とうとう新聞の宅配を止めた.

ここ数年は実際には読んでいなかったのだけど,帰って新聞受(郵便受)を覗いても投げ込みのチラシしか入っていないのは,何か,もの悲しい.まあすぐに慣れるんだろうけど.

止めようとした際の配達員のおっちゃんの態度もあっさりしたもので,特に引き止めもなし.達観,というか.

と思ったら数日後,販売店のマネージャーだか同僚だか分からないけど,再セールスの電話あり.でも,セールストークの第二声が「嘘を言うこと(確度80%)」だったので,激しく萎えて相手にせず.

さらにしばらくしたら,販売店の経営者かそれにかなり近い人(たぶん上の電話と同一人物)が家まで営業に来た.直接話すと悪人ではないだろうことは判るのだが,それでもセールステクニックがいちいち姑息.最初にインターフォンを鳴らして名乗るときに店名(紙名)を言わず,新聞をとること自体を本当に止めたのかあるいは他紙をとっているのかを聞きだそうとする,に始まって諸々.止むに止まれぬ仕業なのか,それとも体に染みついてとれないのか.まあ暇なのでしばらく話をしてみると,とにかく壊滅的な状況のよう.購読を止める人たちの理由は,多かれ少なかれ,みな,「不景気で金がない」+「紙面が面白くない」+「そもそも購読してても読んでいない(いなかった)」のコンボ攻撃であり,これはもう駄目だろうな… というこちらの印象を強くしただけの営業タイムであった.

そういえば,いまのおっちゃんの前の配達員は明らかに新聞奨学生とおぼしき女の子だった.集金の際の格好も,販売店ジャンパーの下は決して小綺麗とは言えず… その子がいなくなる前の3月,一度だけスーツ姿で歩いているのを見かけた.今はどうしているのだろうか.

などという感傷的気分も含めて20世紀の遺物なんだな,きっと.

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