(OTOTOY編集後記からの転載)
世情が揺れている。このようなとき、アーティスト自らの表現と聴き手の心情とがかっちりとハマる瞬間がある。昨日でいえばひとつはフジテレビの「Love music 特別編」で眉村ちあきが歌った “大丈夫”。歌をうたう喜び、ライヴがしたいという気持ち、もっと歌いたいという気持ちが塊となって伝わってくる熱演だった。
もうひとつは昨日配信が開始されたFINLANDSの “まどか”。塩入冬湖のnoteによれば、制作そのものは今の状況云々以前、昨年の京都アニメーションの事件のニュースをきっかけに作りはじめられたものとのこと。が、今のこの状況のど真ん中を穿つような詞と曲の鋭度。この凄さがこのタイミングで出ることこそアーティストがアーティストたる所以なのだろう。
たまたまだがこの2曲は共通の印象を持つ。それは数十年以上連綿と続く日本の音楽の歴史でもある。歌われ続けてきたこの音楽たちがその場を失うことの無いよう、我々も、我々ができることをいま計画しています。
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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、その〈世情へのピースの嵌まり方がハンパじゃない1曲〉、FINLANDSの “まどか” と、〈一度聴いたらもう愛していたのさ〉、インナージャーニーの “クリームソーダ” 、そして先週の推薦曲は、〈乾いていて少し湿っている丁度よい湿度のロックンロール〉、Jurassic Boysの “Blue Night Picture” でした。