Manic Street Preachers… デビュー当時はあまりに胡散臭いので全く聞こうとしなかったんだけど、ごく最近衝動的に STAY BEAUTIFUL (日本盤コンピ)を買い、その3日後に思わず GENERATION TERRORISTS を買い、揚げ句の果てに、ライブにまで行ってしまった。
結論を先に言えば、演奏はクソ下手だし、当然90年代のロックのリファレンスを提示してくれた訳は全然なかったけど、良かったんだな、これが。
演奏の方はと言えば、Richey と Nick は、ただただヘラヘラとしてるだけでステージ上に居ても居なくても一緒みたいなもんだし、Sean のドラムも結構スカポンタンでリズムもヘッタクレもないしで、完全にボーカル兼ギターのJames の一人舞台。でもこいつがカッコいいんだ、本当に。
他の3人はともかく、James は実はとんでもない奴じゃないかという気もしてきた(多分そんなこたあないけど :-b)。
曲順はもう全然記憶にないけど、1曲目は SLASH N’ BURN だったのかなあ?
印象に残ってるのは NAT WEST-BARCLAYS-MIDLANDS-LLOYDS とか LOVE’S SWEET EXILE とか ANOTHER INVENTED DISEASE とか SORROW 16 とか。ここら辺の曲はサビの部分とかが、みんなで大合唱になって…
死ぬほど好きな MOTORCYCLE EMPTIENESS を演らなかったのは残念だったけど、LITTLE BABY NOTHING (当然、トレイシー・ローズは出てこない ^_^)が聞けて嬉しかった。これも客がみんなしてコーラスつけてね。
"This is last chance for jump!!" と Nick が叫び、STAY BEAUTIFUL に突入。会場は大混乱に落ち入る。続けて MOTOWN JUNK を演って、そこで本編が終了。
アンコールは、まず最初に James が1人で出てきて、ギター1本を弾きながら R.P. McMURPHY. そして残りの3人も現れ、1曲(多分、DEMOCRACY COMA. 記憶が定かじゃないけど… -_-;)を挾んだ後、最後は YOU LOVE US !!!
YOU LOVE US のラスト、James のギターが炸裂すると同時に照明が一瞬落とされ、そしてフラッシュライトの点滅が始まる。フラッシュライトの下で Nick が羽毛の詰まった袋を持ち出してきて、ステージから客席に向かってその羽毛を撒き散らす。
狂ったように飛び跳ねる観客達の頭とその上に振りそそぐ羽毛がフラッシュライトに照らされ、コマ落としに見える… それはまるでこの世のものとは思えないほど美しい、本当に夢の中の出来事のような光景だったんだ。
終わってみれば、事前の予告通りアンコールも入れてちょうど1時間のライブ。
この日チッタに集った客は、唄う、叫ぶ、跳ねる、荒れる、ダイブする、しまいにゃ観客の頭上に立ち上がる奴まで現れ、もうぐしょぐしょ。
# 最近では Nirvana, Dinosaur, Pogues with Strummer と、どれもぐしょ # ぐしょの客席だったけど、そのぐしょぐしょの仕方がみんな微妙に違うの # が面白い。(^_^;
観客は、みな、スコールでも浴びたかのような全身びしょぬれ状態で、会場から出てきたのであった。
思い起こしてみれば本当にあっという間。一瞬の出来事だった。でも Manics であんなに昂奮するなんて、ライブがあんなに良いなんて予想外だったなあ。実を言うと。
それにしても、本当に解散すんのかね〜、あいつら。
単にあの解散宣言は、老いぼれる前に死んでいった奴らのことをカッコ良く思っていて、その真似をしたいけれども本当に死んじまう訳にもいかなく、結局それを「解散」ということでシミュレーションしようとしてるだけだと思うけど。
とか言ってる自分も、子供の頃から20代の内に死にたいとか言ってたくせにもうすぐ30になろうとしてるんだから、どうしようもない。同罪だよな。(-_-;
そういう意味で20代最後のライブを Manics で締め括ったというのも、何かの縁というか、感慨深いというか、悲しいというか…
(from news:295476@nttlab.ntt.JP in news:fj.rec.music, 1992/5/15)