(OTOTOY編集後記からの転載です)

インナージャーニー、初ワンマン@渋谷WWW。最初の音源リリースが昨年3月、キャリアのほぼすべてがコロナ禍下、という経緯からの貴重な有観客ライヴが初ワンマンとなりました。もともとはソロアーティスト・カモシタサラのバンドセットだったインナージャーニーですが、ちゃんとバンド感があり、とてもバランスが良い。そして、平静で、ニュートラルで、真っ正面を向いたその姿勢は今の若いアーティストのありようそのもので、例によって個人的に羨ましく思うやつでした。2010年代のベッドルーム・ポップ、そして皆がベッドルームやリビングに居ざるを得なくなった2020年。グローバルなシーンにおいてそこから生まれたものが今ぼんやりと形を成しつつあると感じているのですが、それと並行に日本の「ガラクタだらけの六畳一間のこの部屋で (“クリームソーダ”歌詞より)」育まれた音楽。そのひとつの好例がインナージャーニーでしょう。未聴のかたは昨年リリースのEP「片手に花束を」と結成のきっかけとなった楽曲「グッバイ来世でまた会おう」をぜひ。

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈技巧を技巧としてではなく心地よさにしてリスナーに届ける藤井風の真骨頂〉、藤井風の “Shake It Off”、他、THE PLANET WE CAN SEEの “Ocean of the Stars”、plumsの “僕の世界” の3曲です。

そして先週の推薦曲は、〈もどかしさに満ちた歌詞と歌メロとアレンジが癖になる〉、メレの “溺れるライフ”、他、Lillies and Remainsの “Greatest View”、yuigot & ぷにぷに電機の “Everywhere” の3曲でした。