たま

at Nakano Sun Plaza Hall (90/8/13)

開演予定より、約20分遅れて幕が上がりました。

ステージの真ん中に黒い布が敷いてあり、 その上に、いつもの4人の楽器が置かれています。

舞台装置は何もありません。ライトがいくつがあるだけです。

純粋に音楽だけで勝負するんだぞ、という彼らの意気込みが伺えます。

ステージ衣裳も、いつもの通りの格好です。

さあ、コンサートが始まります。

以下、進行に従って、コメントをしていきましょう。


(以下、記憶に頼って書いてますので、嘘が入っている可能性は充分考えられます。 あしからず)

・ロシヤのパン (知久)
出だし、ちょっと知久君の声が辛いかな、という気がする。 アレンジは、CDとほぼ同じと言って良い。 曲調はあっさり目に仕上がっている。
・おるがん (知久)
知久君が「どうも。たまです。」と一言喋った後、この曲。
・さよなら人類 (柳原)
アレンジは "さんだる" のテイクに近いが、 「あの娘が...」の部分は入った。最後の「ララララ... 」はない。 「めん・どう・こて」もない :-)
この曲を、あっさりと3曲目にやってしまったことや、 "月刊カドカワ" で柳原氏自身が、この曲を "無害" と 言ってるように、この曲は、彼らにとっては、 さして特別の位置を占める曲ではないのかもしれない。
でも、名曲だと思う。特に歌詞は凄い。やっぱり。
・とんかち(?) (柳原)
「とんかち、とんかち...」っていう曲。 タイトルも "とんかち" だと思う。
たまの "変" な部分が垣間見える。
(多分ここで)喋りが入る。

最初、柳原/知久の二人が譲り合い、結局4人でじゃんけんをする。 んで、知久君が負け、喋ることになる。

「中野は家からとっても近いので楽です」とか、 「昨日は休みだったので、事務所に内緒で芝居に出てきました」とか。

・? (柳原)
知らない曲。サビが「引き出しの中を飛んでいる」とかいう詩だった。
・夜のどん帳 (柳原)
"でんご" に入っている曲(ぽんぽこさん、ありがとうございます _o_)。 たまが、とてもポップな要素を持っていることが、良く分かる。
・日本でよかった (滝本)
滝本氏も他の3人に全く負けていない。すごいなー。
・どんぶらこ (柳原)
CDとはベースのアレンジが若干違う。 ライブでは、あのチョーキングの連続は辛いのだろうか :-)
途中の"A Day in the Life"の部分もちゃんと再現される。 本当に、CDのアレンジを忠実に再現しているライブだと思う。
・学校にまにあわない (石川)
今回の語りは、
(実際に片足けんけんで、舞台を一周した後)、
「って片足けんけんをして学校へ行くと、 いつもは校門の所にいるはずの校長先生以下一同が、いません。 校庭の方へ行ってみると、窓から誰も覗いて、いません。 そうか。今は夏休みなんだー、って思っていると、 空に見たこともない大きくてきれいな花火がどーんと打ち上がって、 校門も校舎も跳箱も何にもなくなっちゃって、 僕は、このまま夏休みが永遠に続くんだなと、 一人ほくそ笑むのでありました。」
とさ。「原爆・水爆」はやっぱり出てこない。
ここで、ステージの上からスクリーンが下がってきて、スライド上映。 変な線画で書いた人間のイラストが、音もなく、7,8枚順に映し出される。 たまの4人も座ってそれを見ている。全く意味不明 :-)

・? (滝本)
これも良い曲なんだ、本当に。 滝本氏の凄さも認識したライブであった。 ここでは石川さんがオルガンを弾く。
・? (知久)
ここで知久君の曲があったような気がするんだけど、良く覚えてない。
・リヤカーマン(?) (全員でコーラス)
これは名曲だー :-) :-) :-)。ライブで聞くしかないぞー。
「リヤカーマン リヤカーマン 上半身だけやってくる 上半身だけやってくる はやいー はやいー 下半身は 家で ごはんの用意(?)」
とかいうのが1番の歌詞。4番まである。
・ワルツおぼえて (滝本)
(うーん、コメントのネタが尽きてきた... :-)
・らんちう (知久)
間の柳原氏の語りが、超傑作。曰く、
「チケットあるよー。チケットあるよー。はい、チケットあるよー。 チケットあるよー。8000円。はい、8000円。チケットあるよー。 はい。知久の前、22000円。知久の前、22000円。 柳原の前、18000円。柳原の前、18000円。 なんてことを言うダフ屋がいるなんて、 信じられない世の中だあー。」
場内どころか、ステージ上のメンバーも大爆笑。
・方向音痴 (知久)
・オゾンのダンス (柳原)
・れいこおばさんの空中遊泳 (柳原)
3曲続けてテンポのある曲。 "たま" ってこんなにポップだったっけ? という驚きを覚える程。
"れいこおばさん..." の最後では、柳原/知久の2人が、 1本のマイクを挾んで歌う。そして、あのエンディング。 うーん、Beatles してる :-)
・? (柳原)
ここでもう1曲、柳原氏の曲があったような... 気のせいかもしれない。
・? (知久)
ラストの曲。
始まる前に、石川さんが「タイム」と言って舞台の袖に下がる。 残りの3人、それを茫然と見つめる。 間を持たせるために、柳原氏が何か喋っていると、石川さん帰ってくる。 どうしたのかと思いきや、何と、楽器(笛)を忘れて取りに行ってたそうな。
これも良い曲だったなあ。全然覚えてないけど (^_^;)
・夏の前日 (滝本)
・? (石川)
アンコールは、この2曲。
うーん、そうか。やはり、石川の曲で閉めて来たか。
アンコールまで入れて、2時間弱のコンサートだった。。


演奏・ボーカル・コーラスは、吃驚するぐらい、しっかりとしていました。

あの、演奏/歌のうまさは、ただ者ぢゃあ、ありません。

ライブを重ねてきたせいもあるんでしょうが、 バンドとしても、きっちりと、まとまっていました。


全体を通して感じたのは、意外な程 "さんだる" を忠実に再現しているな、 ということでした。

私は、"さんだる" は、初のCDということでしっかりと作り込んでいるけど、 ライブは "しおしお" のように、もっとラフ、かつ、 素っけない感じなのかと、勝手に思い込んでいたのですが、 それに反して、ライブも実にじっくりと、作られているものでした。

しかし、当然ながら(?)、石川さんのまわりには、 即興演奏的なメンバー同士の緊張感がビシビシと漂っているという、 不思議な取り合わせの演奏ではありましたが...

"さんだる" には入っていない曲も沢山ありましたが、 それらが演奏されるときのトーンは、やはり、

"さんだる" と通じるものがあるように感じました。


これは、肯定的な言い方をすれば、

「彼らは、現時点で自分達が表現すべき確固たるものを築いており、 それを、CDとライブという何れの形態においても、 観客の前に提示することができた」
ということだろうし、否定的な言い方をすれば、
「今まで彼らが、イカ天やCDを通じて見せてくれたものの 先/奥/裏にあるものを垣間見せてくれることはなかった」
ということになるでしょう。


どちらが当たっているのかは、今後を見て行くしかないと思います。

"イカ天" 以降、新しい曲が一つも出来ていない、ということですが、 ぜひとも、がんばって欲しいものです。

私なんぞは、ただの聴衆の一人で、 無責任な期待をかけることしか出来ませんが...


(from news:102366@nttlab.ntt.JP in news:fj.rec.music, 1990/8/14)
<takadat@st.rim.or.jp>