(「OTOTOY各スタッフがそれぞれ選んだ2022年の10作品」からの転載です)

■2022年の10作品◾️

  1. FUJI『PURE』
  2. ドレスコーズ『戀愛大全』
  3. 4s4ki『Killer in Neverland』
  4. The 1975『Being Funny In A Foreign Language』
  5. beabadoobee『Beatopia』
  6. Sobs『Air Guitar』
  7. For Tracy Hyde『Hotel Insomnia』
  8. Laura day romance『roman candles|憧憬蝋燭』
  9. ayutthaya『Lighthouse』
  10. ウ山あまね『ムームート』

■️チャートに関するコメント■

昨年同様、アルバムを邦・洋から。シングル・単曲リリースについては昨年末に書いたコラムをご覧いただければ。今年はEPは外してすべてアルバムにしようと思っていたのですが、どうしても外せなかったのが、FUJIの『PURE』。楽曲の強度、歌の良さ、立ち位置の判断、(直接作品とは関係ないですが) 昨年観たFUJIのライヴの良さ。すべてを汲んで、ベストです。The 1975やbeabadoobeeに代表されるDirty Hitの、シックでクレバーでエモくてキュート (これいちばん大事) な色合いは今年も魅力的であり続けるでしょう。時代感に対してフラットでありながら、でも確実に歩みを進め一歩先を行く。そんな作品たちが大好きです。ちなみに “EPだから” という理由で選考対象から外したのは、downt『SAKANA e.p.』シバノソウ『これから』グデイ『グデイズム』colormal『anode』など。

■ベストライヴ(配信含む)■

FUJI / colormal〈Climax Angel〉2022年3月5日
幡ヶ谷Forestlimitで行われたFUJIの初ライヴ。共演はcolormal。フロアライヴだったのに音のバランスが良く、ヴォーカルもくっきりと聴こえる。どんなPAの魔法だったんだあれ。音源の良さはそのままに、ライヴっていいよね! をかたちにした楽しさ・エモーションが上乗せされる。FUJIの発声の良さが印象的で、4ピース編成での音作りが見事。colormalも貫禄の地力をみせてくれました。いるべき場所にいる自分を褒めたい(笑)、と感じる貴重なライヴでした。

■音楽作品以外のベスト一作(書籍・映像作品など)■

『Generative AI』
この項目、私は、2020年は「Zoom」2021年は「mRNAワクチン」ときて、さてこの路線を続けるのか(書籍・映像作品などって書いてあるのに)……、まぁ続けますか。というわけで2022年は「Generative AI」です。もう “一作” じゃなくジャンルになってますね (だめじゃん笑)。作品で言うならば『ChatGPT』とか『Stable Diffusion』とか?。皆さんもネットで見かけたことがあると思います。指示や対話によって画像やテキストを生成してくれるアレです。昨年は「なんかスゴそう(なデモ)」でしたが、今年は「マジ便利」になると思います。

■2022年を振り返って、もしくは2023年に向けて■

昨年は、地球的には「戦争」がはじまり前提としていた秩序の基盤が崩れてしまった年、ローカルにはこの数年来の異常事態からの「回復」の年、だったのでしょうか。崩壊と回復が同時に起きるって、なにそれっていう。意味わかんないですよね。こうなると、日常の生活を一日一日変わらず大切に暮らすこと、それと同時に、毎日毎日なにかしらの変化をして上手くいったり反省したりを繰り返す、どちらもが必要なんだろうな、としみじみ思います。今年はますますそういう年になるのでしょう。

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2022年の10作品のSpotifyプレイリストも公開中。考えるのにも使ったプレイリストなので候補とかもそのまま入っています。