(「OTOTOY各スタッフがそれぞれ選んだ2021年の10作品」からの転載です)
■2021年の10作品◾️
- Bearwear『The Incomplete Circle』
- 家主『DOOM』
- フレディーマーズ『部屋の借り方』
- 橋本絵莉子『日記を燃やして』
- FRUN FRIN FRIENDS『FRUN FRIN FRIENDS』
- KALI『CIRCLES』
- chloe moriondo『Blood Bunny』
- Remi Wolf『Juno』
- Arlo Parks『Collapsed In Sunbeams』
- Snail Mail『Valentine』
■️チャートに関するコメント■
今年はアルバムを邦楽・洋楽5作品ずつ選びました (曲・アーティストについては大晦日に書いた別の記事があるので、よろしければそちらも)。「ニューノーマル」なんて言いますが、「新しい働きかた」を皆がすぐにできるようになったのは、突然それが生まれたのではなく、そうした働きかたを以前からしていた人たちが知識と経験を積み上げていたからです。たとえば在宅勤務、ネットワーク・ベースのコミュニケーション、リモート・ミーティングなど。そういう人たちが今回は “先駆的な存在” になりました。音楽の制作も同じです。宅録、ベッドルーム志向、内向的な表現…… 2020年より前から、ずっとそうして音楽を作ってきたアーティストたちがいます。2021年は、そんな彼・彼女らが示してくれた、“そうしてきた強さ” に敬意を表す年でした。
■ベストライヴ(配信含む)■
〈SACOYANS 2nd Album “Gasoline Rainbow” Release Tour〉@秋葉原CLUB GOODMAN
SACOYANSのワンマン。1stと2ndの収録曲すべてと新曲とスマパンのカバーを演った濃密で美しいライヴ。SACOYANSへの想いはこちらのインタヴューに込めました。
■音楽作品以外のベスト一作(書籍・映像作品など)■
「mRNAワクチン」
前回は「私はソフトウェア・エンジニアでもあるので」ということでソフトウェア・プロダクト/サービスとして「Zoom」を選びました。そしてプロダクト/サービスの意味をより広げて昨年を見てみると、「mRNAワクチン」以外考えられないんですよね。でもこれを “一作” と言ってよいのか。悩ましい。ちなみにmRNAワクチンも突然生まれたものではありません。30年余、多くの人々が挑み、進み、あるいは敗退してきた歴史があり、その上に作られたものです。なので、作品として、良しとするか。
■2021年を振り返って、もしくは2022年に向けて■
2021年年頭は「去年は変な年でしたね」で済んだのかもしれませんが、今年年頭も「去年も……」だと、そろそろこっちが普通、でしょうか。新しい普通とは、それ以前における先駆や不可思議や異常です。ならば先に不可思議や異常を体験しちゃったほうが良くないですか? ということで、“変” を楽観で味わい、楽しみ、想像できない未来に運良く先駆者たれるよう、これからも積極的に遊んでいようと思いました。今年もよろしくお願いいたします。
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2021年の10作品のSpotifyプレイリストも公開中。