Microsoftのイベント(Windows 10: The Next Chapter)で発表されたHoloLens.

よく出来ているようにみえるし実機デモをちゃんとやるのは凄いけど,Augmented Realityという分野から見ると,新しいのは何なのかな? 

もちろん,あれに詰め込んだのは凄い.かつ,いくつかの点は興味津々.

まず,1台のみのHoloLensならともかく,複数ユーザーでの利用が本当にできるのか? つまり,認識した環境3Dモデルの複数ユーザー間でのマッチングや共有,そこにある3Dオブジェクトのモデルの共有とか,マジでそれ出来んの? という点.固有マーカー無しだし,ああいう描き方をするなら「箱庭環境で出来ましたー」じゃなくて,世界中広く遍くどこでも誰でも同時何ユーザでも出来るんだよね,もちろん.

‥‥と思ったらそれは勘違いで,もう一度冷静になってビデオを観ると,このビデオにはHoloLensを着けている人物が複数名同時に出てくるシーンが巧妙に一切描かれていなかった.バイクのシーンの男性とか,もの凄く意図的な映像になってる(0:38から登場.首から上は決して映っていない).排水管修理のシーンは片方は通常のタブレット使用だし(1:08から),火星探査機シーンの"John"の表現(1:15から.人物映像ではなくアニメーション)は,とても味わい深い.

別の言い方をするとこのビデオは,「嘘を描いてはいけない」という姿勢を真摯に守っている.とても好感が持てる(Evil度はとても低い).

他方,会場でのライブデモを中継する何やらゴッツい仕組みのカメラの映像は,デモをする女性のモデルを共有して,リアルタイムで背景世界を認識しながら,それを他者視点で表示することをやっている(こっちは要求上,video see-throughだけど).つまり,そこも出来ている.でもそれはHoloLensとは別のゴッツくてワンオフな仕掛けがまだ必要であるようだ.

あと余談的には,Minecraftをそこにそう持ってくるか,という感心が個人的に.現実と相互作用する仕組みをぜひ!w

いずれにせよ,Microsoftのハードデバイスメーカーとしての優秀さは折り紙つき(本当にそう思ってますよ)だからなぁ.どうなるのかなー.

(2015.04.30 追記)
HoloLens関連で何が感動的かって,上でも書いた,この,シースルーARのライブデモを第三者視点で見せるカメラ(とその裏のソフト)だよな.極限まで的確かつ効果的(主観視点再現度とか).かつてこんなのあったのだろうか?