記事の書き方に注意して新聞を読むこと」が明記された。
  • 中学3年の国語では「論説や報道に盛り込まれた情報を比較して読むこと」が明記された。
  • 高校では、公民の「情報を主体的に活用する学習」において、「新聞、読み物その他資料を収集、選択し、読み取り解釈」するなどの学習活動を取り入れること、情報の「情報メディアの種類と特性」について、「新聞・テレビなどの特徴や働きについて扱うこと」など、「新聞」が明記された。

国の正式な文書に特定の単語を入れることが,どれだけ大変でどれだけ意味があるかは何となく想像つくので,彼らが誇らしげに勝利を謳いたい気持ちはよく分かります.

ただ,指導要領本文を眺めてみた感じでは,新聞だけが特に指定明記されているわけではなく,放送(テレビ)や雑誌や統計・年鑑・白書やさらにはインターネットと併記されるかたちで挙げられているので,本当に新聞が使われるかは,学校や先生次第なんですかね.とはいえ,やっぱ新聞とか,積極的に選ばれちゃいそうだけどね.

新しい学習指導要領の完全実施は,小学校は2011年度,中学校は2012年度,高校は2013年度から.

ちなみに,今回案件のロビイングに尽力したと思しき方々はこちら.

まことにおつかれさまでございます.

インターネット側(なんてあるのか?)も,こういう努力が必要なんだろうなあ.その努力をしないのであれば,ゲリラ・革命・転覆路線しかない.どーしますかね,みなさん.(って,誰に問いかけてんだよw)

以下,参考リンク.

新聞戸別宅配

とうとう新聞の宅配を止めた.

ここ数年は実際には読んでいなかったのだけど,帰って新聞受(郵便受)を覗いても投げ込みのチラシしか入っていないのは,何か,もの悲しい.まあすぐに慣れるんだろうけど.

止めようとした際の配達員のおっちゃんの態度もあっさりしたもので,特に引き止めもなし.達観,というか.

と思ったら数日後,販売店のマネージャーだか同僚だか分からないけど,再セールスの電話あり.でも,セールストークの第二声が「嘘を言うこと(確度80%)」だったので,激しく萎えて相手にせず.

さらにしばらくしたら,販売店の経営者かそれにかなり近い人(たぶん上の電話と同一人物)が家まで営業に来た.直接話すと悪人ではないだろうことは判るのだが,それでもセールステクニックがいちいち姑息.最初にインターフォンを鳴らして名乗るときに店名(紙名)を言わず,新聞をとること自体を本当に止めたのかあるいは他紙をとっているのかを聞きだそうとする,に始まって諸々.止むに止まれぬ仕業なのか,それとも体に染みついてとれないのか.まあ暇なのでしばらく話をしてみると,とにかく壊滅的な状況のよう.購読を止める人たちの理由は,多かれ少なかれ,みな,「不景気で金がない」+「紙面が面白くない」+「そもそも購読してても読んでいない(いなかった)」のコンボ攻撃であり,これはもう駄目だろうな… というこちらの印象を強くしただけの営業タイムであった.

そういえば,いまのおっちゃんの前の配達員は明らかに新聞奨学生とおぼしき女の子だった.集金の際の格好も,販売店ジャンパーの下は決して小綺麗とは言えず… その子がいなくなる前の3月,一度だけスーツ姿で歩いているのを見かけた.今はどうしているのだろうか.

などという感傷的気分も含めて20世紀の遺物なんだな,きっと.

Amazon: 朝日新聞がなくなる日 —新聞・テレビ崩壊! (宮崎正弘)

Human Computationとインセンティブ設計

先日,Google 日本語入力のリリースに触発されて,Human Computationというエントリを書いた.といっても,このエントリは自分用のメモのようなもので中身は何もない.その後,第1回ウェブ学会シンポジウムetoさんの発表で集合知の話が出てきたりということもあり,せっかくの機会なので,ネタをひとつ投下します.

Human(-based) computationでも集合知でも何でも良いのだが(今回の話ではそこら辺の違いは余り重要ではない),ある作業を他の人々の行為へアウトソースする場合,そのインセンティブ設計は大きく二つに分類できる.適当に命名するならば,「価値観共有型」と「副作用利用型」だ.

例えば,WikipediaやPodcastleは前者に属し,reCAPTCHAGoogleサジェストGoogle日本語入力は後者に属する.

Wikipediaの場合,システム提供者の目標は,より良い百科事典をつくることであり,その編集に参加する人々のインセンティブは,より良い百科事典(の項目記述)をつくることや自分の知識による達成感・被承認感を得ることである.Podcastleの場合,システム提供者の目標は,より良い音声認識を実現することであり,そこに参加する(音声認識結果の誤りを訂正する)人々のインセンティブは,より良い書き起こし文が読めることや貢献感・達成感を得ることである.

これらのケースでは,システム提供者の目標と参加者のインセンティブは同じ方向を向いている.すなわち,提供者と参加者との間で価値観が共有されている.これは一見シンプルかつ望ましい設計であるように見えるが,一方で,意図的に価値観を相違することでシステムを妨害することが可能だという欠点を持つ.つまり,悪意を持った人が,わざと間違いを書いたり誤った訂正をして,WikipediaやPodcastleを破壊することができる.

他方,reCAPTCHAの場合,システム提供者の目標は文字認識の精度の向上であり,reCAPTCHA利用者のインセンティブは,ウェブサイトにおけるセキュリティの確保(正確にはSPAM BOT除け)である.Google日本語入力の場合,システム提供者の目標は,より良いIME実装のための辞書や言語モデルを獲得することであり,Google検索(サジェスト)の利用者のインセンティブは,より良い検索結果を得ることである.

これらのケースでは,システム提供者の目標と参加者のインセンティブとの間には何の関連もない.参加者が自らのインセンティブに基づいて何かをしたことの副作用として,システム提供者が求める利益が得られる構造になっている.そして,提供者と参加者との価値観の共有を必要としないことで,悪意のある参加者の参入を阻止することが可能となる.Google Books (reCAPTCHAはGoogleに買収されGoogle Booksの文字認識に利用されているらしい)を妨害しようとしてreCAPTCHAに誤った入力を与えたり,Google日本語入力を使えなくするためにGoogleで意味のない検索をしたりする,といった行為が有効かどうかは不明であり,そんなことをする気には余りならないだろう(悪意はもっと直接的に発揮された方がカタルシスを得やすい).

以上,Human Computationや集合知生成システムのインセンティブ設計には,「価値観共有型」と「副作用利用型」の二種類がある,というお話.

最後に,ここまでの議論をもう一度軸を変えて見てみると,以下の二つのことが言えるだろう.

Human Computationを実現したい,集合知を得るシステムを実装したいという場合は,参加者がシステム提供者と価値観を同じくすることを前提とするのではなく,参加者のインセンティブとシステム提供者の目的とが独立であり副作用としてそれが繋がるような設計が良いのではないか(←検証されている訳ではない.第一,Wikipediaは成功していることになっている!).但しそのような設計は,価値観共有型と較べて,非常に優れた工夫が必要となる.

一方,利用者(処理をアウトソースされる側)の人間から見ると,そのシステムの提供者(アウトソースする側)の目的を理解し共感しているタイプと,そのシステムの目的さえ知らずにしかし結果として協働しているタイプの,二種類のHuman Computation/集合知生成システムが存在する.どちらが利用者にとって望ましいかは,この場では不明である.

というのが本エントリの主張.嘘か本当かは,知りませんw

さて,ここら辺から辿って,年末にでも勉強しますかね…

集う2.0

衝動的にぐぐってみたら驚いたことに何も出てこないので,ここで権利確保(笑).

「集う2.0」

realityではなく.fidelityではなく.

一緒にいる,一緒になにかをしている.フィクション感とともに.

同室感.

距離を超えて,時間を超えて.
規模を超えて.long tailを超えて.weak tieを超えて.

ニコニコ動画.擬似同期.フィクション感.
twitter.非対称.一方的.選択的同期.フィクション感.
過去再生.疑似同期.フィクション感.

個人の空間(「スタジオ」).スケールする重ね合わせ.
スケールするアンビエンスと,深化するコンシャスネス,みたいな.

インタラクションが成立しない相手との協調・協働.
インタラクションが成立しない原因は,距離,時間,規模,非同期,一方的,異文化,…

対称性重要.
(対称性が非対称なものを許容する)

コミュニケーションのかたちが技術により変容する中,そこで,集い,協働するということはどういうことなのか.

インセンティブ設計重要.
(使ってもらう.“人”も使う,Human-based computation)

要素技術の探求(だけ)ではなく,それらの技術を適切に統合し人々に新たな経験を与えるアーキテクチュアルな思考.

「集う2.0」の,デザイン・実装・評価・理論

(随時更新中)

よし,これでいこう! … て,あの人達には通じないよな,どう考えても.ま,いいや.

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