2023年の記事一覧

For Tracy Hydeのラスト・ライヴをWWW Xの最前でみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

この日に良企画が被りすぎだろ、という怨嗟の声すら聞こえた3月25日。悩ましくはあるけどFor Tracy Hydeの解散ライヴとあれば、ここを選ばざるを得ません。当日、購入してあったチケットをダウンロードしてみたら整理番号がAの2番。まじすか(笑)。実はFTHのチケ運はこれまでも良くて、O-nestのライヴで1番を引いたこともあります。自分は「おっさんは最前に行かない」閥なので、あと外音をちゃんと聴きたいので、いつもなら良番は無駄にするのですけど、今日はどうしよう…… 段差があるフロアなら上段柵に行けばよいのですが、WWW Xはフラット。解散ライヴだしな、最後だしな…… と数秒の逡巡の後に超久しぶりの最前へ。ドセンではなくeurekaさんと夏ボさんの間あたりに。

MCで夏ボさんが口にした「東京で一番美しいバンド」という言葉。何が一番かは各自が自分で決めればよい。でも、「東京で一番美しい」、たしかに胸を張ってそう言えるバンド、そう言えるこの日のライヴでした。ありがとう、For Tracy Hyde。ライヴ後の渋谷の街は人出がもの凄くて、数年ぶりに見たその光景は夢のようでも夢から覚めたようでもありました。そんな街とともに皆の音楽の夢はこれからもそれぞれに続いていくのです。

チケット探したら出てきた。1stのリリパか。この日は初めてドッツを観た日でもある

チケット探したら出てきた。1stのリリパか。この日は初めてドッツを観た日でもある

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈Sobsアレンジ楽曲、Celine Autumnがヴォーカル参加、アルバムは4月5日リリース!〉、日食なつこの “ダム底の春 feat. Sobs”、他、美波の “ブルーグラス”、鉄風東京の “FLYING SON”、女王蜂, 満島ひかりの “回春” の4曲です。

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Porter Robinsonを豊洲PITでみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

コロナ以降、初豊洲PIT。これでだいたい主な箱はコロナ後済になったかも。O-CrestとLINE CUBEがまだですが、O-CrestとLINE CUBEになぜか縁がないのは以前からの傾向。ともあれソールドアウトの豊洲PITです。まじで3000人入ってたかもしれない。Porter Robinson、良い曲しかない。そしてなによりこの日はフロアが最高でした。観客たちが素晴らしすぎる。感受性と理解の高さ、スマートでクレバーな受容、素直でaestheticな反応。すっかりフロアにやられて泣けてきました。観客に、あのシンガロングに「泣けた」という発言がSNSでも多く見られました。ですよね。日本の未来は明るいです。ほんとうに。オープニング・アクトは急遽当日朝に呼ばれたらしい、kz。個人的にはこの文脈にあまり触れてこなかったので、盛り上がる皆を、いいなーと、羨ましく見ていました。行って良かった。

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈ニューアルバムへの期待がますます高まる。楽しみすぎる…〉、揺らぎの “Worthy of..”、他、ヤユヨの “このままじゃ”、peanut buttersの “悪魔くん”、文藝天国の “ゴールデン・ドロップ” の4曲です。

そして今週は他の編集部員とシェアした推薦も多数。100 gecsの “Dumbest Girl Alive”、PAS TASTAの “zip zapper”、illiomoteの “Mid”、等々も。このケースでアルバムやEPの場合、あ、この曲選ぶんだ、っていうのもあって面白いです。楽しい編集部生活。

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クラシック音楽と音楽情報デザイン

(OTOTOY編集後記からの転載です)

アップルが「Apple Music」とは別に、クラシック音楽専用のストリーミング・アプリ「Apple Music Classical」をはじめるそうです。2021年に買収したPrimephonicに機能を追加して、Appleブランドでの提供となるのでしょう。米国等では今月末からサービス開始、日本は「後日提供を予定」とのこと。このニュースをきいて、クラシックは求められる情報デザインが(ポピュラー・ミュージックとは)大きく異なることの傍証だなあ、と思いました。正直、私個人、違うだろうことは分かっても、どうしたらよいか分からないのですよね。とはいえOTOTOYのクラシック(とジャズ)の現状の扱いはひどすぎます。誠に申し訳ありません。扱っている音源自体の貴重さ(ロスレスの存在とか)は確実にあるのに。なんとかしたい。

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈小坂忠「ありがとう」(細野晴臣、作詞作曲)のカバー。小坂忠のアルバム再発は4月に〉、Friday Night Plansの “Arigatou”、他、ちゃんみなの “You Just Walked In My Life”、Tanukichanの “Been Here Before”、mekakusheの “恋する女の子” の4曲です。

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メレと高井息吹とtoitoitoiを西永福JAMでみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

そういえば「冬メレ」(注 : メレは四季ごとにセットリストのコンセプトが変わるのです)をまだ今年は観てない、このままだと “つんと” をライヴで聴くのは1年後になるのでは? ということに気づき、そして偶然に2月最後のライヴがJAMであることを教えてもらい、行くことに。“つんと” はもちろん良かったのですが、“ランドリーパイプ” が沁みました。自分はやっぱりこの曲好きだなあ、と。あと音がすごく良い(後述)。2番手、高井息吹が歌った、企画趣旨への彼女なりの応答としての、赤い公園 “pray” のカバー。これがとんでもなかったです。高井息吹も赤い公園も石野理子も津野米咲も、すべてが、すべての愛し愛されるものが、あの空間にありました。感情崩壊。3番手、toitoitoi。いつにもまして、すげーな、なステージだったのですが、なんかこの日、音がとんでもなかったんですよね。アコギ1本なのにキックも空間系も聴こえるみたいな。どんなPAの魔法? この日にかぎらず最近の西永福JAMはとても音が良いです。また行こう。

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈Hana Hopeの新曲はサマソニへの出演も発表されたHONNEがプロデュース〉、Hana Hopeの “We’ve Come So Far”、他、羊文学の “永遠のブルー”、Lilubayの “Home away from home”、BBHFの “メガフォン” の4曲です。

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クラムボンを東京ガーデンシアターでみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

場所が東京ガーデンシアターだし、会場に入ったらステージ上に機材もなにもないし、はじまったらミトさんひとりでアコギ持って出てくるし、どうなることかと思ってたら…… まぎれもない、いつも通りの、いつにもまして、クラムボンのライヴでした。最後に幕をすべて開けて舞台袖をあらわにする演出まで含めて、さまざまな意図が明確で気持ちよいライヴ。この日でいったんライヴ活動からは離れ、しばらくは「巣ごもり」とのことです。「広げる」ためのピリオド、しかと受け取りました。

ライヴ中に “タイムライン” (2017年リリース)を聴きながら、そういえば「タイムライン」的な世界の切り取り方が一般になって ≒「Worldbeam」が実装されて15年くらい?。いまところまだ我々はそこに留まっていてさほど進歩もなく、次へといくにはもう5年くらいかかるのかなぁ? とか余計なことを考えたりも。

そして、原田郁子さんご結婚おめでとうございます! (当日限定配布ブックレットでの発表でした)

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈聴くものの内側に手を差し伸べるかのような石野理子の歌が印象的〉、Misty Toneの “ひとひら (feat. 石野理子)”、他、すなおの “はためいていて”、7coの “Soup” の3曲です。

そして他の人が先に挙げていたのですが、これは外せない、揺らぎの “Here I Stand” も。

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Wet LegをO-EASTでみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

誤解を恐れずに言えばグラミーもブリット・アワードも意外と近くにあるんだな、っていう。超良い意味で。もちろん最後の10cm, 1cm, 1mmが果てしないのだろうけど、それを感じさせない身近さがありました。すごく普通なのにちゃんと良いのが、不思議というか底知れないというか。あとやっぱりcharming重要、eccentricは流行らないですね(後ろは余計なひとこと)。昨年4月に来日決定のニュースをきいたとき、「来年2月!? 先すぎる!!」と思ったのですが、結果、まさにこんな小箱ではもう当分観られないだろうという貴重なライヴに。良かったなあ。

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈ぜひハイレゾで聴いてみほしい高音質ライヴパフォーマンス音源。〉、宇多田ヒカルの “First Love (Live 2023)”、他、Omar Apolloの “3 Boys”、Cavetownの “del mar county fair 2008” の3曲です。

そして他の人が先に挙げていたのですが、これは外せない、100 gecsの “Hollywood Baby” も。

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by human

(OTOTOY編集後記からの転載です)

このあいだガストに行ったら、お客さんが配膳猫ロボとすれ違うときにごく自然に避け、ときには人間同士のように「お見合い状態」になりかけてるひとがいたりという光景が当たり前のように見られ、ロボがというより人間(の適応力)すごいなと、しみじみ思いました。

配膳ロボは何気に人間のほうが適応してしまったので、今の猫のまま使い続けられそうでもあり、あるいはさらに改良進化されそうでもあり、この先どうなるのでしょう。日本だと前者も考えられますが、ロボを作るのは中国企業なので止まるという選択肢はないのかもしれない。

それはさておき、何年か後には、ずっと人間が配膳してきたところと、ロボを経た後に人間に回帰したところの両方が現れるのでしょう。どちらも動いているのは人間ですが、一周して辿り着いた後者は、ずっと人間だった前者とは違うステージにいるはずです。螺旋のz軸ですね。機械ができることを人間がやる。「演奏」ではそれに意味があることが当然視されていますが、より多くのフィールドと(人間の)レベルで、なにがどうして違うことが「当然」なのかも含めて、考えられていくのだろうなあ。

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈3rd single is out! MVも素敵なのでぜひ!〉、Ålborgの “Lemon Cake”、他、横田悠二の “ダイナマイト”、いつかのネモフィラの “夜更東京”、和田彩花の “きいろいいえ” の4曲です。

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「N分N乗」

(OTOTOY編集後記からの転載です)

昔から乗算、冪算、冪乗、“〜のn乗”という言葉の関係構造が気になっていたのですが(そういうことが多いひとです笑)、こんなものが国民的話題? になるとは思ってもいませんでした。「N分N乗」、「これN乗じゃなくてN倍じゃね?」というやつです。で、これ、そもそも、言葉の使いかたが変だと思うのですよね。つまり、
 数を足す→加算
 同じ数を足すことを繰り返す→冪加算→乗算
 同じ数を掛けることを繰り返す→冪乗算→冪算
までは良いとして(最後、別の名前つければいいのにと思わなくはない)、謎なのがその言いあらわしかたで、
 加算→○に△を足す/加える
 乗算→○に△を掛ける/乗ずる (○の△倍)
 冪算→○に△を……る、ではなく、○の△乗
にしてしまったのは何故なのか。中国語で冪は “○的△次方” や “○的△次幂” と言うみたいです。さすがにここに “乗” は使わない。日本語の “○の△乗” という言いかた、実は「これを作ったのは誰だあっ!!」ものではないかと思ったりも。

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈圧倒的傑作! 笹川真生のセカンド・アルバムから〉、笹川真生の “サニーサイドへようこそ”、他、the Stillの “All About You (and Our Song)”、リーガルリリーの “60W”、Death Cab for Cutieの “Pepper (Acoustic)” の4曲です。

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君島大空合奏形態をKT Zepp Yokohamaでみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

君島大空合奏形態、アルバム『映帶する煙』リリースツアー・ファイナル。先週書いたウ山あまねのリリパでの独奏がすでに凄まじすぎて、この日なにを見せられるのか恐ろしくすらありました。終演後によくやる感想ツイート検索をしても、みんな「ヤバい」しか言ってない。ていうか感想ツイートの熱量自体がヤバい。いくつか見られた、君島大空、西田修大、新井和輝、石若駿の4人が足し算じゃなくて掛け算になってる、的な表現はわかりやすいですね。凄かったです。それにしても、あんな最上のものをあんなに楽しそうに演られるとねえ。目の前にあらわれる表現は天上界を垣間見させてくれるものだから「ありがとう」しかないけど、「楽しそう」は凡人にも理解できるが故に、なんか嫉妬みたいな気持ちが湧いてきます。完全に筋違いの感情だと自分でも思うのだけど、なんなんだこれはっていう。ライブ盤化切望。

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈佐藤千亜妃ソロ・ワークで初のデュエット曲とのこと。声にこだわりまくった1曲。〉、佐藤千亜妃の “melt into YOU feat.a子”、他、Laura day romanceの “灯火管制の夜”、yonawoの “Love (feat. Skaai)” の3曲です。

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ウ山あまねのリリース・パーティーをWWWでみた

(OTOTOY編集後記からの転載です)

ウ山あまねのアルバム『ムームート』のリリース・パーティー。出演は、俚謡山脈、諭吉佳作/men、Carl Stone、君島大空(独奏)、そして、ウ山あまね。この並びにCarl Stone、伝説すぎやしないか。君島大空が格別でした。完全に彼は別の世界にいて僅かにこちらの世界に滲み出してきた部分を我々は見せられている、みたいなやつでした。ていうかなんなのあれ。今日(月曜日)は彼のアルバムのリリースツアー・ファイナルです。なにを見せられるのか、恐ろしくすらあります。そして、ウ山あまね。君島大空のあの次に出るってどんな気持ちなんだろうとか余計なことを思ってしまいますが、そんな邪念は吹っ飛ぶ強力なステージでした。彼もまた普通の人間には見えない「設計図」が見えているひとなんだなと。時間の切り刻みかたが常人離れしています。にもかかわらず、エレクトリック・ギターという道具の「不自由」さがもたらすエモーションと共にもある。よいイベントでした!

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今週の「OTOTOY NEW RECOMMEND」への推薦曲は、〈ついに1stアルバム、リリース! そして今日はリリース・ツアー、ファイナル!!〉、君島大空の “装置”、他、Boygeniusの “Emily I’m Sorry”、Biig Piigの “In the Dark”、メレの “つんと” の4曲です。

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OTOTOYの公式プレイリストに自分が推薦した曲だけを載せた個人プレイリスト、「OTOTOY NEW RECOMMEND-ed by me」も公開中!