一昨年の10月、遅過ぎた、ほんとぉ〜に遅過ぎた初来日を果たした
everything but the girl (以下 EBTG と略)の、2度目の来日公演。

会場は一昨年と同じNHKホール。
ダフ屋が6000円の前売り券を5000円で売っている(;o;)。
会場に入ってみると、確かに3階席はガラガラだった。
もっと小さなハコでやればよいのに。

初日(27日)の席はオーケストラピット3列目の一番右端、スピーカーのまん前。
EBTG だから良いものの、Dinosaur だったら死んでるぞという声多数(嘘)。
前は前なんだが端っこ過ぎてあまり視界は良くない。
でも ben や tracey の顔が、とっても良く見える。

# お髭な ben と、正しくブスでもとても可愛い tracey とは何かつーか。(^^;

2日目(28日)は真っ正面の席だったためステージ全体が良く見渡せた。
でも逆に、逆光オンリーの照明に照らされ tracey の顔は良く分からん。
(正しい? ^_^;)


さて、開演時間から10分程遅れて客電が消え、
アコースティックギターを手にした ben watt と、tracey thorn が登場。
2人だけで演奏を始める。やあったね!

1曲目は、(輸入盤だけど)先頃出たカバー曲集のミニ・アルバムから、

1. love is strange (from "covers e.p.")

ギター1本と2人の声だけが会場に広がる(;o;)。やっぱ EBTG はこうでなきゃ。

続いて、ドラム、ベース、サックス、キーボードの4人のバンド・メンバーが現れ、

2. frozen river (from "worldwide")

3. driving (from "the language of life")

4. one place (from "worldwide")

といった曲が唄われていく。

うーん、やっぱし、"worldwide" や "the language of life"
からの曲が中心なのかあ、と思っていると、ここで tracey が曰く、
「みんなが覚えているかどうか分からないけど、私達のファーストアルバム
"eden" ("イーデン"と発音するのが native なの)からの曲をやります。」
と言う。覚えてるに決まってるぢゃあないかあ、ばんずわ〜い! (^o^)

5. frost and fire (from "eden")

そして次はなんと、ben のソロ時代アルバム "north marine drive" から、

6. some things don’t matter (from "north marine drive")

ううぅ… うるうるうる(;o;)… 素晴らしい! 一際大きな拍手と歓声が飛ぶ。

# でも正直言うと、一昨年の north marine drive の方がやっぱし断然好き! (^o^)

感じたのだけと、会場の客は明らかに2つに分かれている。
"the language of life" 以前のファンと、以降のファンと。

どちらの曲でも大きな拍手やら声が飛ぶんだけど、
それぞれ実際にしているのは、別の集団のような気がした。


コンサートは、どんどんと進む。

7. love is here where i live (from "idlewild")

8. politics aside (from "worldwide")

9. the road (from "the language of life")

10. lonesome for a place i know (from "idlewild")

"idlewild" からも色々と演ってくれる。嬉しい嬉しい。(^o^)

そして、ここで再び2人だけの構成に戻る。ben のMCが、
「最近、"covers e.p." というカバー集のミニアルバムを出したんだ」
と始まる。ををぉ! 何だろう、ひょっとして time after time かな、
と思いきや、次の曲は elvis costello のカバー、

11. alison (from "covers e.p.")

であった。(これがまたとっても素敵!)


ここで度々話題に登っている "covers e.p." の裏ジャケットにこんなことが書いてあります。

「1991年10月に私達はlondonでカバーだけを集めたコンサートをしました。
そのコンサートではバンドは付けず、ギターとピアノと、
そして2人の声だけで行われました。…」

別にバンドを付けるのが良くないとは言わないけど、
バンドが付くとどうしても tommy lipuma してしまうというか何というか、やっぱし、
2人の「声」というものを大切にして欲しいなあ、と感じる今日この頃。


さて、

12. british summertime (from "worldwide")

13. meet me in the morning (from "the language of life")

14. understanding (from "worldwide")

15. imagining america (from "the language of life")

と曲は続き、ここでまた ben のMC。

「来週 brouce springsteen の新しいアルバムが2枚出るよね。
実は僕は昔から brouce springsteen の secret fan なんだ。
EBTG と brouce springsteen… みんな意外に思うだろうけど(笑)。」

と言って ben が唄い始めたのは、

16. one step up (from "tunnel of love" by bruce springsteen)

結構ハマってたんだな、これが。

ここでまた tracey のMC。また "eden" からの曲をやるとのこと。
そして始まったのは、知ってる人にはもう御馴染みの、あのブラスの音。(ををを!)

17. each and every one (from "eden")

であった。 2日目のMCで tracey はこの曲に関して、

「この曲を作った当時は、この曲は cultural cover をしたつもりだったけど、今はそうは思えないわ。」

と笑っていた。若気の致りつーか。
結局 EBTG も大人になってしまったのね。

そして最後は、

18. twin cities (from "worldwide")

で、幕。


アンコールの拍手に迎えられ、再び2人が舞台に現れる。
まず1曲目に演られたのは tom waits の名作中の名作のカバー(!)、

E1. downtown train (from single "driving")

そして、再びバンドのメンバーをバックに、

E2. i always was your girl (from "idelwild")

(これもまた… ;o;)で、終わりとなる。

初日は、ここで一旦客電が点いてしまったにもかかわらず、
怒涛のアンコールの拍手の中、再び2人がサックスを伴って現れた。

そして客電が再び消され、ben がギターを弾き始める。これが、

E3. fascination (from "eden")

だあ! う〜ん、何もかもみな美しい(;o;)…

2時間弱のとても素敵なコンサートでした。


結局、ソロ時代の曲が1曲、"eden" から3曲、"idlewild" から3曲、
"the language of life" から4曲、最新作 "worldwide" から6曲、
そしてカバーが4曲、という構成。
まあ、バランスが取れてるといえば取れてるのかな。
でも "eden" から3曲もやったのは意外でした。

それにしても "love not money" と "baby, the stars shine bright"
が完全無視とわ。あれはもう顧みられない過去になってしまったのだろうか。
しくしく…


音作りの面では、ben のアコギ所持率も一昨年のコンサートに較べると高く、
なかなか良い感じになっていました。

一つだけ難を言うと、パーカッションが居らず、
ドラムがシンセドラムでそれを代行してたこと。
何か音がポコペコしてるし、リズムのタメがないし、
ここぞというとこではパーカッションの音は鳴らないしで、
そこら辺は今3つくらいでした。


rockin’ on のビデオ評の言葉を借りれば、「怒り」と「美しさ」
の危うい同居から成り立っていた everything but the girl.

tracey の髪ももう立つこともなく、
今や「美しさ」だけに支配されるeverything but the girl.
それでも彼らにしか表現できない素晴らしい世界を私達に見せてくれたコンサートだったと言えるでしょう。

この先もアルバムで裏切られることになろうとなるまいと(;_;)、
やっぱり everything but the girl は私にとって大切な、
そして特別なアーティストであり続けると思います。


(from news:280683@nttlab.ntt.JP in news:fj.rec.music, 1992/3/31)

M.M.