(OTOTOY編集後記からの転載+αです)

週末は配信ライヴをたくさん観ました。SUMMER SONIC 2020 ARCHIVE FESTIVALのTHE 1975。SUPERSONIC 2020に向けた美しきストーリーは見えています。あとは実現できるか。祈りたい。オンラインやついフェスのtoddle、THE HOPKINS、myeahns、みきなつみ、木下百花。みんな良かったです。私立恵比寿中学。ニワカですが心揺さぶられました。そして彼女たちはアスリートなんだな、とも。ダントツは曽我部さん。初日のサニーデイ・サービス、二日目のソロ、とんでもなく格好良く、熱いステージでした。

面白かったのはオンラインやついフェスの「タイムテーブル」の表現でした。通常であれば“会場(ステージ)”に相当するところに“配信プラットフォーム”が並んでいる。(想像でしかないけど)さまざまな事情によりフェスとしてプラットフォームを統一することは難しい、それをいわば逆手に取ってあのように表現するのはひとつの「発明」かも。そしてその表現は、個々のヴェニューにそれぞれの特徴があるように個々のプラットフォームにも特徴があり、その特徴とは主催者や観客から“選ばれる”ものだということを可視化しています。実際に今回いろいろな配信プラットフォームを“まわって”みて、その雰囲気の違いをたくさん感じました。選ぶもの・選ばれるもの。我々も選ぶ側そして選ばれる側として日々精進しないといけませんね。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈儚く美しい夏の匂いがするシバノソウのアルバムから、For Tracy HydeのMav.が参加するドリーミーなこの曲を〉、シバノソウの “water”、〈80年代の名曲をカバーするプロジェクトTokimeki Recordsの新作は、Wink!〉、Tokimeki Records “愛が止まらない ~Turn It Into Love~ (feat. ひかり)”、そして、〈白人である彼女の父親が自分の肌についてトラブルをおこさないことを「感謝」するかたちで平等を歌う〉、Gregory Porter “Mister Holland” です。

シバノソウさんの1stフルアルバム『あこがれ』が、とてもよい。1曲目からどストレートで最高。4曲目でちょっと涙腺緩んだ。T1. “泳いでく”、T3. “あの夏の少女”、T4. “water” でさんざん悩んで、結局 “water” に。この曲はFor Tracy HydeのMav.さんが作曲とギターで参加(ベースはアルバム全曲で)。わたしMav.さんの曲ほんとに好きだ、ということを再認識させられました(FTHの “ライトリーク” も名曲です!)。

Gregory Porterは8月リリース予定のアルバムからの先行曲。軽快でグルーヴィーなメロディとサウンドと、皮相的な怒りとは異なる表現の歌詞。そこらへんはユニバーサルのこのページの解説

ポーター式の抗議とは、「ミスター・ホランド」のように、世俗的なものでもあり、家庭的なものでもある。この曲でポーターは(皮肉にも)自分の恋人の白人の父親が黒人の肌のことでトラブルを起こさないことに感謝をしている。ポーターが説明する。「もしかしたら15歳の時に好きな女の子の家に行ったとたんにドアの前に誰かが来て『ニガー、この家から出て行かないなら…』ってはじまることもあるということを示唆している。最近はそういうエネルギーが 復活してきていると思うんだ。息子のためにそういうことを考えている」。

「結局のところ、『ミスター・ホランド』は平等についての曲なんだ」とポーターは続ける。「お互いを尊重し合い、若者が普通のティーンエイジャーと同じように扱われたいという願望が込められている。普通に扱われていることへの感謝の歌なんだ。暗示された言葉にならない経験が、この曲の微妙な抗議になっている。スティーヴィー(・ワンダー)とマーヴィン(・ゲイ)は、社会的な歌でグルーヴ感を出す方法を教えてくれたんだ、だから、ありがとうミスター・ホランド」

がわかりやすいと思います。このタイミングでこの楽曲がリリースできてしまうアーティストのすばらしさに敬意を表しての推薦です。