(「OTOTOYが選ぶ2025年の50作品&編集部おすすめレビュー」から転載)
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笹川真生『STRANGE POP』
笹川真生、約2年ぶりのフルアルバム。タイトルのとおりポップスでありながら、その内側からの圧によってギラつき、凸凹し、目まぐるしく上下し、色を変える。「どこにもない」という意味でのオルタナティブを発露する。と同時に本作が持つ包容力の根源は、あくまでもそれが「歌」であること、そしてリズムの心地よさだ。“美しい術” や “溢れちゃった”に みられるグルーヴには、心も身体も踊らされる。定常と揺らぎに身を委ねて聴いてほしい。間違いなく2025年、私のベスト・アルバムだ。
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SYAYOS『Anthem 1.1』
長野県伊那市発の4ピースバンド、SYAYOSの1stアルバム。2024年7月の結成から最初の8か月で生み出された全8曲は、アイデアに満ち、初作とは思えない完成度と底知れなさを備えている。冒頭の “Spaceboy” から壮大なスケールと爆発力に圧倒され、楽曲が進むごとにバンドの「野心」が更新されていく。ボーカル、すずきひなの伸びやかな歌声を軸に、それに伯仲する各楽器の音が強度をもって立ち上がる。生々しさと洗練、スタイリッシュさと郷愁が同時に息づく一枚だ。そして彼らのライブは音源以上に圧倒的である。2025年、私のベスト・ニュー・アーティスト。
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