(「OTOTOY各スタッフがそれぞれ選んだ2024年の10作品」からの転載です)
■2024年の10作品◾️
- sidenerds「潜水」
- sidenerds『toumei na sekitan』
- 柴田聡子『Your Favorite Things』
- ANORAK!『Self-actualization and the ignorance and hesitation towards it』
- 雪国『pothos』
- しろつめ備忘録『リマインダー』
- downt『Underlight & Aftertime』
- SACOYANS『SUN』
- FUJI『欠伸をした神様』
- The Cure『Songs Of A Lost World』
■チャートに関するコメント■
何度も同じことを言っていますが、2024年はsidenerdsの年でした。混沌とした多要素の淵から沸き立つ唯一無二さ。そしてライヴが輪をかけて素晴らしい。それらを讃える特別な気持ちと、2枚でアルバム級という想いを込めて、1stシングルと1st EPの2枚をチャートイン。続いて柴田聡子とAnorak!、昨年のスペシャルなアルバムといえばこの2枚でしょう。どちらも新境地×強度の絶対値が圧倒的でした。しろつめ備忘録と雪国はマイ・チャートのニューカマーです。洋楽も1枚。DIIV、Clairoと迷いましたが、The Cureの16年ぶりのアルバムを。このアルバムにあるのは終末ではなく時間の重みだと思います。ロック・ミュージックとともに長い時を過ごした自覚があるひとは一度聴くべし。今年もたくさんの素敵な音楽をありがとうございました。
■ベストライヴ(DJプレイ、その他、配信も含む)■
カネコアヤノ「Livehouse Tour 2024」6月4日 @Zepp DiverCity
すごかったやつ。圧巻、強すぎる、完敗。デカいライヴのラスト曲みたいなクライマックスが20分ごとに来ては抑えてを繰り返す波動。あんな構成のライヴは初めて観たかも。もうひとつ挙げるとしたら、Fairground Attraction「Beautiful Happening」6月27日 @SHIBUYA CLUB QUATTRO、を。ステージ上もフロアの老若たちもよくぞここに辿り着いたな、と。これまでに感謝し、これからも良い音楽とともに暮らしていこうと、あらためて思いました。
■音楽作品以外のベスト一作(書籍・映像作品など)■
〈LOTUS PALACE〉のベトナム料理
ベトナム料理は美味しい。口に合う。普段の〈PHO THIN TOKYO〉のフォー (限定の生麺がオススメです) も良いが、たまに食べる洗練系ベトナム料理はとても美味しい。……という安穏とした文から唐突に不穏当な発言をしますが…… 一般論として洗練された料理の成立は、現代の民間の研鑽もさることながら、かつての “政治権力” から切り離すことができません。ましてや、ベトナム料理において言われる “フランス文化の影響” とは植民地支配の結果以外のなにものでもない。旨い旨いと言っていていいのか、という気持ちが頭をよぎる。が、美味しいものは美味しい。人間は悲しいものです。きっと音楽でもなんでも「好きなものは好き」で済ませていることがたくさんあるんだろうな。
■2025年にむけて■
2025年ってヤバくないですか。25年ですよ。100年の四分の一。あのミレニアム騒ぎからクオーター経過っすよ。ヤバくないすか。
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2024年の10作品のSpotifyプレイリストも公開中。