2003/03/30 (日)
悲しいことに転地療養は既に終わっているのであった。
帰ってきてみれば、TVで当たり前のように「ネオコン」などという単語が飛び交っている。で、その、「ネオコン」つーのはゼネコンやマリコンの親戚みたいなものですか? とか言ってる場合ではない。こんな単語、ちょっと前までは電波系単語扱いだったよーな気もしないでもないが、まぁ、日本のTVも空気を読む能力くらいには長けているのであろう。
# いい大人のくせに全く空気読めない奴、というのも居たしなぁ>木曜日の会(独り言だよ :-b)。
療養先では、懸案だった『暗号化』,『CODE』,『コモンズ』等含めて8冊ほど読んだが、その筋関係の本は何故か持って行かなかった(強いて言えば『民族とは何か』程度か)。
『CODE』・『コモンズ』は、やっぱ、「なげーよ。」としか言い様がないので、かなり斜め読みだけど。
で、斜め読みしたものについてこんなこと言っていいのかどうか分からんが、以下、感じたこと。
『コモンズ』でレッシグ氏は、所有権強化の動きが技術革新の妨げとなること、そしてそれは法理論的にも合衆国憲法(の精神)に反するという意味で間違っていることを示した。後者の議論について少なからず私が感じたのは、「合衆国憲法」あるいは「建国の精神」への過度な依拠であり、それらの無謬性への信仰である。
レッシグ氏は彼の地の法学者であり、アメリカ合衆国とはそもそもそういう国だ。それを悪いと言うつもりはない。しかし、いわゆる新保守主義が依拠するものの一つもまた、同じ「建国の精神」や「合衆国憲法」の無謬性への信仰だ。
レッシグと新保守主義のベクトルはまるで違うように見えるが、ある断面においては通底している。一方で「Creative Commons イイ!」と言い、もう一方で「ラムは悪人面」と言うのは勝手だが(間違っては無いし :-)、ある意味、同じ手の平の上で踊らされていることは自覚していなければならないだろう。
なんつーことを、憲法の1条1節も改正できない国の人間にゃあ言われたくないだろーな。レッシグ氏もネオコンも。
2003/03/22 (土)
花粉を逃れて、兼、安全を求めて、イスラム国家に転地療養中。極めて好調。溶けるくらい寝て、溶けるくらい本を読む。
往きはKL経由のMH便。国際線の777乗ったの初めてかも。結構快適(寝てたけど :-)。
それから、Kuala Lumpur International Airport (KLIA), ありゃスゴいや。黒川紀章建築都市設計事務所設計。爆走するAerotrainに較べたら、成田のシャトルは子供の玩具だ。
ホテルはCasa Del Mar, Langkawi. ホテルとしてはかなり良いと思う。設備はそこそこだが、運営はかなり真っ当。Diningは相当に旨い。Staffも良い。もちろん問題もあるのだが(Guest Serviceとか、GMとか :-)。あまり日本では情報が無いと思われるホテルなので(インターネット上の個人ページが幾つかある程度。こことかこことか)、後で特集頁でも作るかな。しかし、ということは、写真とか撮らないといかんのか…
部屋のTVにはCNN (International, Asian edition)が映る。CNN, かなり変だな。戦争支持が7.5,戦争反対が2.5くらいの配分に見えるが、どちらも「ポーズ」のように見える。どっちを打ち出すにしても及び腰、みたいな。彼らなりの葛藤があるやもしれん。
毎日部屋に届けられる新聞はNew Straits Times.その特集名は、"Invasion Of Iraq". ま、それはそうであろう。じゅうぶん理解(共感)し得る。
あと2日。このまま溶けたい、ちゅうか。
2003/03/14 (金)
一昨日から温泉、もとい、研究会。
会場の「天成園」って、どこかと思ったら、大名行列の出発地点のところだったのか。行ってみると、確かに往時は… というホテルであった。ま、温泉はgoodで自分の身体にも合うタイプみたいなので佳し、である。
SPAに来るのは、1999以来。今年は1999のようなJava Java・VM VMな感じもなく(意味不明だが分かる人には自明)、それなりに、いい感じである。
自分の発表もそれなりに質疑が盛り上がったのでよしとしよう。本当は、当日までにもうちょっと結果を出してく予定だったんだけどなぁ… こんなことではいかん。
あと、ひとつ「研究紹介(どれとは言わない)」を聴いていたら、あまりの既視感というか今更感にビックリしてしまい、この今更感は一体何なのだということの多少混乱している私も居りましたが、この件はしばし凍結。
という訳で、明日からは花粉症の転地療養(笑)だ。
2003/03/09 (日)
という訳で、昨日の続きで、文字話。まぁ、そんなに書くことがある訳ではないけど。
「芎(キュウ)」の字は、最初、コードポイントも何も判らなかったので、Googleで検索対象言語を「中国語(繁体)」にして、キーワードに『辛夷 川』とか突っ込んだりしてみる。結局それで、あっさりと見つかる。こんなことにも使えるのか、Googleは。やっぱ驚異だ。
で、あとは見つけた字をMeadow with Mule-UCSにcopy&pasteして、おしまい。と思ったら、一旦utf-8でセーブしたのを再度Meadowで読み込むと、芎の字が内部的にはJIS X 0213な文字になってしまい、そうなると二度とutf-8ではセーブできない。セーブできない方に置き換えんなよ… とか思いつつ、仕方ないので、も一度Googleって、ここら辺を参考にMeadowの設定を変える。今度は無事、セーブ完了。あとはほんとに問題なし。
いや、これを望んでいたんだよな、私は。自分はそこまで到達できなかったけど。一体これが前進じゃなくて、何だと言うのだろうか(終着点でもないけど)。
ただし、これが可能になるということは、当然こーゆーことも出来るということだ。つまり、
わたしの名前は髙田です。
だ(上の表示が意味を為さない場合は、こちらを参照)。ここでも一つ、パンドラの箱が開く。
「JISが何を決めようが、近い将来、誰もがそうすることが可能になり、可能ならばそれは行われる。そのとき何が起きるのか、どう対処すべきなのか、前もって考えるべきではないか」というのが、この時言いたかったことだったのだが、あの時はそれをきちんと言語化して説明出来なかった。だからおっさんに言い負け、書き起こし原稿にも載っていない。無念。
実際にはMeadowなんてオタクな道具は要らない。Windows 2000の「メモ帳」があれば出来る。IMEがサポートしたらそれで終わり。誰かがそんな入力補助ページを作って公開してもOK.
我々は又しても、真摯と些末の迷宮をさ迷っている内に、突然、「開かれた社会」に直面するのだ。
さて、貴方ならどれを選びますか?
- わたしの名前は高田です。
- わたしの名前は髙田です。
- わたしの名前は〓田です。
2003/03/08 (土)
2003年版リンク付きテーブル、ここに完成。(参考: 2002年版, 2001年版)
そして、ついに今年、野望が達成される!!!
といっても、花粉症が直った訳ではない。:-)
「葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)」の「芎(キュウ)」の字をHTMLで表記することを、ようやく実現。ちなみに、この文字に関する各種コードポイント情報等は、こちら。
という訳で、生まれて初めてpublishしたUTF-8 encoded HTMLファイルである。ま、私にも多少の問題解決能力があったということだ。10年かかったけど。:-)
ついでなので表の形式を変えて、あと今年からはCAMも入れとこう。CAMといっても、懐かしのThe Chemical Abstract Machineではなく、"Complementary and Alternative Medicine." CAMの解説はNIHのThe National Center for Complementary and Alternative Medicine (NCCAM)の頁にリンク。アメリカ合衆国とはこーゆーときにこそ利用すべきものだな、うん。
それでは、どうぞ。(ちなみに文字話は明日に続く。)
注1: リンク先は「おくすり110番」の「ハイパー薬事典」のもの
注2: 「葛根湯加川」の次に草冠に『弓』という字が表示されたら、大成功。
注3: 初期の頃の記憶はかなり怪しい。トリルダン(HMR=塩野義)/テルフェナジンを内服してた時期もあった気がするけど、よく覚えていない。
2003/03/01 (土)
新しくマシンを幾つか立ち上げ。5.0は流石にまだ怖いので、4.7をインストール。用途は専用目的処理系なので、いつものようにFreeWnnをインストール。私は、文房具用途マシンはWnn6で(そろそろWnn7も買うか)、そうではない作業系・サーバ系はFreeWnnな人です。
で、ここまではいつもの作業だったんだけど、ふと、「FreeWnnってWnn4.2だよね」ということに思い至る。たまたま職場にある最後のSunOS 4.1.4マシンがそろそろ引退間近だという状況も合わせて、FreeWnnで岩波Wnn辞書が動くかどうか試してみたくなる。Googleっても報告は無さそうだし。
よし、ちゃれ〜んじ! :-)
ごそごそとコピー。wnntouch しなきゃいけないとか、hinsi.dat が拡張されてるのでそれもコピーしなきゃいけないとか、完全に忘却の彼方。だが、なんやかやとしてたら、結局ちゃんと動いた。ということで、ご報告。
Wnn4.2用 岩波Wnn辞書はFreeBSD 4.7上のFreeWnn-1.1.1 (a018)でも使用可能であることを確認しました。
とはいえ、岩波Wnn辞書はライセンスを買ったものであり、多分、この使い方は違反だろう。当時のLicense Agreementなぞ今更発掘できる訳もなく、多分、としか言い様がないのだが…
したがって、何事も無かったように、pubdic+ + 私家版pubdic+補遺 (pubdic+-sup-1.14)に戻る私であった。
で、例によって、やっぱこの手の旬が過ぎたものは共有地に放出して欲しいよなぁ〜、とか思ったのだが、よくよく考えてみると今回の「岩波Wnn辞書」の場合は、陳腐化したのは内容ではなく使用環境であり、かつ、それ自体がsource dataである、という点でその議論を適用し難いケースであることに気付く。うーん、微妙だよな…
などという話は『コモンズ』でも読めば多少思考が進むのだろうか。ああ、まだ『CODE』さえも読んでないというのに…
という訳で、以上はinformationalな目的のために公表する文書であります。うふ。