2024年12月の記事一覧

ponderosa may bloomの1st EPリリパをみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

ponderosa may bloomのライヴを観るたびにこれは一体なんなんだ? と思う。単純に言えば、とても良い曲をプロフェッショナルなクオリティで歌い・魅せている“だけ”であり、それはアーティストとしては当たり前のことだ。当たり前を当たり前にやるのが稀なのもまた事実だが、やはりこのグループにはそれ以上の何かがある。ライヴでの “遊色効果” 大サビ・落ちサビの御妃桜夕→桜庭莉々華のリレーは2024年の東京で聴くべきもの十指に入るのでは、とさえ思う。もちろんそこ以外にも聴きどころがたくさん、ちょっと痺れるくらいに。当たり前以上の「何か」がなんなのか、わかってしまったら演るほうも観るほうも夢がなくなるのだろうな、と思いながら、自分は今年もいろんなライヴに行ったのだろう。2024年のライヴが納まったのか自分でもまだよく分かりません。この後記が今年最後なのかもわからずにこれを書いているのでとりあえず…… 今年もお世話になりました。よいお年を!

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈ほんとに曲がいい、歌がいい、ハイ・クオリティの新しい調和がありそうでなかったものを生む好例〉、ponderosa may bloomの “晴天シグナル”、Meg Bonusの “jet”、天童児 直の “Don’t look back Today” の3曲です。

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〈evala 現われる場 消滅する像〉にいった

(OTOTOY編集後記からの転載です)

14日からICCで始まったevala初の個展〈evala 現われる場 消滅する像〉へ。“visual arts” に対しての “sound arts”。であるが、空間的な表現であるが故だろうか、「耳で視ること」がひとつのテーマとなっている。だが、体験していてなにより感じさせられるのは「時間」でした。聴くことと時間との不可分さ。ヴィジュアル・アートには静も動もあるが、サウンド・アートに「静止音」というのはあるのだろうか? きっとあるにはあるのだろう (興味深い)。それにしても「音」というのは「画」よりも遥かに強く、聴く (視る) 側自身を問うてくる。何を感じる感じないはお前の中に何があるかないかだ、みたいな。こわい。少なからぬ人が感想として言っているが、体験の「喩え」でいうのであれば、温泉 (それがいろいろあるという意味ではスーパー銭湯か) が割と近いです。つまり「ヴィジュアル」のように、さっと観て帰る、というのができない。行かれるときは時間に余裕を。ぜひ。

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈口惜しいかな (いや別に他意があるわけではないです) 絶対的に良い歌メロというのはあるわけで。曲をモチーフにした映画が来年公開だそうです。これはその主題歌〉、asmiの “大きな玉ねぎの下で”、Trooper Saluteの “幽体離脱”、リーガルリリー, ミト (from クラムボン) の “キラキラの灰 (Twinkling Remix)” の3曲です。

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家主をCLUB CITTA’でみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

家主、ツアー・ファイナル、ソールドアウト公演。ゲストはthe pillows。超絶良かったです。12月にしてマイ今年ベスト級。ひょっとしてピロウズ・ファンのほうが多いのかな? と思っていたらそんなことはなく。若い客層の満員のフロアの盛り上がりも含めて、受け継がれるロックの希望と未来が確実にそこにありました。あと音がすごく良かった。PAはもちろんですが、おそらく機材側のセッティングも。体制・スタッフ陣が皆、素晴らしい。今のギターヒーローは田中ヤコブと田澤守 (ベランダ) だと確信した2024年12月第一週でした。

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈尽きせぬ展開、詰め込まれる多彩なヴォーカルの魅力、エレクトリック・ギターの美しさ、深く息を吐いてしまうエンディング〉、君島大空の “Lover”、The Otalsの “ウチは泣きそーです”、4s4kiの “極悪人” の3曲です。

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Ted Nelsonの講演会にいった

(OTOTOY編集後記からの転載です)

テッド・ネルソン、ミュージシャンではありません。社会学者、ヴィジョナリー、情報技術者。アーティストでもあると思います。「ハイパーテキスト」と「ハイパーメディア」の祖です。いまやスマホやタブレットやPCやサイネージの画面で文字を見るとき、必ず彼の思想の上にいると思って過言ではありません。もちろんそれはひとりの功績ではなく、ヴァネヴァー・ブッシュ「Memex」(1945)、ダグラス・エンゲルバート「NLS」(1968)、テッド・ネルソン、ティム・バーナーズ=リー「World Wide Web」(1990) といった連綿たる試みや、それに並走する、通信やインターネット、コンピュータやスマートフォンの進化によるのですが。ひとつ面白いのは、これらが結果的に、個人の強化 (Personal Augmentation) 、グループや組織の強化 (Group Augmentation) 、コミュニティや社会の強化 (Society Augmentation) を、共通の「道具」や「言語」のもとで行うのを可能にしたことです。むりやり音楽の話にすると、個人の創作、チームでの制作や活動、そしてそれらをコミュニティや社会で分かち合い・心を豊かにし・影響し合い・さらに新しいものを創っていく、そうしたことが地続きにできていることの不思議さ、でしょうか。別に誰かが設計し帝国を構築したわけでもないのに、改めて面白いな、と。Ted Nelsonの講演は1995年と96年にも聴いていて、28年ぶりでした。そういうライヴも最近多いですよね (笑)。

先週は、しろつめ備忘録のリリパとベランダのワンマン、どちらも最高でしたが今日はこの話題で。ごめんなさい。

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈ハシリコミーズ、新体制初の作品はシングル2枚同時リリース、良い意味でのとっ散らかりが魅力の彼ららしい2枚〉、ハシリコミーズの “自分の魅力に気づいてよ”、Hammer Head Sharkの “アトゥダラル僻地”、ponderosa may bloomの “遊色効果” の3曲です。

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