(OTOTOY編集後記からの転載です)

何がショボいとかそういう話は放っておくとして、すこし前から感じてたのは、ステレオじゃなくてもよくなっているんだな、ってことでした。今どきのサウンドは音域と時間軸において整理され尽くしているので、モノラル・スピーカーで聴いてもじゅうぶんに“空間”が感じ取れる仕組みになっています。モノラルでも得られる立体感、その上でステレオであればそこに新たな発見や魅力がプラスで積み重なる、という構造。音楽を聴く場所、“スイートスポット”の束縛からの開放です。Sonosなどの、単体はモノラル、ステレオにしたければ2個買ってね、みたいなスピーカーの売り方はそれと軌を一にしているのでしょう。そしてもうひとつのルートは、モノラルから直接“空間オーディオ”に進むパターンでしょうか。ということで先週のリリースで特に印象的だったのが、RYUTistの「水硝子」でした。オリジナルの君島大空編曲にもカップリングのウ山あまねremixにも、そこに「整理」と「情報過多 (引き算の美学的なものへのアンチテーゼでもある)」との良いせめぎあいがみられます。今週のプレイリストにあります。オススメです。(お気に召しましたらぜひハイレゾでも)

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今週のOTOTOY NEW RECOMMENDへの推薦曲は、〈現在16才、マルチ・プレイヤー、インディー・ポップ・アーティスト、Kali Flanagan。ついにデビューEPをリリース!〉、KALIの “Too Tired”、他、Cucoの “Forevermore”、tricotの “暴露”、Subway Daydreamの “Ballad” の4曲です。

そして先週の推薦曲は、BROTHER SUN SISTER MOONの “Heartbreak”、Ben Wattの “That’s The Way Love Is”、さとうもかの “Love Buds”、PUFFYの “Pathfinder” の4曲でした。