ソマリアの海賊を壊滅させたのは……という話が回ってますが(勿論複合的意義は十分あるでしょう),壊滅に貢献したのはデータマイニング技術だという話が昔からありまして.前にこれ読んだとき,へーって思ったんですよね.

気象海洋も含めた様々なデータから海賊出没の日時場所を予測して,商船には警戒するように情報を伝えると同時に,そこにピンポイントに取り締まりに行く.海賊にしてみれば「商売」にならないので辞めていく,という仕組みだそうです(辞めた後の稼ぎ,という点からは,漁業に従事する機会も大切ですね).

その予測手法に関するU.S. Naval Research Laboratory (NRL)の報告がこれ.

もうすこし解説っぽいのは,

  • 取り締まりも含めた解説記事(英文).2013年
    Information Warfare: Data Mining Screws The Pirates
  • 日本語ざっとした訳はこれかなぁ(魚拓だけど)
    (cache) Podcast28_Military_News_Blog: ■一年生のセージの発芽率に感心する。しかし種類が分からない。【2013-6-18作文】- 2013年8月8日 08:39 – ウェブ魚拓

    ストラテジーページの2013-6-17記事「Data Mining Screws The Pirates」。
     数学の力が、ソマリア海賊を鎮圧しかかっている。
     海賊攻撃は昨年より7割も減った。
     そして、巨額の身代金領収につながる巨大船のハイジャックは、かれこれ1年以上も、発生していない。

     データ・マイニングをして、海賊の行動を予測する数学が、貢献している。名付けて PARS (Piracy Attack Risk Surface)。
     過去パターンの抽出に、天候要素を加味すると、敵の次の出没海域が読める。そこを通る船長には、警告してやる。そういう仕組み。
     もちろん各国海軍は、その海域近くで張り込んでいる。

     海賊行為はピークの2009には181件もあったのに、2012には32件。
     海賊たちは、資金が尽き、陸に居る闇の首魁たち(たいていは教育あるビジネスマン)は、他業務に関心を向け変えている。この首魁たちには、数学ソフトが海上を支配したことが分かるのだ。

     これまでの各海軍の経験で分かったのは、海賊の出没にいちばん大きな影響を与えているのは、天候・海象だということ。海賊にとって、仕事のし易い気象というものがあるのだ。それがどの海域に生じているかをリアルタイムで把握するだけで、海賊の出る場所がわかる。そこに各国軍艦はパトロール海域を絞り込めば、いちばん無駄が無い。

     海賊側の心証では、過去2年、軍艦の数が急に2倍に増えたと思っているだろう。さにあらず。同じ数の軍艦が、ただ、海域を絞り込んでいるだけだ。

とか.面白い.

そういえばデータ・マイニングって言葉あんまり聞かなくなりましたね.何も変わっていないのに.栄枯盛衰諸行無常 :-)