2024年10月の記事一覧

Hammer Head SharkのワンマンをKATAでみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

土曜日、恵比寿LIQUIDROOM 2階のKATAで行われたHammerのワンマン。入場口は隣のTime Out Cafe & Dinerで、そこがバー・カウンターと物販のスペースになっていました。いわゆる日本の「ライヴハウス」は世界的には独特な存在です。今回のTime Out Cafe & Dinerのように入ったところがカフェやバーのスペースで、その奥になんとなくライヴ・スペースがあるのが、ちょっと北米っぽいな、とか思ってしまいました (Time OutからKATAへはドアひとつ挟んでいるのでそこはだいぶ違うが)。そう、土曜日のHammerのワンマンは、今月上旬に〈Next Music from Tokyo vol 16〉出演で行ってきたカナダ・ツアーの、いわば「凱旋」イベントでした。「ただいま」と「おかえり」に充ちた愛ある空間で行われたパフォーマンスは申し分なし。ライヴ1曲目の開始10秒でその日が最高であることを確信し、ライヴが進むごとにその確信を上を行く、そんなライヴがごくまれにあります。この日のHammerはまさにそれでした。大切な日に最高のライヴをする。当たり前のようで当たり前じゃない。この土曜日に同日開催だった数多のイベントを (該当する方たちには本当に申し訳ない)、なんなら自社企画を (いいのか笑)、すっ飛ばして行って悔いのない夜でした。ありがとう。そんなHammerのインタヴュー、こちらもぜひご覧いただけると嬉しいです。

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈うるさくてうるさくない、歪んでいてクリア。アルバムは最高に決まってる。そんな先行配信曲〉、SACOYANSの “サモトラケのニケ”、ゆうらん船の “Carry Me To Heaven”、PAS TASTAの “My Mutant Ride (feat. 柴田聡子 & TAKU INOUE)” の3曲です。

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橋本絵莉子をO-EASTでみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

チャットとは確実に異なり、チャットとは確実に地続きで、正統なロックンロールで、常に何かが奇妙で、つまり橋本絵莉子以外の何者でもありませんでした。誕生日のツアー・ファイナルとなったのは偶然だそうです。箱が空いていたのがこの日だったと (おめでとうございます!)。ライヴを観るのは2022年以来、2022年のドラムは恒岡章でした。この日のドラムはチャットモンチー・乙女団でもあった北野愛子。メンバー紹介では2人とも紹介されました (涙)。セトリの真ん中あたりで何も言わずにチャットの曲 “どなる、でんわ、どしゃぶり” をやる、橋本絵莉子。2年前には、六本木は危険、特にここ (EX THEATER ROPPONGI) らへんは危ない、気をつけて早く帰ったほういいとMCで言い、今年は、渋谷は危険、特にここ (O-EAST) らへんは危ない、気をつけて早く帰ったほういいとMCで言う、橋本絵莉子。唯一無二。

ところで。“私はパイロット” の歌詞にも出てくる「かわいいおばあちゃん (おじいちゃん)」というフレーズ。これは誰が発明したのだろうか。類似の概念は数百年・千数百年前からありそうですが、日本語における「かわいい」のこういう使いかたはここ数十年のことのような気がします。私が最初に目にしたのは、たぶん岡崎京子だったと思います。どの作品だったかな、分からないや。

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈曲に込められたリスペクトと美しさが心を打つ。志磨遼平の自叙伝『ぼくだけはブルー』も必読です〉、ドレスコーズの “ハッピー・トゥゲザー”、 宇宙まおの “Picnic (with COL)”、Wang Dang Doodle & ようせいハム子の “とっととおウチにかえりなさい!” の3曲です。

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びっくり×3

(OTOTOY編集後記からの転載です)

例えばテック系ニュースの界隈には「驚き屋」と言われるひとびとがいます。新製品・新サービス・新技術が出るたびに「すごい!これは画期的!」と言い募ってはビューを稼ぐタイプのひとびと。音楽メディアも気をつけていないといつの間にか驚き屋さん化してしまったりするので、自省を忘れずにいたいです。とはいえ実際に驚くようなことも起こるわけで、先週は3つありました、音楽ネタじゃなくて。ジョン・ホップフィールドとジェフリー・ヒントンのノーベル物理学賞受賞、デミス・ハサビスとジョン・ジャンパーのノーベル化学賞受賞、SpaceXのスターシップ・スーパーヘビーの「chopsticks catch」です。どれも最初は「まじか…」くらいしか言葉が出ないやつ。その後あふれるように出てくる言葉は、ここはスペース違いなので別のところで。そして音楽の良い知らせはぜひここ〈先週のオトトイ〉や〈OTOTOY Weekly〉をチェックしてください!

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈4年ぶりの2ndアルバムをリリース! いったんの休息の後、より自由に・多彩になった作品はとても魅力的〉、Tomato Ketchup Boysの “Secret Order”、ヒメウズの “the girl”、petalheadの “Springs to Life” の3曲です。

そして他の編集部員が推薦した、Meg Bonusの『18PERSONAL』も忘れずに。“冬(、、)!” がプレイリストに入りましたが、“mist” もなかなか。

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羊文学を東京ガーデンシアターでみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

羊文学TOUR 2024のファイナルは東京ガーデンシアター2デイズ (2日目は追加公演)。自分は4月の横アリ以来。横アリのときにも思ったのだが、おそらく羊文学は通常のロックバンドの「大きくなりかた」とは少し違うルートを選んで歩いているのだろう。なにがどうと言語化はできないが、曲、音作り、ステージング等々、少しずつ何かしらが奇妙だ (悪いという意味ではなく逆に新鮮で面白い)。レーベルの先輩となるSuchmosの知見が直接活かされているのか傍目からすぐには分からない。King Gnuが形式知に近いかたちの新しい教科書の一冊である可能性は高いだろう。種々様々な客層を掘り起こした結果の横アリやガーデンシアター2デイズなので、入退場するひとたちの景色は、それはそれは見ていて面白い。私自身は、塩塚モエカが「ここからこっちは知らない曲 (笑)“」と言って観客席の半分以上を指し示した “涙の行方” (インディーズ時代の2nd EPに収録) に涙したタイプですが、これからどうなっていくのかとても楽しみだし、今でもちゃんと大好きです。発表された今年のクリスマス・ライヴ〈まほうがつかえる〉の開催日が12月10日で少なからぬひとが嘆く「悲劇の日程被り」となり、予定は未定ですが、ぜひ次もまた。

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈古いリズムボックスから小さく始まった宅録プロジェクト、アルバム『SANGO ALBUM』から〉、リ・ファンデの “それより影”、Sundae May Clubの “チャーミー”、4s4ki, rinahamuの “頑張り屋さんだから愛して” の3曲です。

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